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Archives of collapsing stories  作者: 仙人
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シアン・カラーズ 第8話

キャプテン・ピラーテは恐ろしく強かった。

まず攻撃が効いている気がしない。アペティの全力でのスキルですら、剣で弾かれる。通常攻撃で腕や足に当たって燃えると、フッと息を吹きかけ消してしまう。

シグネメントでの攻撃も同じように弾かれるか、葉巻で止血されてしまう。


アペティが<フルスイング>を放つ。ピラーテはシミターで剣の腹を叩き、地面を抉らせる。後ろから<バックスタブ>をしようと近付いていた私に、左手で裏拳を振るってくる。顔面に直撃し吹き飛ばされるが、吹き飛ばされるだけで痛みはない。

アペティがフランベルジュで上段斬をするが、シミターで受け止められる。すぐに引き戻し、<スラッシュ>を放つ。弾かれても、今度は水平斬、<スラスト>、袈裟懸け、<スラッシュ>と猛攻を始める。

キャプテン・ピラーテは弾いているが、たまにかすって燃えていく、流石にこの猛攻で火を消してる余裕はないらしく、放置しているままだ。


私も攻撃に加わる。アペティは大剣なのでどうしても大振りになるので、その隙を埋めるように、攻撃していく。

挟みこんでの戦いなので、避けられて、お互いに攻撃しあわないように注意しながらだ。

徐々に押してきているような感覚があった。キャプテン・ピラーテの体には徐々に傷が増え、出血も延焼も防げずにいる。


<フルスイング>をシミターで防ぐキャプテン・ピラーテだったが、受けきれず、そのまま後ろへ吹き飛ばされる。

「ふっ、ふふっ、はーっはっはっはははは!」

「強いな娘たちよ、もう私は動けん、とどめを刺すがいい。」

そのまま後ろに倒れこみ、大の字になる。


二人で顔を見合わせ、ゆっくりと近付いていく。

アペティがとどめを刺そうとフランベルジュを大上段に構え、振り下ろそうとした瞬間、キャプテン・ピラーテが立ち上がった。

こちらに手を伸ばしてきたので振り払おうと、シグネメントを突き刺すがそのまま腕を引っ張られ、倒されてしまう。

アペティも同じように倒されたのだろう。そしてなぜかキャプテン・ピラーテも倒れてくる。

3人で川の字になって天を仰ぐ形となった。急いで立ち上がろうとするが。


「騙して済まない。本当にもう動けない。でも、星がきれいだろう…?俺はみんなでこの星空をみたかった…。あぁ、でもこれで、みんなの…もとへ行けるんだ…な。あり…が…と…ぅ。」

キャプテン・ピラーテはそのまま黒い塊となり消えていった。

残されたのは懐中時計ただ一つ。


しばらく星を見ていた。

なんか変わったボスだったな。

よくよく考えると、ノックバック以外の攻撃はされなかった。絶対にこちらが防げるか、躱せるような攻撃だったような気がする。


「ねぇ、シアン?」

「なぁに?」

「星、綺麗だね。」

「うん。」

「ゲームなのにね。」

「ゲームだからじゃない?」

そっかぁ、と力なく返事をされる。

なんだろう、めちゃくちゃ帰りたくない。

アペティも同じなのだろうか、ずっと空を見ている。


懐中時計を手に取ってみる。

開いてみると、普通の時計にみえるが、文字盤が透き通っていて、中に水と船がある。水はいま半分ほどで、上から水が垂れてきている。

どういう仕掛けなのだろう。とひっくり返しても中の水は動かずに、垂れている水は昇っていくように見える。

そして気づく、これは潮の満ち引きを示しているのでは?あの洞窟から出るにはこの水が満水になる前に出ないといけないのでは?


「アペティ!行こう!時間がないかもしれない!」

「どうしたの?シアン慌てちゃって。」

懐中時計のことを説明する。

アペティは急いで立ち上がり、2人で駆け出す。

来た時よりも急いで、洞窟を逆走する。

迷わないように慎重に進む。入口の近くに来ると、通路が海水でふさがれていた。


「どうしようシアン!もうダメかな?」

アペティが不安そうに尋ねてくる。

懐中時計を見ると、水は7割くらいまで来ていた。

「まだ多分大丈夫!潜るよ!」

急いで海水の中にもぐり、入口を目指す。

最初に海賊ゾンビを倒したところを出て、一旦水面に上がる。遅れてアペティも顔を出す。


「船は!?」

「埋めたじゃん!」

そうだった。

急いで潜って船を掘り出す。

すこし、波で砂が攫われたのだろう、船の一部が砂から出ており、すぐに見つけられてよかった。

何度も掘ったり浮き上がったりしているうちに、何とか掘り出すことに成功した。水面まで引っ張り出し、船に乗り込む。


何とか出ることに成功した。入り口はほとんどふさがっており、身を屈めなければ通れなかった。

コートへ向かうために漕ぎ出す。


「ボス戦より疲れたね。」

「そうだね、でも楽しかった。」

「うん、また遊ぼうねっ!ってみてみて!」

アペティが指で月を指す。

そこには海賊船と思わしき影がどこかへと飛んでいく姿があった。


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