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32 学園祭準備7 買い出し中の寄り道

 「ここのアイス、新作出たらしいんだけど、ちょっと食べてみない?」


 必要な物資を購入し終えた後、なっちが提案した。駅の近くにある建物”Nポート”の中にある百円均一ショップの下にはアイスクリームの全国チェーン店がある。時間は大丈夫なのか、と思ったが、学園祭実行委員のなっちが提案するならまあ大丈夫なのかなと思い、僕はちょっとアイスを食べに行くことにした。


 概してなっちが勧めてくれるものに外れはない。例えば、今年の7月に発売されたスターバックス(大手チェーンのカフェ)の新作「そば茶ラテ」。非常に申し訳ないのだが、名前を初めて聞いたときは「絶対美味しくないでしょ」と思ってしまった。


 しかし、8月の頭になっちが「そば茶ラテ美味しいよ、一緒に飲みにいかない?」って誘ってくれた時に、僕は初めてそれを飲んでみた。初めて口にしたとき、「美味しい!」と大声で叫んでしまった。そばアレルギーでなければ、1度は飲んでみてほしい、そんな味だった。


 他にも期間限定のドーナツやジュースなど、なっちは様々なものを教えてくれた。どれも想像の何倍も美味だった。なっちのセンスがいいのか、それともなっちと僕が似たような味覚嗜好を持っているのか。どっちにしろ、僕は彼女が「美味しい」というものを全面的に信用している。


 「あ、これこれ」


 そう言ってなっちが指さした先のプラカードには、「わさびバニラアイス」と書いてあった。


 「僕、わさび無理なんだけど」


 僕がわさび大嫌いだってことは、なっちに何回か言った覚えがある。それでも、なっちは「美味しいから大丈夫だよ」と言っている。


 「本当に悪いんだけど、なっちが買って、それを少し分けてもらってもいい? 美味しかったら自分の分買って、ちょっと返すから。僕本当にわさび無理」

 「わかった」


 そういうと、なっちはアイスを買って、少し分けてくれた。


 「ちょっともらうね」


 僕はそう言って、スプーンでワサビアイスを口に運んだ。口の中にはバニラの香りと、ほんの少し含まれているワサビの成分が広がっていく。大のわさび嫌いの僕でも食べられる味だ。美味しい。普通に味は良いのだが、1番好きなフレーバーではなかった。

 

 「ごめん、確かに味はいいけど、好みとまではいかないわ」


 なっちは僕がわさび嫌いってことは知っているはずだ。それでも勧めてくれたワサビアイスは、普通に食べることができた。ある意味、なっちと僕の感覚は似通っているのかもしれない。


 「ショウなら気に入ってくれると思ったんだけど、さすがに無理だったか」


 なっちは笑いながら言う。「一番の好み」ではないものの、決して「外れ」というわけでもない。なっちが勧めてくれるものに外れ無しの法則は、今回も破られることはなかった。


 僕は、なっちがアイスを食べ終えるのを待って、学校へと戻っていった。


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