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4話 妖精の報告書

すみません....!投稿が遅れてしまいました...

──道なき道をただ歩いていく。

その先には、何があるのか。

石の光が僅かに照らす中、その森を進んでいく。

「もうすぐ着くわよ」

ふと、俺の耳元から声がする。

チラリと見ると、ふよふよ浮く妖精がいた。

その後、再び前を見る。

すると、薄暗い森の中に、少し開けた場所があるのが見える。

「ほら、見えたでしょ?」

さらに進んでいく。

森が開けた──と、思えばそこには小さな湖が広がっていた。

「んで、こんな所まできてなにするつもりだ?もしかしていたずら?」

妖精は人間にいたずらをしそうなイメージあるし。

「違うわよ!とりあえずあんたと話をしようと思ってここ連れてきたのよ!さっきも言ったじゃない!」

確かにそんなことも言っていたような気もするが...

「もしかしてこの石の事とかか?」

俺が光る石を見せる。

「それよそれ!それどこで手に入れたのよ!」

「村で村長に貰っただけだけど...」

そう俺が言うと妖精は余計に頭に疑問符を浮かべる。

「村長?あ、確かいたわね....そんで何で村長が持っているの?確かアルカがずっと持ってたはずだけど?」

「アルカ?」

「そうよ。あの魔女の事よ」

そういう名前だったのか....

「それはわからないな...森に行くときに村長から貰っただけだし。」

「なるほどね、それで納得いくわ。確かアルカは二つ作った気もするし...あ、ちょっと待っててくれる?あなたに渡したいものがあるのよ」

「渡したいもの?」

もしかしてこれが村長が森に行かせた理由なのだろうか。

「そうよ。あなた、あの村の村長から会いに行くように言われたんでしょう?」




────数分後。

ルネが何かを持って浮かん来ているのが見えた。

「ん?何だあれ」

目を凝らしてみると一つの紙が折りたたんだ状態でもってきているのが見えた。

そこで、さらに一つの事を発見する。

「.....ん?」

....浮いてる?

そう見えた。何とマリーは紙を浮かして持ってきているのである。

「お待たせ。はい、これ。持ってきたわよ」

そういって紙を渡してくる。相変わらず紙を浮かしたまま。

「お、おうありがとう。」

どこから突っ込んだら良いんだろう。

そもそもこれ何?あとなんで紙が浮かんでるの?

「ところでこれなんだ?」

「これ?これは村長に見せたらわかると思うけどここの森の状況をそれに書いてあるのよ」

「いわゆる風説書みたいなもんか」

「ふうせつがき?」

まあ、今時風説書っていう言葉を使うこと自体がおかしいか。俺は名前の響きがいいから覚えてたけど。ところで、風説書って何時代のものだっけ?

「あ、いや、そんな名前がいいかなって思ってな」

「名前は勝手につけてもらっても構わないけど....とりあえずそれは渡しておくわ」

「......ところで、なんで紙が浮いてるんだ?」

紙を受け取った後、そう聞いてみた。

「これは簡単な浮遊魔法だけど?」

「ふゆう魔法?」

「そうよ。物を浮かすことが出来る魔法よ。もしかしてあなた、魔法知らない?」

「....聞いたことぐらいは...炎とか操ったりするやつか?」

確かこの前見たアニメでローマ教皇の名前を叫びながら炎の魔人を出していたのを見たし。

「結構知ってるじゃない。もしかしてあなた魔法が使えたりするの?」

そうだよなぁ....使えたらいいんだけどなぁ...。使えないんですけどね?

そんな俺の顔を見て察したのか、

「その顔を見てると使えなさそうね....そうだ、私が教えてあげましょうか?」

「ほんとか!?」

「えぇ、いいわよ。最近暇していたしね。」

魔法か....改めて考えてみるとすごいな....!

すげーファンタジーかつファンタスティックそうだし使ってみたい気もする。

「へぇ、あなた結構魔法に興味ありそうじゃない。早速教えてあげたいところだけど先にその紙を村まで持っていった方が良さそうね」

「そうだな。じゃあまた来るよ」

そう言ってルネに背を向け歩き出す。

さて、村に戻ったら村長に紙を渡すか。その後は....

「ふぁぁ...」

眠くなってきたし寝ますか。

にしても、これでもうすぐこの世界に来て一日目が終わるな....

....何というか、長かったな。特に何かした覚えは無いけど。

.......救世主か.....

今日一番言われて驚いたことを思い出してみる。

「どうして俺が救世主なんかに....」

今日の昼過ぎに気が付いて起きたら草原で。

どこかもわからなかったので適当に歩き回り。

やっと見つけた村でいきなり凡人から救世主にジョブチェンジ。

....言ってやろうじゃないかあの言葉。

......どうしてこうなった...?

「救世主?それがどうしたの?」

「うえぇ!?」

そこにはまるで世界の終焉を告げるような死神が──ではなく、

「なんでそんなに驚いてるの?さっきからいたじゃない」

ルネだった。

「てっきりいないかと思ってたし...にしても驚いた....」

ルネが小さいせいか、全く気配も感じなかったしな。

「それで救世主ってなんのことなの?」

「それがだな、俺がなぜか村で救世主って呼ばれてるんだよ」

「へぇ...そうなのね...あなたも色々大変ね...」

そう。大変なんだよ...

「今更だけどなんでルネは俺についてきてるんだ?」

「え?ダメだったかしら?」

「いや、構わないんだけどさ...村に行っても怪しまれたりしないか?」

「多分大丈夫よ。その気になれば姿消せるしね」

そうルナが言い終わった後、姿を消して見せた。

「確かにそれだと大丈夫だな」

正直、声がするだけで全くどこにいるのかわからない。

「そうね.....」

そう、声だけが聞こえた。




──

「ふぁぁぁ.....」

息を吐く声と共に小さな欠伸が出た。

「なあルネ後どのくらいで村に着くかわかるか?」

そう聞き、ルネの方を向く。

「あれ、どうしたんだ?そこで止まって。行かないのか?」

「ちょっと静かにして。何かいるわ」

....何がいるんだ?

俺もその場に止まり、耳を澄ませる。

「注意して。近づいてくるわ」

ルネの警告を聞き、さらに耳を澄ます。

───ガサガサ

音が俺の耳に入った瞬間、近くの低木から俺目がけて飛んでくる影が見えた。

それは、俺の思考も速く、ただ目の前で何かが起こったと言う事実しか捉えられない。

しかし、それに劣らないものがあった。

「はあっ!」

─バチバチバチィ!

目でも捉えられないソレは、俺の耳に空気を破る音だけを残していく。

──気が付けば、俺の目の前には一つの黒い影が倒れていた。

「危なかったわ....しかしなんでこんな所に魔獣がいるのよ....」

黒い影は、よく見ると狼の形をしている。さらによく見ると狼の体に一つ穴が開いているのが見えた。

...もしかしてこれがルネの言っていた魔法の一種なのかもしれない。

「おかしいわね...結界が張られてあるはずなのに...もしかしてここにずっと潜んでたのかしら....」

「結界?なんのことだ?」

「あなたが持ってるその紙には書いてあると思うんだけど...」

と言い、続ける。

「最近この森で妖精たちが結界を張ったのよ。魔獣を侵入させないためにね」

......確か村長が魔獣にいつ襲われてもおかしくないとか言ってたな...それが関係あるのかもしれない。

「それでも結果がこれよ。もしかしたらずっと前からここにいた可能性もあるから結界が機能してないかはわからないんだけど..それでも心配だわ...」

なるほどな....

「まあ、考えていても仕方ないわよね。さあ、村に行きましょう。おそらくもうすぐで着くはずよ」

村に帰ったら一段落着くな.....よし、後もう少しだ...

「あ、まだあなたの名前を聞いていなかったわね」

確かにそうだな...

「俺の名前は登だ。よろしくな」


妖精と主人公の名前を変えることにしました。

次回は頑張って投稿したいと思っています!

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