ユウキ・ナイト 第2話
最初の戦闘から3時間が経過した。
あの後も多くのストーンリザードマンやバードホークという鷹との戦闘を経て、自分はレベルが上がり15になった。
自分は森林も草原も訓練でよくいくが、山脈は来たことがなかった。他の場所と違い魔物の数が段違いだ。草原や森林は魔物が群れとなって襲ってくるのはまれで、来たとしてもせいぜい2,3体だが、ここでは毎回群れとなって襲ってくるし、数は2~7体と多い。6体のストーンリザードマンに襲われたときは、終わったかもしれない、と思いつつも狭い道に誘い込み倒そうとしたところに、バードホークも襲い掛かってきて死に物狂いで逃げ出した。
結果、予定時間の半分の3時間を経過したところで休憩をし、進行速度の遅さに愕然としたものだ。
「そろそろ行くか。」
「そうだね。」
ラニアの提案に素直にうなずき、休憩していた岩の影からでてしばらく歩いたところで、戦闘音がどこからか聞こえてきた。
「ラニア、誰かが戦ってるみたいだね?」
「ん?あぁ、そうだな…。」
「だれか!助けてくれぇ!」
ラニアとふたりで顔を見合わせすぐ駆け出した!戦闘音は下の方から聞こえてきたので、斜面をすべるように掛けていくラニア。そして、本当に滑って落ちていく僕。
ラニアは問題なく着地し、そのまま駆けていくが、自分はしりもちをついてしまう。そして鎧が重いせいで走ることができない、できるだけ早く歩いてむかう。
ラニアが到着したのか、ストーンリザードマンの聞きなれた悲鳴が聞こえだした。ここに来るまでに山ほど倒してきたので、だいぶスムーズに倒せるようになっているのであろう。
遅れて自分も到着した、その場にはずんぐりむっくりとした140cmくらいの、立派な髭を蓄えた肌の黒い男とそれをさらに縮小したような、女の子が一人、倒れたストーンリザードマンが3体、そしてラニアと対峙している2体のストーンリザードマンがいた。
「<ヘイトハウル>!!」
ユウキはすぐさま叫び、ストーンリザードマンたちの注意をこちらに向ける。こちらを無いた隙に1体をラニアが串刺しにする。1体はこちらに向かって跳躍してきて、そのまま大きく剣を振りかぶってきたので盾で受け止め、振り払う。
横にはじかれたストーンリザードマンは、すぐに体勢を立て直しこちらに向かってくるが、<ガード>で受け止める。すると、後ろからきたラニアが槍を横に振り尻尾を切り飛ばし、後ろを振り返ろうとしたところを、<スラスト>で突き刺し絶命させる。
「お、おぉ、助けてくれてありがとうございますだ。」
「ありがとうございます。」
二人に頭を下げられる。
「儂は、セリウ・ミノウじゃ、こっちは娘のフィールじゃ。」
「僕は騎士のユウキ、こっちは傭兵のラニアです。」
自己紹介を済ませると、ラニアが質問を投げかける。
「どうしてこんなところにいるんですか?あなたたちはドワーフですよね?」
「それはじゃな、新たな鉱脈を見つけに何人かで探索隊を編成したんじゃが、落盤によってほかのみんなとはぐれてしまい、地上を通って近くの坑道への入口へ向かう途中に襲われてしまっての。」
眉をさげ、ものすごく悲しそうな顔をするセリウさん。他の仲間たちのことが心配なのだろう。
「よ、よければ街まで護衛してくれんかの?娘をこれ以上危険な目に合わせたくないんじゃ!報酬はだす!」
期待を込めた視線でこちらを見るセリウさん。そして自分たちの前には【クエスト:山脈にできた街を進行しますか? YES/NO】と出てくる。ラニアとうなずき合い、YESをおす。
「セリウさん、護衛させていただきます。どちらに向かえばいいですか?」
「あぁ、助かる、こっちじゃ、ついてきてくれ。」
と自分たちが滑り下りてきた方へと向かっていくので、ついていく。
坂を回り込んで、先ほど休憩に使っていた大きな岩の近くに来ると、セリウさんは足を止め、「ここじゃ。」といって大きな岩に抱き付いた。
え?何してるのこの人?と思いラニアもびっくりしてるのか変な顔しているのだが、面白くて笑ってしまった。ゴゴッと音がすると、大きな岩が動き始めた。
その様子をぽかーんと眺めていると、奥から洞窟の入り口のようなものがみえた。
「またせてすまんのう、歳でな。ここからはトロッコがある。それに魔物もでんしの。」
ついていくと、魔物が入ってしまうので閉めてくれと頼まれたが、無理だと断ると苦笑された。
いや、それ出来るの多分ドワーフの人たちだけです。
坑道の中は真っ暗だったが、娘さんがランタンをつけてくれる。
「ようこそ、儂等のスカッツ坑道へ。」




