56 12月のライブ 2
まだ12時で、ライブ会場に入ることはできないが、近くには並んでいると思われる人も数人いる。僕は図書館で本を読み、1時間ほど時間を潰すことに決めた。
ヘリアンサスガールズのライブ映像自体は販売されているし、見たこともあるが、ライブに参戦するのはこれが初めてだ。もしかしたら(というか、恐らく)これが最後になるかもしれない。僕は、なっちにライブがあることを教えてもらった7月から、ずっとこの日を楽しみにして来ていた。
そのユニットは結成から3年半弱がたち、8枚のシングルを発表している。去年の2月に2期生が加入し、今年の1月に3期生が加入した。今のところ、メンバーが増えるタイミングは不定期なようだ。ただ、しばらく募集を行わない可能性は高いと、Twitterでプロデューサーは説明していた。
どういうわけか分からないが、今日はなっちから紫色の服を着てくるように指示されていた。推しの色で来なくちゃいけないとかいうルールがあるわけでもない。僕はその指示通り紫色の服を着ているが、上に1枚青色のジャンパーを羽織っている。鞄にしまえるサイズの上着なので、発表会の時は脱ぐと決めていた。
ライブ自体は14時20分から始まるが、入ることができるのは13時からだ。公演が始まる前(14時まで)にも物販は行われるが、撮影会が行われるのは披露が終わった後(16時40分から19時半まで)だ。
Twitterで見たのだが、しふぉんはタオル・CD・サイリウムのほかに、自分のアイドル活動を小説風にして書いた本の第1巻も売るつもりらしい。若干脚色もしているようだが、彼女は僕と同い年(僕は1月6日生まれ、しふぉんは3月19日生まれなので(ほとんど変わらないけど)ある意味”年下”)なのに、ここまで頑張ってるところに僕は尊敬の念を抱いている。
CDはライブ限定のもので、ひとりにつき最大1枚までと決められている。タオルにはChiffonの名前が入っているし、サイリウムは彼女のイメージカラー・紫のものである。
本の内容は活動開始から約2週間弱のものを、誇張無し(「のつもりですが、あったらごめんなさい」と言っていた)で淡々と描いているものらしい。Twitterで「実体験をほぼそのまま書いているので、面白さを意識して書いてはいませんが、アイドルの日常を知りたい方にはおすすめです」といっていた。値段は税込で981円。僕は、せっかくだから買っておこうかな、と思っていた。
字数は約10万文字強で240頁。タイトルは「ヘリアンサスの希望」。メンバーの川上の挨拶「希望という名の約束」からつけられたタイトルらしい。僕は早めに入って買っておき、待ち時間や帰りに読むことにしていた。
なっちは今、多分ヘリアンサスガールズのメンバーと色々話しているのだろう。(当然だが、ライブ中に僕を巻き込むことはしないとっていたものの)彼女のサプライズも、僕としてはそれくらい楽しみにしていた。
時計を見るともう13時前。僕は図書館を出て、(同じ建物の中だけど)ライブが行われる公会堂へと向っていった。
会場に並んでいる人は約20人。13時から14時までの間に来れば入れるので、最終的にどのくらいの人が来ることになるかはわからない。
今日は人数は多くないので整理番号は存在しないようだ。
拓也さんいるのかな、と探してみたが分からなかった。ただ、知り合いは1人もいないようだった。
僕はスマートフォンでチケットを見せて中に入った。荷物チェックもあったが、そんな危ないものは持ってないので、僕は無事中に入ることができた。
入ってすぐ、しふぉんを見つけることができた。事前に聞いてはいたが、やっぱり背が高い。ただ、(男女間で違うとはいえ)男子の感覚で考えてしまった僕は、思ったより高くはない、という印象となってしまった。




