表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/146

54 家

 最寄りのH駅の付近には特に何もない。なっちの最寄駅にも特に何もなかったと言っていた気がする。なっちが横浜に引っ越すとなった時、それがどんな都会なのか楽しみだったようだ。だが実際に蓋を開けてみると、(交通の便は良いものの)まあまあ田舎ということで、若干ショックを受けたと言っていた気がする。

 

 横浜と聞いたとき、なっちはランドマークタワー(大阪府にある”あべのハルカス”についで、日本で2番目に高い建物)だとか、海辺にある帆の形をかたどった建物だとか、その辺を想像したらしい。


 思い描いていたものと現実が違うことは誰でも経験があるだろうが、なっちの場合はその落差が大きすぎたのだろう。だからこそ彼女はがっかりしてしまったんだと思う。


 僕は、横浜について思っていることをLINEのメッセージでなっちに聞いてみた。


 「正直に答えてほしいんだけど、横浜来た時どう思った?」


 相変わらず返信は早く、送ってすぐ既読が付いた。


 「えー、悪いんだけど最初は『田舎だな』って思ったよ、私が言えることじゃないけどね」

 「あと坂が多い! 夏場とかは地獄だなって思う」

 「まあ何だかんだで今はいいところだと思うよ」


 なっちが徳島にいた時に住んでいた街をGoogleストリートビュー(世界中の色々な街の風景写真を全方向パノラマで見渡すことができるサービス)で見てみたことがあるのだが、この辺(H駅付近)と田舎度はあまり変わらなかった。



 今度なっちと遊びに行ったときに一緒に見てみよう。そう思っていると夜ご飯ができたので軽く食べてお風呂に入った。


 明日・明後日は学園祭の片づけがある関係で登校だが、水曜日は代休(僕の学校は日曜日だけ授業がないが、今週に限っては学園祭で被っていたため)となっている。僕は、眠くなってしまったので、歯を磨いてトイレを済ませ、電気を消してベッドの中でいろいろ考え事をし始めた。



 今後なっちとの思い出を増やせる可能性が高いイベントは、今年に限って言えば(思い当たる範囲で)3つ。今月末に行われる体育祭、12月9日にO駅(H駅から乗り換え1回で行ける場所)で開催される軽音部のライヴ、12月18日にC南駅で行われるヘリアンサスガールズの遠征披露会だ。


 遠征披露会は、メンバーの2人の実家が横浜にあるという理由で、横浜で開かれることとなった。実際空港からC南駅はバス1本で行くことができるので、割と移動はしやすいのかもしれない。


 なっちがサプライズとして出演するらしいと聞いている。具体的には何をするかは僕にも言わないつもりらしいが、歌を本格的に歌うということはないとのことだった。


 正直言ってしまえば遠征披露会が一番楽しみだ。さすがに多くの人がそうではないだろうが、聞いた話だと、ライブを見に(わざわざ)徳島から横浜まで所謂”追いかけ”をする人もいるらしい。僕は徳島まで(高校生という身分の問題もあるが、お金に余裕があったとしても)徳島で行われるライヴに行こうとは思わない。


 いろいろ考え事をしていると、いつの間にか眠りについていた。


 目が覚めると3時。スマートフォンが充電器に刺さっていないという事実から寝落ちたことを確信する。変な時間に起きたということは早い時間に寝たのだろう。


 見てみると、なっちからLINEの通知が来ている。21:26を指していることから、それより前に寝ていたことが明らかになった。


 「ヘリアンサスガールズのライブ、ショウにとって忘れられない思い出にしてほしいから、ちょっとサプライズ的なことを行うつもりだよ」

 「私もショウのこと好きだったから、告白してくれてありがとうね」


 何か返信しようかなと思ったが、今は深夜&まだ眠いという事も考え再び眠りについた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ