表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

何か一つ叶えてあげましょう。

作者: 桜江 李彩子

 普通っていうのは感謝をしなければならない事だが、同時にとてもつまらないものだと俺は思う。


 ドラマや漫画なんかの主人公は、なにか特別な能力や過去があって個性的な仲間に囲まれている。


 そして、彼らは皆、非日常で生きている。


 ある日空から妖精が落ちてくるなど現実世界ではありえないことが彼らの世界では日常つまり普通に起こる。


 俺はそんな世界を羨ましく思うことがただある。


 もし、現実がそんな世界なら俺も特別な存在で毎日を今よりも楽しく過ごすことが出来るだろう。


 けど、同時に自分はそんなきらきら輝く主人公枠ではなくモブなのではないかと気付く。


 例えば、今この瞬間にどデカい怪物が現れたとしよう。

 そうだな、高さはビルの四階で足のサイズはコンビニぐらいの大きさ。


 そんなときまず俺や君ならどうするかと考えてみる。


 俺だったら逃げる。

 命より大切なものはないからな。


 君もそうだろ?


 だから、モブなんだ。


 顔すらちゃんと描いてもらえない逃げる一般人A。そんな役なんだよ、君も俺も。



 だが、もし……もしもだ。



 神様から一つ特別なプレゼントを貰えると言われたら君ならどうする?

 プレゼントの内容は、なんでもいいんだ。

 お金でも名声でも能力でもなんでもなんでもだ!


 俺はゴクリと生唾を飲んだ。

 本当に生唾というたいして美味しくもないものを飲む日が来るとはこれっぽっちも思っていなかったのになと頭の隅で俺が笑う。


 寝癖のついた黒髪がタイミングよく吹いてきた風に揺れる。骨のように細い健康的な肌の脚で硬い地面に立つ少女は、にんまりと微笑んだ。


「なんでもいいんだよ。モノじゃなくてもいい。鳥になりたいとか空を飛びたいとかでもいい。あるいは、自分のためじゃなくて他人へこのチャンスを使うこともできるよ」


 俺を見透かす黒い瞳がじりじりと迫ってくる。


 例えば、頭が良くなりたい。

 例えば、異性にモテたい。

 例えば、特定の人から愛が欲しい。

 例えば、他人を助けたい。

 例えば、特別な能力が欲しい。


 例えば、例えば? 例えば!


 君は、何を願う?

どんな願い事を叶えて欲しいか教えてくださいな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ