ミュゼ・クリトン 第1話
砂漠のオアシス、フラーク。そこに二人の冒険者がいた。
「ベーダさんよお、行くならさっさと行こうぜ、暑くてたまんねぇ。」
「行きたいなら一人で行けばいいだろ、ほっとけよ。」
「あらあら、ベーダちゃんは反抗期でしゅか~?助けてあげたのに忘れちゃったんでしゅか~?」
「ちっ、うるせえなぁ、ほら、いくぞ。」
俺はベーダとともに席を立つ。
砂漠にあるオアシスにできた町。というよりも正確には、商団の集まりでしかないのだが、ここには町と変わらない設備がある。
露店で飯を食べて、今回の冒険の内容を確認していた。
昨日たまたまであったベーダっていう冒険者。そしてたまたま同じ拳闘士だったので、キラーアントに襲われているところを助けてやった。
そしてその見返りとして今日は探索に付き合ってもらう。
フラークから出てきたに少し行ったところに穴がある。正確に言うと流砂で落ちる場所がある。
そこにこいつを連れて探索しようということだ。情報では拳闘士にありがたいアイテムがあるらしい。
砂漠を歩いてるとどうにも暑さで頭がおかしくなっちまいそうだ。
ベーダはマントまで来ていて見ているだけで暑苦しい。
その点俺は上半身裸で、盛り上がった逞しすぎる筋肉を魅せているし、いかつい顔に銀髪がマッチしてさわやかな笑みを浮かべているので、涼しい。
「おい、マントとって俺みたいに爽やかになれよ!」
「はぁ?ミュゼみたいなんは爽やかじゃなくてむさいとか、暑苦しいとか、おっさんていうんだよ。」
「おい、最後ただの悪口じゃねえか、殺すぞ。」
「あと、このマントは暑さと寒さ無効のマントだ。」
「はぁ!?なんだそれ、羨ましいな!くれよ。」
「誰がやるかはげ!」
「剥げてませーん!この刈り上げた素晴らしいヘッドは剥げてませーん!」
まったく、この素晴らしい肉体美イケメンのことが分かってないベーダくんはお子様だな。はっはっは。
おおきな黒い岩が十字に並んでいる場所についた。いかにもって場所だ。
「ここの中心に入ると、落ちていくからな。」
行くぞ。と先行して中心に足を踏み入れる。
そして体が徐々に沈んでいく。
落ちてしりもちをつき、尻をさすりながら立つ。上からベーダが降ってきたので受け止めて、おろしてやる。
「ありがとうと感謝したまえ!」
「いわれなきゃいってたよ!鬱陶しいジジイだな。」
「お前が大声出すから、なんか寄ってきたぞ。」
落ちた場所は広いドームのような場所だが、ドームのあちこちに大小さまざまな穴があり、そのうちの一つ、正確には2時の方向したから三つ目の穴から蠍の魔物デザートスコーピオンが出てくる。
人に合わせたサイズ感七日、蠍の尻尾がちょうど頭に来るくらいのサイズ感だ。正確には1.5mだな。おれは2m近くあるから全然頭に届いてないしな。ベーダにはちょうど良さそうだが。
「お前が呼んだし、お前がやっておけ、ここを調べるわ。」
「勝手なジジイだな。」
悪態をつきながらも砂蠍に突っ込んでいくベーダ。
蠍の尻尾による3段突きを2発躱し、一発は左の拳を当て、大きく逸らし、空いた胴体に<鉄拳制裁>という名のただの拳骨をくらわせる。スキルなので一応オレンジに光り輝くが、ほかのスキルと違い、拳闘士のスキルはスキルによる攻撃力の上昇はほぼなく、自身の筋力値に依存する。
半ば地面にめり込ませつつ砂蠍を沈黙させる。
「そいつの尻尾はそれなりに高く売れるから、ほしけりゃもってってもいいぞ。あと、尻尾の毒の解毒剤もその尻尾の毒にほかの材料加えて作る。」
ベーダに説明してやる。ベーダは先ほど渡しておいた解毒剤をマントの上から撫でていた。
「よし、こっち行くぞ、冒険者の足跡が一番残ってるしな。」
6時方向にあいた穴の方へと進んでいく。
穴は一本道で人2人がぎりぎりすれ違えるくらいの広さで、高さは2mちょっとしかなく、でっぱりなどに気を付けないと頭をぶつけちまう。
ランタンで先を照らしながら進んでいくと、通路の壁がいきなり盛り上がり、中からストーンスコーピオンとデザートスコーピオンがでてくる。
デザートスコーピオンが赤い殻を持っているほうで、ストーンスコーピオンは石の模様の殻をもっている。大きさは差はないが若干ストーンスコーピオンのほうが横にでかい。
「砂蠍のほうは任せたぞ。」
「おう。」




