これは異世界転移であるか
ここは皆に忘れされた、地球とは隔離された世界。言うなればここは並行世界というところだろうか。しかし、この星の者はここを地球とは呼ばず、幻の世界、夢のような世界という意味をこめ、夢幻と呼ぶ。ここでは魔法が使え、争いが絶えない世界であった。しかしその争いは数百年前、突如として現れた神埼と名乗る1人の女が争いを終結させた。そして時代は進み神埼の姓を受ける者は今年で7代目となった。
「はぁぁあ!!」
炎の魔法を繰り出す
だが、それをいとも容易く避けられすかさず、相手からの反撃が襲う
「弱いわね。あんたも」
その一撃でやられてしまうほどの威力であった
そう、この世界では細々とした争いはあるものの神埼の最強の名を奪おうと皆がそれぞれ個々として努力をしてきている。そんな世界に1人、迷い込んだ少年がいた
「いってて…。なんだ、ここ…。待てよ、俺はなにをしていたんだっけか…」
「お前、ニンゲンか?」
少年は運悪く妖怪が出る森に入っていたようだ
「うわ!浮いてる…?お前、誰なんだ…?」
少し怯えながら質問をする
「あたしは人食い妖怪のシン。んじゃ、いっただっきまーす!」
ドゴォォォォン!!!!
どこからともなく爆発音が聞こえ途端に地面が揺れだした。
「な、なんだ…」
刹那の出来事。後ろから飛ばされている人間…?のようなものが凄い勢いで通り過ぎていった。すると真後ろから今まで感じたこともないような殺気を放っている人物がいた
「か、神埼…」
シンと名乗る少女は後ずさりながらそして急ぐようにその場から離れていった。神埼は少年を見つけるやいなや
「あんた、外の世界から来たの?」
と言った
「外の…世界…?」
「そうよ。ここは皆に忘れ去られた人だけが来ることのできる世界。ここを皆夢幻と呼ぶわ。帰る場所がないならついてきなさい」
事実、帰る場所のない少年は渋々、神埼なる少女のあとをついていった。少しすると神埼はここよ。と言って部屋に入っていった。ここは紛れも無い神社だ。彼女、本当にここに住んでいるのか?という疑問が生まれたがそれを無視していいくらい綺麗でかつ威厳のある神社だった
「入ってきていいわよ。と言っても何もないんだけどね」
「ありがとうございます」
そう言って俺は中に入った。たしかに、何もなかった。強いて言うならちゃぶ台くらいだ
「あの、泊めてくれるんですか?」
「えぇ。数日間だけね。そういえばあんたの名前は?」
「俺は…月哉 怜。君は?」
「私は神埼 桜。しばらく、よろしくね」
「俺の方こそ、よろしくお願いします。神埼さん」
怜はないがなんだがわからない状況で宿泊できる場所を見つけた。桜が放った言葉を100パーセント信じ切っているわけではないが多少、信じてもいいかなと思っていた