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媚薬チョコレートどっちが食べる?


【?】

Twitterに流れてきた以下のツイートで思いついたss。バレンタインの短編とでもお考えください。

>「こっちは媚薬入り、こっちは普通のチョコ。どっち選んでもいいけど選ばなかった方は俺が食べる」


【登場キャラクター】

前半メアリ×アヴィル

後半メアリ×ラムズ


【注意書き】

※アヴィルはラミアという使族です。まだ本編には登場していないキャラクターですが、作者がアヴィルを好きなので書いてしまいました。ラミアは人間の子供を食べる時などに、ほぼ全身に新緑の鱗が現れて歯と爪が尖ります。舌は二本ですが人間の舌のように変えることもできます。

愛殺(あいころ)本編では今のところそういう雰囲気が全く出ていませんが、これ以上に恋愛恋愛したシーンもありますので、苦手な方は今のうちに読むのをやめてください。



三人称視点 ss/IF/恋愛/甘々

 アヴィルは説明とチョコレートをじっと見つめたあと、メアリの方に声を放った。


「俺が食うと抑えきれねえからさ、メアリ食って」

「え……でもこれ魅惑魔法みたいな感じなのよね? そうだとしたら記憶がなくなっちゃうし……」

「記憶はあんだろ。ちょっとムズムズするだけ」

「ムズムズ……」

「メアリは元々性欲みたいのないし、きっと大したことねえって。だから、頼む。俺が飲んだらメアリが傷つくことになる」

「そうなの……?」

「あぁ。襲っちまうと思うぜ」

「こ、この前みたいに?!」

「そーそー。それだと怖いだろ?」

「そうね……分かったわ……」


 メアリはチョコレートを食べた。

 すぐに体が熱くなっていく。アヴィルを見ると、いつもよりもずっと格好よく見える。今もアヴィルはメアリのことを、茶目っ気のある瞳で見つめている。

 メアリはソファの上をゆっくり動いて、アヴィルの方に近づいた。


「あ、アヴィル……」


 メアリが上目遣いでアヴィルを見た。メアリの目は潤んで、頬が赤くなっている。耳まで赤い。アヴィルの手にメアリの手が重なった。メアリの身体がいつも以上に熱い。

 甘えるようにして近付いてきたメアリを見て、アヴィルの心拍が急激に激しく打ち始めた。


(やべー。ちょうかわいい。

俺のこと見てる。あー、俺が食べるべきだったかも。どっちにしても抑えきれねえ。

かわいい。食いたい。勘弁しろよな……)


「大丈夫かよ」


 アヴィルは恐る恐る手を出して、メアリのことを抱きしめた。メアリの体の温度が伝わっていく。メアリはアヴィルの方を見上げた。アヴィルの胸元の服を掴んで、吐息混じりに言う。


「アヴィル……、キス、する……」

「あー、やばい。メアリのせい」


 アヴィルの赤い瞳が見開いて、爛々と輝く。首筋にみるみる新緑の鱗が並んでいく。メアリを抱く右腕を強くしたあと、左手でメアリの顎を掴んだ。


「目瞑って」


 メアリが瞼を閉じたのを見て、アヴィルの唇が薄く開く。尖った歯の隙間から二本の下がチロチロ(うごめ)き、そのまま唇に蓋をした。






**********************





 ラムズは媚薬入りのチョコレートを手に持って、メアリに言う。


「メアリが食べるとおかしくなるからな。俺が食べる」

「ラムズだとおかしくならないの?」

「知らん。けどあんたよりマシだろ」


 メアリが止める間もなく、ラムズはチョコレートを食べた。何も起こらない。やはり媚薬の効果はラムズにはなかった。だがメアリが心配そうにこちらを見ているのに気付いて、ラムズの頭の中で唇が(わら)った。

 

 ラムズはメアリの腕を引いて、自分の胸に連れ込んだ。そのまま抱き締める。


「お、おかしくなってるじゃない!」

「メアリ……」

「な、なに……。大丈夫……?」

「大丈夫じゃない」


 ラムズはメアリの首元に唇を落とした。メアリがびくんと肩を震わせる。ラムズの胸を叩いて、離れようとした。


「だ、だめ……!」

「無理……メアリ、なあ、キスしよ?」

「ダメだってば!」


 ラムズは首筋にキスをすると、その唇をつうっと動かした。メアリが硬直している。ラムズは密かにほくそ笑んだあと、顔を上げる。


「ダメだってば……」

「悪い、俺も無理」


 ラムズはメアリの顎を掴み、じっとメアリを見つめた。メアリは固まったまま動かない。ラムズは青い瞳を細めると、唇を落とした。

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