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22 帰り道

「描いた未来がかなり遠くて でも歩けば 

 同じ明日 日々は巡るけれどそう つぎの未来へ行ける

 砂漠抜けた 遠くにある町へ ただ迷わないで進める」


 「黒く汚れてるその白い服 もう元には戻らないよ 

だけれど僕たちはそうそれを後悔しない」


 「道端ふと目を傾けてみた先に 春 始まりの花」


 ヘリアンサスガールズの歌には、恋愛の感情を歌ったものが極めて少ない。数えてはいないが、「恋」という言葉が出てくる歌はたぶん1つもない。ほとんどが、ファンの人たち、メンバーたちの心情を歌ったものになっている。


 なっちのアイドル時代の話を色々聞くことができたのは、今日が初めてかもしれない。2人で歌ってしゃべっていると、時間があっという間に過ぎていった。

 

 「アイドル活動を行っていたときは、「なっきぃ」という名前で活動してたと思うんだけど、なんで『なっち』って名前に変わったの?」

 「ええ、それはね、自分で『なっち』って呼び始めたわけじゃないからわからない」


 なっちは笑いながら言う。時計を見ると、もうカラオケを出る時間だ。ヘリアンサスガールズの歌ばかり歌っていたが、2人が共通して知っている歌と考えればそんなに悪いことではないでしょ、となっちは言っていた。


 僕となっちは最寄りが同じH駅なので、C北駅からそこまで3km弱の道を一緒に帰っていった。普段も別に遠いと感じる距離ではないが、なっちと帰っているときは、3キロという距離は短いとすら感じた。


 「そういえば、今日このローソンの新作の激辛カップ麺出たらしいよ」


 なっちも僕もカップ麺は大好きだ。おなかがすいていたので、2人で帰り道のコンビニに入って、イートインスペースで一緒に食べた。


 「あ、やば、辛い! ショウも食べてみて! もう食べられないかも!」


 彼女は一口だけ食べてギブアップのようだ。なっちは辛いものは好きとは言わないまでも、人並みにはいける自信はあったらしい。


 「えーっと、食べるよ?」


 なっちが食べたカップ麺を一口食べてみると、なっちが驚くほどは辛くないじゃん、という第一印象だ。しかし、口にして数秒後、辛さが暴れ始めた。


 「あああああああああああ!」


 もちろんコンビニの中なので、ここまで大声を発することはできないが、それでも辛い。辛すぎる。むしろ痛い。ここまで激辛の物を食べたのはいつぶりだろう。高校に入ってから食べたものの中で1番辛いかもしれない。なっち大丈夫なのかな......


 捨てるのももったいないので、僕はなっちと協力して何とか食べ終えた。正直、興味本位で買ったのを後悔している。なっちも、もう食べたくないって言っていた。僕たちは紙パックの牛乳を買って、舌の痛みを何とか打ち消した。


 「あのカップ麺、辛すぎたね... じゃあまた明日、部活で!」

 「じゃあね!」


 普通に帰ると、なっちが先に家に帰ることになる。僕は舌の痛みを何とか我慢しながら家へと向かっていった。


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