アペティ・グリード 第5話
「うそおおっ!?」
半分から折れた大剣を見ながらついつい叫んでしまう。
おかげでタルパの鎧にひびを入れることができた。
「いいぞ、アペティ!って剣折れたのか!?」
「ど、どうしよう!?」
ラニアは唸りながら考えている。一応折れた大剣で<フルパワー>が残ってる間にもう一撃入れようと、<フルスイング>を発動させようと構えてみるが、光が集まらない。やっぱり折れてると大剣だと認識してくれないみたいだ。
「アペティ!これを使え!お前の力なら多分貫通できる!代わりに折れた剣をよこせ!」
「あいあいさー!」
ラニアが槍での3連突き<スピアランジ>を放ち、大きな隙を作り槍を投げてくる。
自分も同じように折れた大剣を投げ渡す。
槍を貰ったわけだけど、使ったことないんだけど…。一応<スラスト>は使えるみたいだし、慣れるまでしばらくタルパの横腹に攻撃を加えていく。そういえば、ラニアはあんな折れた大剣で戦えるのだろうか?気になってみてみると、今まではタルパの爪を弾き、注意を引きながら隙があれば顔に攻撃を加えていたのだが、今は爪の攻撃を弾くので精一杯のようだ。
あまり時間をかけているとラニアが危ないかもしれない。
ひび割れた鎧に向け、槍を構える。
「<スラスト>!」
慣れない武器でのスキル発動ではあったが、見事に鎧の部分を打ち砕き深々と突き刺さる。
「ピギイイイイイイ!!!!」
タルパが悲鳴を上げる。
「やばい!みんな避けてっ!」
ユウキ君が叫ぶ。避けようとしたがスキル後の硬直からまだ立ち直れていなかった。
タルパは私にむけて超大振りに右手を勢いよく薙いできた!
ユウキ君はいち早くそれに気づき避けることに成功した。がラニアも私と同じくスキル後だったのかもろに受け、壁まで吹き飛ばされてしまう。その様をまるでスローモーションかのように眺めていた。そしてそのまま自分にも同じことが起きるのだと、目の前に迫ってくる爪を眺めていた。
衝撃とともに吹き飛ばされる、背中に走る激しい痛み。
眼の前を過ぎていく爪、その先には手を伸ばした状態のベーダがいた。そのまま爪に薙がれ、胴体から血を噴き出しながら壁に飛ばされていく。
ベーダは遠目に見ても重傷だった。腹は裂け足は変な方向に折れ曲がっている。もしかしたら死んでいるかもしれない。
一瞬光に包まれた。すると、何事もなかったように立ち上がるベーダ。服は破れたままだが、腹はふさがっており、足も元の方向に戻っている。
「ベーダっ!?死んだかと思った!大丈夫なの?」
「死んだ。」
え?と一瞬固まる。そうか、ベーダは課金ができるのか。
ラニアの方も無事かと、見てみるがラニアは動かず、壁にもたれかかったままだ。
タルパは苛立っているのか、鼻息が荒い。
「ベーダ!ラニアの代わりに左手を頼む!アペちゃんは隙をみて頭を狙って!」
「わかった!」
ユウキ君が先ほどと同じように右手を相手取り、今度はベーダが左手の攻撃をうける。
ユウキ君はさっきまでと同じことなので、慣れ始めているのか、手に攻撃をしたり顔に攻撃したりと、確実にタルパの体力を削っていく。
ベーダは、振りあげられた左手を躱し、隙ができたところを殴り、外側から降られた手に、岩を砕く如き剛打<岩砕掌>を放ち迎撃する。が力負けし転ぶ。そこにタルパがストレートパンチを繰り出してきた。
慌てて駆け寄り、槍で受け止める。
みしっ、と嫌なおとがしたが、なんとか受け止める。
「大丈夫!?」
「すまん。」
そこから二人で左手を相手する。
薙ぎ払いをベーダが殴って減速させ、私が槍で斬りつける。振り下ろしを槍で受け止め、その間にベーダが顔面を殴りに行く。
「ピギィィイイ!!」
タルパが叫び、両手出挟み込むように攻撃してくるが、3人ともバックステップで回避し、反撃しようとしたところ、タルパが地面をつかみものすごい勢いで突進してきた。
3人とも咄嗟のことに避けきれず、吹き飛ばされてしまう。
体制を立て直すが、2人ともきつそうだ。
このままじゃだめだと思い、2人にむけ言い放つ。
「とどめを刺しちゃうよ?」
刺されちゃうかもだけど。と心の中で付け足す。2人は頷きタルパの相手にもどる。
ベーダは一人じゃ捌ききれないようなので、急がねば!
<バーサークモード>になる。体から赤いオーラが溢れ出す。切れたらおしまいだ。
ドキドキする。走って先ほど破壊した鎧の場所に行き、そこに突きを放つ。
「ピギィィ!」
タルパが悲鳴をあげ、今度は左手の裏拳で攻撃しようとしてきたのを、ジャンプでかわし、そのまま左手を足場にしてジャンプ、着地点にユウキ君がいて、盾を足場にして思い切り上に投げてくれる。
タルパの頭上に飛び、頭を守ってる鎧に向け攻撃する。
「<スラスト>ォォ!!」
赤い光が槍を包み込み、タルパの頭に直撃する。
「プゥギィィイイ!」
タルパは叫び声をあげる。私は急いで槍から手を放し、地面へと降り立つ。
タルパはのたうちまわって、しばらくすると動きを止めた。
「やったあああああ!!」




