黄昏の盗賊団 シン 第1話
「シン、準備はいいか?」
「はい。」
翌日町では大騒ぎとなっていた。
この町の貴族の1人の屋敷に盗賊が忍び込み、数多の警備兵をなぎ倒し、金品財宝を盗んでいった。
犯人は黄昏の盗賊団をなのっていたそうだ。
「へっへっへ、やったなシン。」
「そうですね、これでさらに黄昏の盗賊団の名前が売れた事でしょう。」
「そうさなぁ、規模はまだまだちいせえが、最近の稼ぎは一大盗賊団に負けちゃあいねえんじゃねえか?」
「今日はどこ行くんでしたっけ?」
「10貴族の4番目の貴族アボノー家に忍び込む。」
「アボノー?どこかで聞いたことがあるような…。」
「そりゃ、10貴族だかんな、どっかで聞いたことあんだろうよ!」
夜になるまで待ち、アボノー家の近くまでビランと共にやってきていた。
「シン、準備はいいか?昨日と手はずは同じ、シンがおとりになって、俺がメインの宝物子へたどり着く。」
「はい、わかってます。いきましょう。」
昨日の夜、ほかの貴族の家を襲っているので、警備は厳重になっていることだろう。
私は表門から堂々と入りに行く。
門番の二人に話しかける。
「こんばんは、アボノー様の家でお間違いないでしょうか?」
「あぁ、なんだこんな時間に。」
「いえ、少しお尋ねしたいことと、欲しいものがございまして、取り次いでもらいたいのですが。」
「何を言ってるんだ?もうアボノー様は就寝なさってる。明日にしろ!」
「はぁ、叩き起こしてでも呼んで来いっての、その方が早くて済むんだから。」
「は?」
あっけにとられる門番の首にハイキックを叩き込み騙らせる。
門番から門のカギを入手し屋敷へと侵入していく。
4番目の貴族というよりは昨日襲った7番目の貴族の屋敷より小さい屋敷だ。
庭には巡回している私兵がいるので、植木に身を隠しつつ近づいていく。
2人ペアでいるので背後から一人の口を押えつつ首を折る。どさっと私兵が倒れる音共に振り返ったもう一人がこちらに気付き、侵入者を知らせる笛を吹こうとするが、シグネメントで手首を斬りつけ、左手で口を押えこみ、そのまま足を掛け押し倒す。
「宝物庫の場所はどこ?」
「ん゛ー!」
「教える気はなさそうね。」
圧し掛かった状態から上手に縛り上げていく。植木の隅に二人を隠し、ほかの私兵の元へむかう。
同じように何組か動けなくしていき、4組目に口を割った私兵がいた。
3階の奥にある部屋の暖炉が階段ねぇ…。ビランは見つけることができるのだろうかどうか心配だが、私は自分の仕事をしつつ向かうとしよう。
見回り中の私兵に今度はわざと見つかる。私兵が笛を吹き屋敷の警備の目をこちらに向ける。
庭をひたすら駆け回り、ある程度集まったところで、ワイヤーを使い2階の窓へと飛び入る。
よし、この回に警備がいるなら引き付けて3階へ行き、そしてそのまま屋上に逃げるか。
廊下を駆け、私兵に見つかりそのまま私兵を引き連れ3階へ行こうとしたのだが、明らかにレベルの高い私兵が出てきた。
身長が180cmほどあり赤い髪を掻き上げている。手に武器は持っていないが、拳を打ちつけ構えを取る。
徒手で戦うようだ。
後ろからは私兵が追いかけてきているので挟み撃ちにされるのはまずい。黄昏の盗賊団は殺しは基本しないのだ。よっぽどの窮地か、よほどの悪い相手じゃなければだが。
取りあえず目の前の大男を通り過ぎて、挟み撃ちは避ける。
「俺はリオだ、泥棒、諦めろ、いまこの屋敷にはこそ泥が相手に出来ないようなのがたくさんいる。」
静かな声で告げられるが、お構いなしに突っ込んでいく。
横腹を裂きつつ後ろに回ることができればと斬りかかったのだが、上手い事躱され、姿勢を低くしていた私の背中に拳骨を振り下ろしてくる。
あまりの衝撃に廊下へと叩き付けられるが、すぐに前転し立ち上がり構える。
なんとか挟み撃ちの恰好は免れたが、思ったより手ごわそうな相手にため息をつく。
自分は170強あり、大体の日本人男性は見下ろしてきた、180あるリオはそれだけでやはり威圧感があり、なおかつ先ほど殴られた背中はまだひりひりと痛みを伴っている。
正面切っての戦闘を苦手とする盗賊とはいえ、こっそり忍び寄ってもリオには勝てる気がしない。
「おとなしく捕まれ、俺は6人のなかで3番目くらいだ、俺に勝てない、ならなおさら逃げ切れないぞ。」
「ご親切にどうも、別に勝てなくてもあなたを無視して、宝物盗んで逃げれば私の勝ちだから。」
「お前の後ろに、階段がある、だが俺が通さない、もう逃げれない。」
何を言っている?こいつの言った通り私の後ろに階段があって、振り返って駆ければ逃げれる。振り返ろうとした瞬間、リオが飛びかかってきた。
凄まじいスピードで繰り出される拳に反応できず、とりあえず顔面をガードしたのだが、リオの攻撃をうまくガードすることができたようだ。
私兵たちが追い付いてきて、リオの後ろへと着く。
これは本格的にやばいかもしれない。




