ループ・サウィルダ 第15話
<バーサークモード>になり、ひたすら攻撃を仕掛けるアペティ。
<シャットダウン>から始まり、<スラッシュ>や<スラスト>を連続で放っていく。
しかし、何度目かの攻撃の際防御しているだけだった豪ブリンキングが反撃をする。<スラスト>腹に受け深く刺さったところで正面から顔面に拳を叩き付ける。
勢いよく壁まで吹き飛ばされ、打ちつけられる。同時に<バーサークモード>もきれ硬直時間に入る。
「ヨクモォ!コロシテヤル!」
ゴブリンキングはアペティへ近づいていこうと、歩を進めるが背後からシアンがシグネメントを胸に刺す。
「させない。」
「グッ!?アァ?」
振り返ったゴブリンキングの目には何も映らない。シアンは前に回り込み首にシグネメントを突き刺す。
シグネメントを抜き、距離を取り、ゴブリンキングが膝から倒れるのを見てアペティの元へ駆ける。
「アペティ!」
アペティは気絶状態になっているだけのようだった。
シアンはアペティをやさしく包み込んだ。
サーバントは左腕を失ってから、ひどく遅くなり、攻撃を仕掛けることができずにいた。
だが、また攻撃を受けることもなくなっていた。全力で防御に回っているのか、3人で一斉に攻撃を仕掛けてもうまくかわされたり、剣で受け止められたりしてしまう。
そこでユウキは壁に追いやることを考えた。3人で囲むような形から一方を開け、逃げやすくするようにしたのだ。
徐々に徐々に壁際まで追いやられていくサーバント。さすがに壁が近づくとなると察したのか逃げることを少なくしつつその分攻撃を入れてきた。
しかしユウキの循環の盾にたっぷりたまった力を使い<シールドバッシュ>を放ち、壁へと押しやるり、すぐさまキングと俺が<スラスト>を放ちサーバントの息の根を止める。
残ったのはサーバントの剣とゴブリンキングが指輪をいくつか落とした。サーバントの剣にはエスワーズと銘が掘ってあり、それなりに切れ味の良い剣のようだ。指輪に特別な効果はなく、換金アイテムか、討伐の証明アイテムなのだろう。
剣を持っているのはユウキとキングなので、二人のどちらかで相談して決めるように言った。もちろん指輪の換金した分を差し引くが。キングはどうせすぐ死ぬから、とユウキに譲るそうだ。
何とか一仕事終えた。まだクエストは終わっていないが一度インバスに戻ろう。
「疲れたー。打ち上げしよ!打ち上げ!酒場でパーッとさ♪」
気絶から復活したアペティが元気よく提案する。
「いいな!それ、しようぜ打ち上げ!酒だ酒―!」
それから、和気あいあいと帰路に就いたのだが、町の入り口に近づくにつれ違和感を感じ出す。
皆も気づいたのか、いぶかしげな表情を浮かべている。
町の入り口から見える路地には誰も見当たらない。門番すらいないのだ。
詰所の中も見るが誰もいなかった。誓約書をまとめた物が机の上にがおいてあったのでみると、自分たちの後に冒険者が3人ほどやってきているようだ。
町の中を歩くと人が倒れているのを見つけたので、駆け寄ったのだが、もはや人ではなかった。しわしわになっており、骨と皮だけになったかのようなミイラになってしまっている。そして首筋に見える二つの穴。
更に見渡すと町のあちこちに似たような死体が転がっている。
ヴァンパイアの仕業だろう。だが宿屋の話ではそこまで襲わないはずではなかったのか。
男の悲鳴が聞こえる。そして剣のぶつかり合う音。
急いでそちらに向かうと、噴水のある広場で二人の冒険者らしき男と男と女そして娘の町民一家らしき人たち、そしてスーツにマントを来た肌の白い男がいた。
恐らくスーツがヴァンパイアなのだろう。そして守るように戦っている2人の冒険者の間には、同じく冒険者の恰好をした男が倒れていた。
「ふっ、こんなおもちゃで吾輩に勝てると思っているのか。」
ヴァンパイアがおそらく死んでいる冒険者から取った剣を振っている。
冒険者のうち一人は剣と盾を構えた男で、キングのような装備だ。もう一人はシアンのように少なめのレザー装備の女が弓矢を携えている。
弓矢を持った冒険者が矢をヴァンパイアに放つが剣であっさりと弾かれてしまうが、同時に剣を持った男がヴァンパイアに斬りかかり、剣の持っていた腕を肘の先から切り落とす。
だが、そのまま男は掴まれ首元に噛みつかれでしまう。男は暴れて抵抗している。
いそいでヴァンパイアに迫り、狼牙棒で殴り、男から引きはがす。
「ぐあっ、くっ、まだいたのか冒険者め…。」
殴った頬に痛々しい傷がつくが、肘の先は復活していた。
「た、助かった。」
「大丈夫か?後で説明してもらうぞ。」
シアンはそうでもないが、アペティとキングは満身創痍なので物陰に隠れてもらっている。
「血を吸われると回復される。あと、HPに関係なく血を全部座れると死ぬから気を付けろ。」
「了解した。援護を頼む。」
ユウキ、俺、冒険者2人でヴァンパイアに相対する。
「男の血はまずいんだがな、何人いようが関係ない、殺してやる。」
ヴァンパイアは嘲笑う。




