アペティ・グリード 第7話
宴の時間になるまで部屋で待たされることになった。
「暇になっちゃったね。」
「そうだねー、ユウキ君はこれからどうするの?」
「これから、そうだな…。とりあえず肉料理は踏破したいかな、ここ山だからいろんなお肉が食べれそうだし。サラダも好きだから、美味しい野菜とかあるといいんだけど…。」
えーっと、急にユウキ君は何の話をし出したのかな?あ、これからって宴の話か。もっと先の話を聞いたつもりだったんだけど。
「アペちゃんは何が好きなの?」
「ユウキ君かなっ!」
「あはは、おもしろいね、アペちゃんは。」
流されてしまった。ぐすん。
「ベーダパイセンはこれからどうするの?」
「やめろ。…取りあえずこのまま西に向かう。」
「西?」
「あぁ、砂漠が広がってるらしい。」
「へえ、知らなかった。私はシアンと一緒に海見に行くんだーっ♪」
「シアン?」
「あっ、私の友達!すっごくかわいいんだよ!」
ふん。と鼻で笑われてしまった。
こんこん、と扉をノックされユウキ君がどうぞー。と声を掛ける。
「大変お待たせいたしました、宴の準備が整いました。」
ジョルドムさんが入ってくる。
そして、そのまま連れられ王城の中を進んでいく。
廊下からでもわかるくらいにぎわっている部屋の前に連れてこられる。
そして中から王様の声が聞こえる。
「では、今宵の主役を呼ぶとしよう。勇気ある冒険者たちに拍手を!」
ぱちぱちと盛大な拍手が聞こえ、ジョルドムさんによって扉が開け放たれる。
その先には体育館ほどの広さの部屋に、これでもかというほどにドワーフ達であふれていた。
そのまま王の前まで連れられ、より一層拍手が大きくなる。
うぉっほん。と王様が咳ばらいをし場を鎮める。
「今回タルパを討伐してくれた勇敢な冒険者達よ、我がバンスカ王国を救ってくれたこと、まことに感謝する。」
「そして、一人の犠牲者が出てしまったことを誠に遺憾におもう。」
「そなたらの立派な働きに感謝し、国からこれを進呈しよう。」
近くにいた兵士から、さきほど決めたそれぞれへの褒美を受け取る王様。
「これらは我が国の宝である。どうか、大事に使ってくれ。」
そうして、ユウキ君は盾を、ベーダはマントを、そして私は剣を受け取る。
「では、これからもどこかで活躍してくれることを願う。今日は存分に飲み、食べ、そして笑え!」
にかっと王様が笑みを浮かべる。
それと同時にドワーフ達からの盛大な拍手が送られた。
ジョルドムさんに案内され席に着くと。
ドワーフがどっと押し寄せてきた。
小さい子から、老人まで、みんながタルパの討伐について礼をのべた。
そして、冒険譚を聞きたがった。いつのまにかベーダは消えていた。逃げたんだろう、こういうの嫌いそうだし。
ユウキ君と私で大勢の人間を相手しながら、飲んで食べて、そして笑った。
あっという間に2時間が過ぎ、人は半分ほどになった。
それでもおそらくこの国の人たち全員が来ていたのだろう。まだまだすごい人数だ。
セリウさん達や、ヤキヤさんたちも来ていた。
そして、ほかのプレイヤーも何人か到着していたようで、すごく羨ましがられた。
ここにラニアも居れればよかったのにな。
人がさらに半分ほどになってお開きとなった。
もう一泊さしてもらうことにした。今日でユウキ君とお別れになるのかー。
あっという間だったような気がするけど。それでも楽しかったな。いつのまにかベーダはいなくなってるし、ラニアは死んじゃったけど。
もう少し強かったら、みんなここにいたかな?大剣フランベルジュを撫でる。この剣は切った相手にまれに延焼でバフをつけるらしい。それに切れ味もいいようで、しばらく使えそうだ。
大剣のスキルも狂戦士としてのスキルも、これからどんどんおぼえていって、もっと強くならねば。
いままでは、知らない人たちとPTを組んだけど、つぎはシアンとだ。なんとしてでも守らないと。
ふと気になって聞いてみたところ、ユウキ君がもらった盾は循環の盾というらしく、相手の魔力を吸い取り、装備者の力に変えるそうだ。なにそれつよい。
ユウキ君は今日中にヤキヤさんたちと一緒にトエスクに戻るそうなので、湧かれお挨拶もしておいた。
「ユウキ君、今日はありがとね♪またどこかであったらよろしく!」
「アペちゃんもありがとう、ラニアにも言っておくよ、どこかで会う気がするし。」
微笑みが眩しいです、ごちそうさまです。
部屋に戻り、ログアウトする。




