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ミュゼ・クリトン 第5話
「おとーちゃん、おなかすいたー。」
「おう、まってろ!もうすぐできるから。」
焼きそばを皿に盛りつけ、食卓へと運ぶ。
そこには4歳になる娘がにこにこと座っていた。いただきますと焼きそばを一緒に食べる。
「おいちー。」
「おう、あたぼうよ!父ちゃんが作ったんだからな!」
嫁は今、買い物に出かけている。
焼きそばを食べ終え、食器を片付けていると娘が手伝いに来てくれた。
「お、手伝ってくれるのか、ありがとう。」
頭をなでてやるとうれしそうに笑う娘。
うっ、こんなかわいい娘も将来男を連れてくるようになって、お父さん嫌いとか言っちゃうんだろうなぁ…。
片付けが終わり、居間に戻りソファに腰かけてTVをつけると、膝に娘が乗ってきた。
「おとーちゃん、遊んで―。」
「おー、何して遊ぶ―?」
「んーとね、お話聞きたい!」
「おう、まかしとけ!じゃぁなこの間砂漠であったお話をしてやろう。」
「砂漠ー?」
「砂漠ってのはなぁ…。」
こうして親子の昼下がりは過ぎていく。




