39 学園祭当日 1日目2
「じゃあ2曲連続で行くよ」
なっちはこういって練習を始めた。歌っている声は透き通っていて力強い。昔アイドルをやっていたときのCDの曲の声と歌い方が(同一人物なので当然だが)そっくりで、僕は演奏をしながらも彼女の声に聞き入っていた。
「お疲れさまでした。本番も頑張ろう!」
「「「お疲れ!」」」
なっちの声に合わせて、僕たちは練習を終えた。14時から準備でまたここに来るが、その前に先輩のバンド「Degree Celcius」が音楽室を練習で使うことになっている。僕たちは、楽器を奥に片付けた。
時計の針は8時20分を指している。僕は、なっちと一緒に教室まで向かっていった。
太田、山村はもう来ていたようだ。僕は、じゃあまた後でね、といってなっちとわかれた。山村はタイミングを見計らってこういった。
「よおカケル、調子はどうだ?」
僕のことをショウと呼んでいるのはバンド仲間くらいで、他の人たちは「カケル」「長谷川(くん/さん/呼び捨て)」と呼んでいる。周りに誰もいないことを確認して小声でこう付け加えた。
「前田とはうまくいってるか?」
「え、まさか、付き合ってると思ってる?」
「まあそりゃな」
よく、「なっちと僕は付き合ってる」ということにされるが、僕には、なっちと(彼女として)付き合っているという意識はなかった。僕としてはなっちとは「友達以上恋人未満」といった関係で、彼女自身もそのように思っているようだ。
「いや、付き合ってないけど」
僕は思ったことをそのままいった。でも、確かにあの関係は付き合ってるとみられても仕方ないかもしれない。山村はこういった。
「まあ、幸せにな」
僕としては聞かれてもそこまで困る話ではないのだが、彼のポリシーとして小声で話しているようだった。周りに話を聞いている人はいないようだ。
僕は水筒のお茶を飲んで、近くにあった椅子に腰かけ仮眠をとった。6時間睡眠ということでそこまで少なくはないはずなのだが、それでもまだ眠かったのだ。
8時半。教室にある黒いカーテンに遮られて見えないが、先生が教室に入ってきたようだ。僕は、10分弱しか寝てないが目を開けた。
授業中やこういった時間に寝ると、わずか10分でも良く寝たように感じる。僕は軽く伸びをした。立ち眩みがするが、僕としては夏は起きやすいので仕方ないと思った。
1話、何文字くらいが読みやすいでしょうか...?(感想欄に書いてくれれば、可能な限り対応します。短いかな、とも感じていたので)




