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そうしてお姫様は、

常識崩壊の法則

作者: 東亭和子

 この世界は神の機嫌で成り立っている。

 神が手を離せば世界は崩壊する。

 それは常識だ。

 だが、その常識を知っている人はいない。


「戦争が起こった!」

「殺人事件が起こった!」

「火山が噴火した!」

 この世界は騒がしい。

 そして物騒だ。

 もっと穏やかに、静かな世界にならないものか?

 神は眉をひそめた。

 青く美しいこの世界を愛したのはいつからだろうか?

 最初はとても穏やかだった。

 美しい自然と動物達の世界。

 やがて人が生まれて、成長すると世界は少しずつ壊れていった。

 人は自然を破壊した。

 動物を殺した。

 そして同族までも。


 なんと恐ろしい生き物だろうか。

 神はため息をついた。

 そろそろこの世界も潮時かもしれない。

 この世界を壊して、新しく美しい世界を作ったほうがいいかもしれない。

 右手に握るこの小さな世界は、今日もどこかで争いが起こっているのだろう。

 少し右手に力を入れてみた。

 地面が割れて、地震が起こる。

 大きな建物が崩れていくのが見えた。

 このまま握りつぶしてしまおうか?

 粉々に砕けて、世界は消える。

 それはあっという間のことだろう。

 ぱっと右手を開いてみる。

 神はこの世界を手離した。


 青く美しかった球体は茶色く変色し、神の手を離れ落ちて砕けた。


すべては神の手の中に。

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