24 学園祭準備2&部活の練習
「あ、お疲れ~」
まだ夏の暑さが残るので、青空の下を歩いていると汗が流れてくる。教室に戻ると、実行委員の太田は僕にねぎらいの言葉をかけてくれた。
「ショウ、頑張ったね。部活の練習も、一緒に頑張ろう」
今は11時40分。お弁当を食べて、12時半から軽音部の練習がある。文化祭当日の午後に発表することになっている歌が2曲。そのうちの1つの、「始まりの街」を演奏することになっている。
「始まりの街」は、8月28日行われたライブハウスで披露した。サビ前のCメロのメロディーがヘリアンサスガールズの「ナツアオソラ」のBメロと全く同じなのだが、気づいた人はいなかったようだった。
僕たちは、音楽室の近くにある空き教室で、2人で弁当を食べた。
「結局、まだなっちがアイドルやってたこと、誰にもバレてない?」
「高校生活が始まってから半年がたつけど、まだ誰にもバレてないみたいだよ。前にも言ったけど、12月にヘリアンサスガールズがここに来るとき、サプライズ的に私が出ることになってるんだよね。そのときにバレないといいけど」
なっちは、少し不安になっているようだった。言っては悪いが、C南駅は特別な用途がなければ行く場所ではない。同学年の子がたまたま来ている可能性は低いだろう。
僕たちは弁当を鞄の中に片付けて、音楽室へと向かっていった。まだひかりとコウは来ていないようだった。時計は12時10分を指している。
「2人ともまだなんだ。まあいいや、ショウは練習始めといて、私は今のうちに始まりの街の歌詞の、配るパンフレット完成させとく。すぐ戻ってくるからね」
僕はスマートフォンのアプリを利用して、ベースをチューニングした。言っていた通り、10分弱でなっちは戻ってきた。とりあえず、部員の人が持っておく用の4枚を印刷したようだ。そこには、「始まりの街」の歌詞が印刷されていた。
始まりの街 歌詞(RIVAGE)
【Aメロ】
晴れたこの空 冬の寒さに 駅前広場 目に見える息
指でなぞって 空に描いて でも届かない 遠い希望へ
【Bメロ】
想いに溢れた この声を 風に乗せ
次の世代まで響かせて行けるなら
【サビ】
花が咲いて 最後は枯れてしまっても
その笑顔 この道で
きっとまたいつか見る日が来る
やがて来るべきその日まで
ここで私たちは待ってるよ
【Aメロ】
雪が溶けたら春が訪れ 桜の花は道を彩る
鮮やかな色 すぐ散ってゆく だけれど夢は きっとまた咲く
【Bメロ】
坂道を下って海まで向かっても
この海 地平の 向こうには何がある?
【サビ】
目指した海 でも終わりってわけじゃない
目の前に見て気づくこと そうだ
それは 私たちの道はまだまだ続くって
果てなき旅が終わる日まで
【Cメロ】
届かなくて 諦めずに 上を目指す 未来は 優しく 微笑んで 愛で満ちる
【サビ’】
花は披き ついには枯れてしまうけど
その光 この坂で
きっとまたいつか輝くから
やがて来るべき未来でも
ここで私たちは待ってるよ
【転調サビ】
きらめく海 でもまだ旅は続くんだ
目の前にして気づくこと それは
ずっと 私たちの道はまだまだ続くって
果てなき軌跡を描いてる
僕はTAB譜を見ながら練習を始めていった。




