表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/146

35 夜ご飯 12月のアイドルのライブの話

  壁にはサインが大量に貼ってある。有名な芸能人や野球選手も来たことがあるようだ。


 「3つ目ね。わかってるとは思うけど、私のあだ名ってヘリアンサスガールズの中では『なっきぃ』なのね。君は『なっち』って呼んでるし、今はそれでいいけど、ライブの時は間違えないでね。あと、半年ぶりのサプライズ出演ということで顔だけ出すけど、何かグッズを販売したりはしないからね」


 「思い当たる範囲ではこれだけかな。また何かあったら、ラインで送っとくね」



 僕は、了解、と言った。話題がなくなったので2人で一緒に壁のサインを見ていると、4年前流行語大賞をとった四国の芸人のサインをなっちが見つけた。


 「え、これ、ヘリアンサスガールズのプロデューサーだ!」


 なっちは驚いたのか、立ち上がって大声で叫ぶ。厨房のおばさんも、他のお客さんの多くも、大声を出したなっちの方に視線を向ける。僕は、落ち着いて、と言ってなっちを座らせた。


 「あ、ごめん、ちょっとびっくりして」


 このラーメン屋はT駅の近くにあるのだが、その周りには何もない。徳島県A市の芸人であるアカギリかつよしが、どうしてここに来たのだろうか。サインには今年の8月の日付が記入されている。気になったので、厨房のおばさんにちょっと話を聞いてみた。


 「アカギリさんね、12月のライブ会場の下見でこの辺に来たらしいんですよ。C北駅近くの彼の知り合いの家に寄ったとき、その辺のおすすめのラーメン屋を聞いたら、この店を上げてくれたんですって言ってました。私としてはちょっとC北駅からは距離があると思いますけど、彼なら十分歩ける距離だったって言ってましたね」


 僕たちは、なるほど、と話を聞く。おばさんが奥に行ったのを確認した後、なっちは話す。


 「確かにアカギリかつよしなら、往復5kmくらい余裕で歩けそう」


 彼がプロデュースしているアイドルはヘリアンサスガールズだけで、それ以外の仕事は少ないらしいので、ライブとかでも結構横にいるらしい、と聞いている。普段もわりといるらしいので、なっちはアカギリかつよしのことを結構知っているようだった。


 彼がアイドルをプロデュースしたことを知っている者は少ない。あのおばさんも、そこまでは知らなかったようだ。


 「とりあえず、さっき言ったこと忘れないでね」


 僕は、わかった、と言った。なっちはまだ食べているが、僕は食べ終わった。だがまだ足りないので、替え玉を頼み、麺をばりかたで注文した。


 「え、まだ食べるの?」となっちが聞いてきたが、僕は男子高生だ。あれじゃ足りないのは全くおかしなことではないと思う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ