リセットマラソン【短編】
初めての投稿です。最初はショートショートを書いてみました。1分もかからないのでぜひ読んでほしいです。
「なあ最近さ、本当に『リセットマラソン』をしてる人多いよな」
「あぁ、人気だよな。特に、俺達みたいなしがないサラリーマンに」
「だよな〜。そういや、同期のAっているだろ?」
「え〜と、あぁ、あの営業成績いいやつのことだ」
「そうそう。部長に気に入られてたよな〜」
「で、あいつがどうかしたのか?」
「あ、そうそう、それだよ。風の噂で聞いたんだが、あいつ『リセマラ』10回もしたらしいぞ」
「10回も?」
「そうなんだよ、流石にしすぎだよな。」
「いや、でもまぁ『リセマラ中毒』の転勤したあいつに比べたら── 」
「馬鹿!その話は止めろ!」
「あ、あぁ。すまん…そうだよな、10回はしすぎだ」
「んでも、かくいうお前も『リセマラ』してただろ?」
「お、よく知ってるな。ちなみに、俺の時は2回だったんだよな」
「やっぱなかなか望んだとおりに出ないよな。でも、2回って割と早いじゃん」
「そうなんだよ。でもこれって、やっぱ運だし、日頃の行いがいいからだな」
「いやいや、んなわけねーよ(笑)」
「うるせぇ(笑)。てか、お前はどうなんだよ。『リセマラ』してんのか?」
「あぁ、俺もしてるさ。ほら俺の実家って家具店だろ?だから親が跡継ぎが欲しいってうるさくてさ」
「あぁ、そうか、お前のとこはそうだもんな。にしても珍しいな、普通は逆だろ」
「まあね。うちは特別なんだよ。」
「そうだな。おっと、もうすぐ昼休みが終わっちまう。早く戻らないと」
「お、もうそんな時間か──────── 早く出ないかな……元気な…男の子………」
どうでしたか?この話は、実はとある新聞の記事から思いつきました。
不自由を持って生まれてきた子どもを、その親がその子のためだと手にかけてしまった内容なのですが、それをみなさんがよくする『リセットマラソン』になぞらえてみました。
しかし案外、将来は技術の進歩などで生まれる前に母胎に負担をかけずに『リセット』できるようなことが起こるかも知れません。