表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

冒険者の隣人は生きるか死ぬかです 4

 木製の長方形テーブルに四人が並んで座り、対面に村人風の青年――――ジンクさんを1人で座らせる形になっている。

 この部屋は比較的損傷が少なく、入り口は一箇所のみ。

 そこを塞いでしまえば外部からの侵入はほぼ防げる構造になっていた。

 道すがら互いの名前に所属など、軽い情報交換の中でジンクさんが異界からの来訪者――――マレビトであると判明。

 本格的な情報交換の場が必要だろうと言うことで、兵舎と思われるこの部屋を見つけたのだった。


 ■


「勇者が死んでいる……!?」

 衝撃的すぎる情報だった。

 世界敵性存在である魔王と相打ちでの死亡。

 確かに世界敵性存在との戦闘で有力な人材が居なくなったとは聞いていたが、まさか勇者まで居ないとは!

 それも話から想像するに、自称勇者や転生勇者ではなく世界方正存在、いわば純正の勇者だ!

 世界そのものを根本から崩すような力を持ち、相容れない存在に対抗する為の旗印にして手段そのもの。

 多くの良性存在が集い、一丸となり意志を伝搬し、世界を前進させる力へと変える者。

 それが世界方正存在としての勇者なのだ。

 それは状況が落ち着いた後であっても変わらない。

 むしろ落ち着いてからが本番と言っても良いかもしれない。

 復興へ向けた流れの中で、彼の元に集まった良性存在達が活躍する際の核となるからだ。

 

 役割としては非常に重要なのである。

 なのに。

「……マジかー」

 そりゃあ世界が衰退するのも頷けるし、どうにか復興させて欲しいとの嘆願も来る訳だ。

 管理者の立場からすれば頭を抱えるどころか、数年ほど放置したくなる位の出来事である。

「半年ほど前の事です。当時から我々は魔王の軍勢に対して劣勢に追い込まれており、緩やかに追い詰められつつありました」

 そう言って経緯を語ってくれているのはローレルと名乗った女性の僧侶だ。

 落ち着いた雰囲気を漂わせた大人の女性、というような印象を受ける。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ