常識崩壊の法則
掲載日:2017/03/20
この世界は神の機嫌で成り立っている。
神が手を離せば世界は崩壊する。
それは常識だ。
だが、その常識を知っている人はいない。
「戦争が起こった!」
「殺人事件が起こった!」
「火山が噴火した!」
この世界は騒がしい。
そして物騒だ。
もっと穏やかに、静かな世界にならないものか?
神は眉をひそめた。
青く美しいこの世界を愛したのはいつからだろうか?
最初はとても穏やかだった。
美しい自然と動物達の世界。
やがて人が生まれて、成長すると世界は少しずつ壊れていった。
人は自然を破壊した。
動物を殺した。
そして同族までも。
なんと恐ろしい生き物だろうか。
神はため息をついた。
そろそろこの世界も潮時かもしれない。
この世界を壊して、新しく美しい世界を作ったほうがいいかもしれない。
右手に握るこの小さな世界は、今日もどこかで争いが起こっているのだろう。
少し右手に力を入れてみた。
地面が割れて、地震が起こる。
大きな建物が崩れていくのが見えた。
このまま握りつぶしてしまおうか?
粉々に砕けて、世界は消える。
それはあっという間のことだろう。
ぱっと右手を開いてみる。
神はこの世界を手離した。
青く美しかった球体は茶色く変色し、神の手を離れ落ちて砕けた。
すべては神の手の中に。




