23 学園祭準備
8月28日のライブが終わって2週間が立とうとしている。今は9月7日、水曜日。今週末10日、11日に控える学園祭に向けて、クラスは一丸となって準備を行っていた。
企画名は、有名な思考実験の名前をそのままとって「シュレディンガーの猫」と決定した。自分の2個前の席の隣に座る男子、星野の思い付きによる案だった。
内容については、どうやら脱出ゲーム系らしい。詳しくはあまりイメージついていないが、クイズ要素が含まれているものになる、ともきいている。
学園祭にはどうしても大量の段ボールが必要になる。僕は、山村、大橋さん、あと実行委員のなっちと一緒に、学校の近くのショッピングモールまで段ボールをとりに行っていた。
「段ボールって、意外と重いな」
まだ数枚しか持っていないが、もうすでにそう感じてきていた。恥ずかしい話だが、僕は体力がない。50m走は9秒36。なっちは9秒15と言っていたので、単純な数値を比較するだけでも負けている。調べたことがあるのだが、確か男子の平均が7秒4で、女子が8秒90。脚力だけで見るなら、平均的な女子よりも体力がないことになる。
「前から思ってるんだけど、ショウって体力ないよね」
なっちは悪意のなさそうな顔でこういったが、僕が運動音痴なのは自他共に認める事実だからあまり気にならなかった。
「あれ、長谷川くんの下の名前ってショウだっけ? カケルじゃなかったっけ」
「いや、カケルだけど、軽音部の中では、ショウって、呼ばれてる」
大橋さんの想定外の質問に対し、僕はこう答えた。僕はいわゆる「コミュ障」のため、話し慣れている部活のメンバー(なっち、ひかり)以外の女子と話すといつもぎこちなくなってしまう。
ショッピングモールを回りながら、僕たちは段ボールを大量に集めた。大橋さんは陸上部のため、割と体力がある方らしい。なっちも、悔しいが僕よりは重いものを持てる。山村はバスケ部だから、かなり体力があるといっていいだろう。
僕たちは、合計で15kg程の段ボールを、僕:なっち:大橋さん:山村=2:3:5:8程度の割合で分担して学校まで運んでいった。
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