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今週の1週間は兄が家事をやってくれると約束してくれた週。いくらやってくれるからと言って蓮斗の来てくれる家には週の前半は光の速さで家へ帰っていた。蓮斗は家事に関しては嶺奈の時は手伝ってくれていたが、夏向の時は手伝う気がないらしく、のんびり過ごしていた。嶺奈が帰ってくると、2人で出かけようと誘われ、毎日出かけて夕飯までには帰り、楽しく過ごしていた。それが週の前半の話だ。週の折り返し地点の後半の朝、少しだるさを感じていた嶺奈。でも特に気にも止めていなかった。しかし、それは夏向も蓮斗も様子がおかしいことには気がついていた。
「...嶺奈大丈夫か?熱は?」
「ないよ?...ほら」
そう言ってコツンとおでことおでこをくっつけてないことをアピール。その時は確かになく、いつも通りの嶺奈らしい元気さもあった。だからいつも通り学校へと嶺奈のことを送り出した2人。しかし、嶺奈は風邪を引くと、酷くなりやすく数時間もすればもっと酷くなることは2人は分かっていた。それでも2人も学校があるし、学校に行ってしまう。見送りして心配しながら終わるまで心配で、2人には授業がいつもより長くはかんじた。
一方、嶺奈は朝からだるさを感じていてだんだんと寒気もしてくる。今日はそのせいか一段と授業に長さを感じている。1時間終わる事に調子悪いことを見せないようにクラスメイトにはわざといつも通り笑顔で振舞って、授業中みんなの集中してる中で、1人寝たふりして辛さを噛み締めるの繰り返しの1日が、やっと終わった。終わるとすぐいつも光の速さで帰っている嶺奈がなかなか出ないことに仲の良い友人、クラスメイトは不思議に思う。
「...嶺奈ちゃん?どうしたの?」
「くろめし?いつも早く帰るのにどうした?」
「...別に今週はお兄が全部やってくれるから。」
答えに納得するクラスメイトの中、仲の良い新と苺花は納得せず嶺奈に近寄り、苺花が話しかけた。
「...やっぱり。れーちゃん熱あるでしょ。」
「...あー、だからだるかったんだぁー」
気分が上がっているのか声のトーンが上がり自分で帰る気力すらない。クラスメイトは「えっ?」と驚いていた、その時だった。廊下が騒がしい声が聞こえはじめる。こんな騒がしい声援を受けるような芸能人でもきたのだろうか。そんな考えも過ぎる。その声は少し遠くからだんだん近くに近づいてくる。そして声が教室の目の前辺りからするなと思っていると扉が開き、一瞬芸能人かと思うほどのイケメンが...。そのイケメンは入るなり嶺奈の所へやってくる。
「......やっぱり、熱あるじゃねーか。すぐ酷くなるんだから無理すんじゃねぇよ。どうせまた、ぜんぶ隠してて疲れて動けなかったんだろ。」
「.........ふふ、せーかい...れん...くん...おんぶ」
「...ったく、はいはい。わかったから帰るよ。で、いっちゃん、こいつふらつきとかあった?」
「うん、何度か見かけた。みんなに気が付かれないようにしてて。休むようには言ったんだけど聞いてくれなくて。すぐ治るって言って」
教室に入ってきたイケメンは蓮斗だった。どおりで外から黄色い声が聞こえるわけだ。蓮斗はこの学校の生徒、特に3年には顔も知られている、元この学校のNO.1イケメンだからだ。だが、そんな声にも全く気にもとめず、嶺奈の体調を苺花に確認すると、「ありがとう」と言って嶺奈のバックを手に、嶺奈を背負って何事もないように帰っていく。帰りも声援の声は聞こえたが蓮斗の耳にはそんなことはどうでもよく入ってこない。
家に帰ると夏向とその彼女、楓がいて2人で家事をやってくれていた。
「...おかえり。れーな大丈夫?」
「ただいま。大丈夫そう。今はただ寝てるだけだから。」
「迎えありがとな。蓮斗。」
蓮斗はそのまま嶺奈を部屋へと連れていきベッドに寝かしつけ、嶺奈の着たまま寝ている制服を脱がしていく。タンスの上にたたまれて置いてあった短パンだけ履かせ、スカートも脱がし、上はワイシャツ1枚の状態にして布団をかけ休んで貰おうと、少し離れようとしたが、嶺奈の手によって遮られ行くなと言わんばかりのその手はがっちり掴まれていて離れようにも離れられない。
「...れんくん...まって...」
「...寝言...何見てんだよ。...どこもいかねぇよ。」
しまいには寝言までいい、さらにがっちり掴まれる始末。さらに離れる事なんて出来なくなる。そんな時いきなりガチャっとドアが開き、
「れーん、れーな起きた?」
「...静かにしろよ。まだ寝てるから。」
ノックもせず堂々と入ってくる兄。いくら兄妹だからってそれは無い。仮にも友人が来ている時にだ。まぁ、来ているのが自分の友人ですごく世話になってるにしてもだ。女の子の兄妹なのだから、少しは気を使ってもよろしいのではと思う。それに何も考えず、大きい声でノックもせず入ってくるなんてデリカシーが無さすぎる。
「...あ、悪い。蓮お前、食べるだろ?作ったんだけど来いよ。」
「...あぁ、でも俺今いけねぇ。れーなのやつが俺の服を掴んで離さねぇから動けん。」
「...わかった、ここ持ってくるよ。れーなにもお粥作ったんだ、それも持ってくるから起きたらやって。」
「...ん、ありがとう。」
しばらくすると夏向が言う通りに持ってきた。お粥は熱々の出来たて。れーながいつ起きても熱々で食べられるように温めてくれているのであろう。薬もれーなのにはのっている。本当は妹思いな優しい兄であること。最近は妹のことを親友に任せっきりなことも自覚しているようだ。蓮斗の方にはちょっとしたメモ付きで、メモには『いくらお前でも手を出したら許さない。今はまだ。』こんなメモ残すくらいだから意味的には深い意味でも詰まってるのであろう。
「...あいつ...れーな、愛されてんな兄ちゃんに。けど、俺の方が愛してること忘れんなよ?」
寝ている嶺奈にそっと話しかける。起きていないと思うから恥ずかしいこととか言えてしまう。手は夕飯を夏向が持ってきた辺りから離れていたので、そっと自分に夏向が作ってくれたご飯を持ってリビングへ行った。一方寝ていた嶺奈は、最後に言って出ていった蓮斗の言葉は起きていてしっかりと聞いていた。実は兄が夕飯を持ってきてくれた辺りから起きていて蓮斗の服を掴んでいた自分が恥ずかしくて寝返り打つふりしてさりげなく離して蓮斗のいる方とは反対向いていた。だから聞いてしまったのだ、小っ恥ずかしい台詞放って出ていった、蓮斗の言葉を。
「...れんくんが畳んで置いてくれた制服かけよう...……本当どこまで優しいの。」
そう思いながらベットから起き上がったその瞬間、目の前が暗くなり、プツンと途絶えた嶺奈の記憶。その後は、兄達の聞いた鈍いゴンッ!という音を立てて頭をぶつけたようで、1階のリビングにいた2人にも聞こえるような衝撃音で、蓮斗と夏向がその音を聞き慌てて駆けつけた時には頭から血を流し倒れていた。
「...嶺奈!?れーな!おい!れいな!」
「...夏向救急車!頭打ってる、止血しねぇと。ガーゼってないんだ……えっと...タオル!タオルでいいから早く!」
「...お、おぉ。」
「急げよ、...くそ、止まんねぇ...あ、夏向両親にも一応連絡入れとけ...」
嶺奈の名前を連呼して返事のないことに呆然とすることしか出来ていない兄夏向に、蓮斗は正確な指示を出し、動いた。しばらくして夏向の呼んでくれた救急車が到着し、嶺奈は乗せられ、同乗者で蓮斗も夏向もついて行く。病院に着くなりすぐに治療を施され、命に別状はなく事なきを得た。あとは嶺奈が目を覚ますだけだが、薬の効果でまだ眠る嶺奈。
「...悪い。れーながこうなる可能性予測は出来たのに最近なかったから安心してた。」
「...俺こそ、最近お前にこいつのこと任せきってた。俺が守るべきだったのに。悪い、それに俺も可能性としてはあるのは分かってた。けど俺が忘れてた。1番に嶺奈を守りたかった。」
お互いが反省しながら謝り合う。嶺奈は昔から我慢することいや、自覚症状はあまりなく風邪をこじらせ、熱を出してさらにはそれと同時に目眩を起こし、倒れることは何度も起こしていた。元々そんなに身体は強くないのだ。なのに運動量が自分で制御出来ないほど頑張る癖や負けず嫌いな関係で風邪のような症状を何度もこじらせていることは多々あった。けど、最近はなかったのだ目眩で倒れるようなことは。最後に倒れたのは中学に入った最初の頃だったか。
「...お前がシスコンでいる理由もこいつのこと見てればわかる。だけどお前は今回のは油断し過ぎだったな。」
「...シスコン...否定はしない...あぁ、油断してたよ。」
「...俺もしてたけど。シスコンのお前が彼女つくって妹守れなくてどうするんだよ。俺がお前の代わりにもうれーな守っていいか?俺はもう...」
まだ話し合いの途中だったが、医者がコンコンとドアをノックし、はいってきたので中断される。嶺奈の主治医だ。
「話の邪魔だったかな?」
「...いえ、大丈夫です、どうかしました?」
「...うん。ちょっと夏向くん、嶺奈ちゃんのことで話があってね?」
嶺奈のことで話。それは今回の倒れた経緯だろう。それと、その前や前回今回みたいに倒れてから軽い目眩を起こし倒れることがあったかとか...そういったことだろう。
「...先生、僕よりも前回倒れた時からのことは蓮斗の方が詳しいと思います。」
「そうか、じゃあ蓮斗くんに聞こう。どう?目眩とか起こしてたか分かるかい?」
「はい。何度か。立ちくらみのような症状は見かけてます。僕が気がついてる範囲ではすぐ休ませていたので」
「...そう。じゃあ、学校とかでのことは分かるかい?」
詳しく知りたいことなのでよく聞いてくる主治医に知ってる限りのことを話した。
「...学校でも何度かあったりしてるみたいです。でも嶺奈は強がってるのか、友人が休むように言っても聞いてくれなかったようです。」
「ありがとう。今回倒れたときの状況はわかる?」
「...夏向も僕も嶺奈から離れてたんです、2人で話してて、そしたらゴンとすごい音して駆けつけたという感じでどういう経緯かまでは...」
「うん、わかった。ありがとう。少し入院してもらう。夏向くん、両親には連絡した?」
「一応入れてます、けど留守電だったのでまだ...」
その答えにしばらく状況説明やらしたあと先生に連れられて手続きであたふた夏向はしている間に蓮斗が嶺奈の様子を見守っていた。いつ起きるか分からないこの状況で、1人にしとく訳にはいかない。見張りながら待っていると、家とは違い遠慮がちにそっと開けて病室へ入ってきた。
「...蓮斗まだ起きてねぇ?」
静かに聞いてきた、声にそっと頷くと静かに夏向へ声をかける。
「...なぁ、さっきの続き話していいか?」
「...あ、あぁ。。」
話し込むことはいっぱいある。2人の気持ち、今は夏向の気持ちが大事になってくる。このままではいつまた同じことが起きても守れない。
「...俺はもう我慢ならないんだ。お前はふたりも一緒に守れるほど器用じゃない。現にお前はシスコンはかわりねぇけど、守れてるのは彼女だけだ。嶺奈のことは俺に任せっきりだ。」
「...あぁ、そうだな。俺は嶺奈こと守ってるつもりだったのにいつの間にかお前に任せっきりだったな。」
「...俺が嶺奈は必ずまもるから。お前の分も。いや、お前以上に愛して守ってやるよ。だから、安心してお前は彼女だけ守っとけ。」
「...お願いするよ。お前になら大事な嶺奈取られてもいいや。嶺奈のことよろしくな。」
秘めていた気持ちを出し合い今後のために、嶺奈のために2人で誓い合う。話し合っている間に、薄ら目を開ける嶺奈を目にする。
「...れんくん、、お兄...」
「起きたか。」
夏向と蓮斗は1度かおを見合わせ頷き合う。そして聞きたかった転んだ真相を聞き出した。
「......さて早速だけど、何がどうして転んだのか説明してもらおうか?」
「...うん。えとね、お兄がご飯持ってきてくれた辺りから起きててね、れんくんのこと掴んでたの恥ずかしくて寝たふりしてて...れんくん出ていって、しばらくしてね、れんくん畳んで置いてくれた制服かけようとして起き上がったあとから記憶がないの。」
語られた真相に納得言った答えになるほどと2人は経緯を知って安心したのと、こいつから目を離してはいけないと改めて思い知らされた。
「...てことは、部屋出る前に言ったあの言葉も聞いたのか、お前。」
「うん、聞いた。」
「......っ...起きてんの知ってたらあんなこと言わなかったのにな。」
「なんでよー、れーな嬉しかったのにー。」
そう、起きてるなんて知ってたらあんなこと言うつもりなかった。恥ずかしすぎてあんな台詞なんて言えない。けど嬉しがることは分かってる。
「...お前何を言ったんだ?」
「...あー、そんなことより、れーな、お前しばらく入院な?夏向、どのくらいって先生言ってた?」
「え、あぁ、3日程度言ってたな。」
話を逸らしてなかったことにしようとする、蓮斗。その思いに夏向逸らした話に何の疑いもなく答えた。今週の1週間折り返しでまだ学校が2日ある。学校には親が居ないので夏向が連絡しなければならない。さらに連絡を見た両親からの何らかの連絡が来るかもしれない。
「...れーな、家事の約束の1週間は今週までだけど、続けてお前がそのケガ治すまでは俺がやるからな。」
「うん、わかった。」
「...お前のことは蓮斗が見張りすっからな?見張ってないと何しでかすかわかんねぇ。頼んだよ蓮斗、」
忠告のように釘を指す。嶺奈はなんでもやりたがりで、ここまでしないとダメだと言われても動き回るからだ。
「了解。」
蓮斗も了承した所で、これからは嶺奈を守る役目は兄から蓮斗に交代。今まではほぼほぼ兄だが、蓮斗に任せていた所の方が多かったのでその延長戦だが、改めて任せてもらあとは訳が違う。
それから三日後、無事退院はしたが完全にはまだ治ってはないため、約束の1週間はすぎたもののさらに1ヶ月、嶺奈の怪我が治るまでは約束の継続されることに。
「...楓さん、ごめんなさい、お兄とデートできなくなっちゃった。」
「...いーのいーの。嶺奈ちゃんはしっかりと怪我治して?」
「...うん。ありがとう。」
兄の彼女にも迷惑かけると心配で、遊びに来ていた彼女と話し込んだ。彼女の恋のお話まで聞いてしまい、最初は蓮斗が好きだったのに、夏向に移行した秘話まで。それが楽しくて、そして蓮斗から夏向に移行してくれたことも少し嬉しく感じて。その気持ちがなんなのかも分からずじまいだけど、夏向の嶺奈への溺愛ぷりも随分楓にも伝わってるらしい。
「...夏向は本当に嶺奈ちゃんのこと大好きよね。もうさ、私のことももっと見てよって思うくらい。嶺奈ちゃんが羨ましいよ。」
「...もう、困った兄ですね…。彼女より妹ってほんと普通は引きません?」
「...そーね。でも嶺奈ちゃん見てたらわかる気がするわ。嶺奈ちゃん可愛いもの。」
女子トークで盛り上がることのなかった嶺奈はそれがすごく楽しくてこんな話が出来る相手が出来て嬉しくなった。そして今は聞くだけの話でもいつか自分の話も出来たらいいなと思う。
「いっちゃん!この前、お兄の彼女とね、お兄の好きになった秘話教えて貰ったんだ。」
「...へー、どんなんだったの?」
「...最初れんくんのこと好きだったんだって、でも断られたって好きなやつ居るからって。それで優しくしてく慰めてくれたお兄がかっこよく思えてきていたらお兄から告白されて付き合ったって言ってたよ!」
お兄のことを楽しそうに話す嶺奈は怪我をした事で兄の彼女とやたらと話すようになったようで恋バナをしているのだと言う。苺花も楽しそうに話す嶺奈を見れるだけで十分で何度聞いてもいいと思う。いつも楽しそうでその話にはいつも佐伯蓮斗が絡んでいることも。
「...ふーん、佐伯先輩の好きな人って誰だろうね?」
「...そうなんだよ、誰なんだろ?れんくんそれは教えてくれなかったって...。」
苺花はもちろん蓮斗の好きな人のことは知っている。それに、楓さんという夏向の彼女も蓮斗の好きな人には教えてくれなくても、もう見当がついているであろう。ここにいる天然、嶺奈であることを。
「れーちゃんも好きな人出来たら分かるよ。好きな人のそばになら毎日でも居たいと思うもんだよ。」
「...そーなの?じゃあ、れんくんにも毎日でもそばに居たい人が居るのかな?」
「...いると思うよ。もしかしたらもう毎日一緒に居るかも?」
この天然にも恋というものを自覚してやろう鎌をかける。
「...えー。れーなじゃない誰かと毎日一緒に居られるのは嫌だなぁー。」
「...それはれーちゃんだけの佐伯先輩でいて欲しいってこと?」
「うん。れんくんはれーなのでいて欲しい。」
これは自覚しているのか居ないのか。こんな言い方するが自覚はしていないであろう。そろそろ自覚して欲しいが、苺花の力では自覚させるのは無理だったようだ。自覚していないこの状態で多分、苺花の言ったことを素直に蓮斗に話すのであろう。その答えによってもしかすると可能性があるのかもしれない。怪我をしているいまは嶺奈には送り迎えつきだ。行きは校門まで兄と蓮斗が送ってくるし、帰りは蓮斗が校門まで迎えに来る。どれだけ愛されているかは見ているこっちが思い知らされる光景。
「今日ねー、いっちゃんと恋バナしてたのー」
「...恋バナ?れーなにするような好きな人でもいるの?」
「...居ないけど、お兄の話だよ?」
「...ふーん。で、どんな話したんだ?」
苺花と話していたことをそのまんま話して疑問に思ったことも全てぶつけてみた。
「はぁ?!...俺は毎日一緒に居たいと思うのは嶺奈だけだよ。じゃなきゃ毎日お前ん家に行かねぇって。」
「...ん?じゃあ、れんくんの好きな人は嶺奈?」
「......そーだよ!」
「そっかー!よかったれんくんが他の人に取られてたら嫌だなぁって思ってたの!」
まだ自覚していないが好きであることは確実であるとわかった蓮斗はこのド天然を自覚させる手段にでるしかない。
「...よーするに俺の事が好きなんだろ。嶺奈。」
「...?そーなの?」
「はぁー...俺が他のやつに取られたら嫌なんだろ?それって好きってことだろ?」
ふと蓮斗から帰ってきた答えに、考え込む嶺奈。今までの色んなことを思い出して居るのか、表情が変わる。そんな嶺奈が可愛くてぎゅっとでも軽く抱き寄せるとさらに照れた顔で身を委ね、考えるのは辞めて心地良さに任せている。
「...俺は好きだよ、れーなのことずーっと好きだ。出会った頃から。れーなは?わかった?自分の本当の気持ち。」
「...れんくんが...あの...れんくんが...す、すき。」
「...うん、知ってたよ。俺はね。れーなが気づいてなかっただけで。」
やっと通じあった思い。蓮斗の10年越しくらいの思い。これから先何があっても蓮斗は嶺奈を守りながら幸せに仲良く黒米家で毎日過ごしながら、いつかは2人で暮らし、いずれは子供ができ、家族でさらに仲良く暮らすそんな日がやってくるのであろう。




