40 学園祭当日 1日目3
1話を1500~2000字位にした方がよいという感想をいただいたので、しばらくその程度の文字数で更新していくつもりです。(この部分は1766文字です)
「じゃあ点呼取るぞ! 自分の後ろの番号の人がいるか確認してくれ!」
教室の中を見渡すことができない、かつ、できるだけ早く全員いるか確認したいという状況で先生が良く使っている方法だ。出席番号が最後の人は、1番の人を探す、というルールになっている。
「えーっと、浜崎はどこだ......あ、いた!」
浜崎は自分の出席番号1個後ろの女子だが、いまだに喋ったことはない。
「全員いるか!」
約1分後、先生は確認をとる。どうやら、「後ろがいない」という人はいなかったようだ。先生は続ける。
「では、シフトの時間を間違えないように注意してください」
先生はこれだけ言って、全体の話を終わらせた。僕のシフトは、今日の10時、明日の10時、13時の3か所入っている。明日の10時が、唯一なっちと一緒でない時間だ。なっちは実行委員ということもあるので、僕は仕方ないと思っていた。
僕はトイレに行って、クラスTシャツに着替えた。クラスの全員の名前が入っているTシャツだ。
学園祭は混雑することが予想される。僕は、なっちとツーショットを撮りたいと思っていたが、遅くなって人が多すぎるのは嫌なので、今のうちにとっておくか、となった。
僕は、大橋さんにカメラを渡し、「写真を撮って」とお願いをした。
「はい、チーズ」
彼女の掛け声にあわせて、僕たちはピースをして写真を撮った。
「これでどうかな?」
「あ、いい感じ! ありがとね」
僕は大橋さんに伝える。大橋さんにカメラを返してもらった。なっちは元アイドルなだけあって、写真うつりもかなり良かった。
「あとで写真ラインで送っておくね!」
僕はなっちにこう言った。こんなことをしているともう8時45分。客が入ってくる時間だ。僕は、特にしようと思っていたことがなかったので、教室のスタッフルームのような場所に隠れ、誰にも気づかれないようにFotFをプレーしていた。
「ねえ、ひかりとコウの教室行ってみない? 2人ともシフト9時って言ってたじゃん」
なっちは言う。僕はかなりびっくりした。いつの間に来てたんだ。どうやら、彼女は僕が1戦を終えるのを待ってくれていたようだった。
ひかり・コウは2人とも同じ7組だ。同じ階にあるのだが校舎の構造的に遠くて若干行きにくい。まあ気にならない程度の距離ではあるので、僕はスマートフォンを鞄の中にしまって教室まで向かっていった。
僕が何となく向かっていった7組では、ボウリング企画が行われていた。ペットボトルでできたピンに、ボールを当てて倒すというものだ。
このボウリングには、1つ斬新なルールがある。それは、「ピンをすべて倒してはいけない」というものだ。ピンが15本置かれているのだが、その中の14本だけを狙って倒すゲームらしい。
14本ちょうど倒すと豪華景品(カップ麺)があるらしいと聞いている。僕は、最初に挑戦してみたが、12本しか倒れなかった。なっちも、11本となってしまい、ちょうど14本というのは無理なようだった。
チャンスは3回。1回入るのに50円が必要な仕組みになっているため、本気でやらないと損する(といっても、参加賞として飴がもらえるが)ようになっている。
僕は2回目のチャレンジで、13本を倒すことができた。なっちはさっきと同じで11本。14本を狙って倒すのはやっぱり難しい。後ろにも客がいるが、14本ちょうどというのはやっぱり困難なようだった。
3回やってみたが、結局僕もなっちも14本ちょうどは無理だった。1つ前の人たちもできなかったようで、結局参加賞の飴を3つもらって終了という結果になった。
「14本って難しいよね、普通のボウリングで、1回だけ投げて9本ちょうど倒す、っていうのも難しい気がするし」
僕としても、無理でしょという感じでしかなかった。成功者は出るのだろうか。そう思いながら、僕たちは教室へと戻っていった。
特に行きたい他の企画もないため、僕となっちはスタッフルームのような場所でFotFをやって10時まで時間をつぶした。
ゲームをやっているとあっという間に時間が流れる。スマートフォンの時計はもう9時55分を指していた。僕は携帯をしまって、9時シフトの人と入れ替わった。
1回の仕事は1時間。なっちのほかには4人いて、ふたりずつペアになって客を案内している。僕は、なっちと協力してやっていくことにした。




