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番外編8 成人式2



「地元に戻って何か言われた?」


 僕は逆になっちに聞いてみる。なっちは久しぶりと言われた程度のようで、特に何も言われずに復帰できているらしい。大学で小学校時代の同期に会ったりもしたようだ。


 外が非常に寒いことに対して、電車の中はちょうど良い気温だ。


「そう言えばなっちって、僕のスーツ姿見たことあったっけ」


 自分はふと思ったことをなっちに聞いてみる。記憶が確かなら入学式以来のはずだ。インスタグラムでは入学写真を載せたが、なっちが見ていたかは把握していない。


「そう言えば見てないや」


 地元に戻って以来、高校の頃に使っていたインスタグラムアカウントにはログインしていないらしい。3月の段階でアイドルグループとの復帰契約をしたのち、身バレ防止のため自主的に他SNSからのログアウトをし、新しいアカウントを作り直したらしい。高校の頃使っていたTwitterアカウントも、鍵をかけたのちにログアウトしたとのことだ。


 今の自分もスーツを着ているため、わざわざ見せるものでもないかもしれないが、自分はインスタグラムを開いてその時の写真を見せた。


「雨降ってたんだ」


 なっちはその写真の雲模様を見てそういった。もう入学から2年が経とうとしていることに対して驚きが隠せない。


「なっちの入学式のときの写真ある?」


 そういえば僕もなっちの写真を見ていない気がした。なっちはLINEを操作して、当時の写真を見せてくれた。記憶とほとんど変わっていなかった。


「もう2年前って早いよね」


 なっちは自分が思っていることを言葉に出した。個人的にも実感している。もう大学生活の半分が終わりかけていることに驚きが隠せない。


「なっちって大学院行くの?」


 自分はなっちに聞いてみる。なっちは行くことを考えているらしいが、あまりちゃんと考えていない。自分も何も考えていない。


「しふぉんはどうするか聞いてる?」


 自分は1回話を聞いたが、博士課程まで進む可能性まであるといっていた。もちろん現状どうするかはっきりと決まっているわけではないらしい。少なくとも地元に戻るのは相当先か、そもそも戻らない可能性もあるらしい。


 最近あまり会っていないため、その辺についてはよくわからない。自分はそう述べた。


「なるほどね」


 なっちはそういった。自分はまた思ったことを聞いてみる。


「なっちとしふぉんって高校卒業後に会ったんだっけ」


 なっちは、何回か会っているといっていた。僕の話や存在も伝わっているようだ。しふぉんからも僕の話を聞いたといっていた。


「しふぉんが見た不思議な夢って覚えてる?」


 なっちに聞かれて思い出した。「なっちがどこか知らない場所に行ってしまう」「知らない人と過ごしている」という夢だ。昔からラジオ(「へリアンサスってどんな花?」)で定期的に語られている内容だ。高1の頃ライブに行った時に自分を認識していたことを覚えている。多分忘れることはないだろう。


 今思っても不思議な話だ。世の中にはよくわからないこともあるんだなという気分になる。確か2021年、しふぉんが中学生だった頃、過去の動画でその夢の内容および夢の中に出てきた男性を話していたのだが、(今思うと)その男性の外見的特徴が自分と一致していたように感じる。


 結局しふぉん的にもよくわからないらしい。しふぉんは単なる偶然程度に認識しているだうだった。


「ほんと、不思議な話だよね」


 なっちはそういってくれた。


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