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50 学園祭当日 2日目 2

50話目です。読んでくれている皆さん、ありがとうございます!

 そういえば、色々な人が遊んでいるそのゲームをなっちに紹介したことはなかった。ブロアトにはマルチプレイ(対戦ではなく協力プレイ)があるので、今度彼女を誘って一緒にやってみようかな、という思いが僕の中に芽生えた。


 なっちは10時から実行委員の仕事があるということなので、まだどこか探せばいるはずだ。僕は何もすることがなかったので、なっちを探しに校舎の色々なところをめぐった。


 なっちは7組で、ひかり・コウと雑談をしているようだった。話を聞いてみると、最近あの漫画が面白い、とかそういう話をしているようだった。


 僕は漫画を全くと言っていいほど読まない。ラストラベンダーは原作漫画だが、僕はアニメで全話を見た。何となく、僕は漫画という媒体に惹かれなかった。


 彼らの話についていくことができないと確信した僕は、悔しい思いをして教室を出ていった。


 山村は”彼女”(と噂されている人)の大橋さんと一緒に回っているようだ。特に一緒に回る人もいない、回りたい場所もない僕は、教室のスタッフルームに隠れて10時がくるのを待っていた。


 睡眠が足りないからなのか、頭が全然回転しない。僕は同じく10時からシフトの今西に、ここにいるから起こしに来てね、とだけ伝えて眠りについた。

 

 最近僕は金縛りにうなされている。ネットに上がっている金縛り経験だと周りの様子が見えると書いてあるが、僕の場合は目があかず、体も全く動かない。どうやら、他人が体験している金縛りと自分のものは若干違うようだった。


 身動きが取れず苦しんでいるときに、今西が起こしに来た。僕は彼の声を聴くと同時に、体が自由に動かせるようになった。今西も金縛りを経験しているようだが、幽霊が見えるといっていたので、僕と同じタイプではなさそうだった。


 一緒に案内を行うことになっている山村ももう来ているようだ。僕は、彼と一緒にお客さんを案内していった。


 今日案内したお客さんは中学校3年生の女子2人だ。ここの高校に入学することを考えてます、と言っている。僕と山村は、彼女に中学生向けのクイズを出した。


 「簡単な問題と難しい問題、どっちがいいですか?」


 マニュアルにのっとり山村が話す。中3の子ふたりは、簡単な問題に挑戦したいようだ。僕は彼女たちに、「普通」の状態の猫の絵を渡した。


 この企画で出されるクイズは、ひらめき系の問題が多い。今回も例にもれず、あたまの回転の速さがものをいう問題だ。


 「これらのアルファベットはある規則に従って並んでいます。□に入るアルファベット1文字を答えてください。制限時間は2分で、解答することができるのは5回までです」


 僕はゆっくりと話し、問題を彼女の手元に持っていった。そして、2分間のタイマーをセットした。


 挿絵(By みてみん)


 これはひらめきがものをいう問題だ。中学生相手に出したが、これに限っては小学生であっても(アルファベットを習っていれば)解くことはできなくても、答えを理解することはできるはずだ。


 「これ、何か日本語なのかな...?」


 彼女たちは考える。2人はヒントがほしいと言っているが、申し訳ないがヒントは用意していない。僕は悩んでいる彼女の姿を申し訳ありません、と言った表情で見ていた。


 

 タイマーは刻一刻と時間を刻んでいっている。残り一分を切ったところで、2人のうち背が高いほうが何かひらめいたようだ。


 「あ、わかった! 間違ってないこと確認させて」

 

 え、なに?と聞く背が低いほうを無視して、背が高いほうは右から左にアルファベットを確認していった。


 「あ、あってるっぽい! れんちゃん、答え言っていいかな?」


 タイマーは残り30秒を刻んでいる。長身の子の確認に対し、「れんちゃん」と呼ばれている子は、時間ないしいいよ、って答えた。


 「答えはMですか?」


 背が高いほうが僕たちに聞いてきた。


 「正解です!」


 彼女は、よかった、という表情になる。れんちゃんはまだ答えの理由を知らないようで困惑しているように見受けられる。彼女は理解できていないようで、背が高い子のほうにMになる理由を聞いていた。


 「みずきちゃん、なんでMなの?」

 「逆から読んでみると、『あかさたなはまやらわ』のアルファベット『AKSTNHMYRW』になってるでしょ?」


 山村が解説しようとしていたが、その前にみずきちゃんが話し始めた。


 「だからMなの」


 れんちゃんは腑に落ちたような表情をした。彼女の解説通り、答えはMである。


 「ま、私は知ってたけどね」


 れんちゃんは全てお見通しでしたよ、といわんばかりの表情をする。僕と山村とみずきちゃんは一斉に笑い出した。


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