3話 ステータス
二歳になった。
そして······やっと歩けるようになった!まだよちよち歩いているだけだが。
離乳食も食べられるようになった。
そして······言葉が分かるようになってきた!
言葉を普通に理解出来ていた私にとって、全く言葉が分からないというのは、なかなか不安だったものだ。
喋ることも少しずつできるようになってきた。
今の生活や両親(母親らしき人は母親、父親らしき人は父親だった)の会話を聞いて、分かってきたことがいくつかある。
まず私が生まれたこの国はレインスノー王国といって、気候は冬がとっても寒く、越後以上に雪が降る。夏は他の国に比べて涼しく快適だ。宗教はいくつかあって、各々が勝手に信仰しているようだ。
社会の仕組みは王が絶対的な権力を持っていて、次に貴族、最後に平民という格付けだ。
私の生まれたこの家は平民に位置しているらしい。
王や貴族達は自分勝手な行動を次々としていて、平民は負担に苦しんでいる。
この国には、家や親がいない子供もたくさんいるらしい。そんなところと比べたら私の家は平民の中ではそこそこ裕福なほうだろう。
後、この世界にはステータスというものがあるらしい。
そういえば、今日私のステータスを見ると母と父が言っていたな。
「は~い、レン。ご飯ですよ~。」
「あい!」
そう言って、母に抱き抱えられて椅子に連れていってもらった。
はいとか、いいえとかの簡単な単語なら今の私にでも発言できる。はいって言った時にこっそり父が母に
「レンの『はい』は『あい』に聞こえるな」
と言っていたような気がするが、多分気のせいだろう。大丈夫。ちゃんと発音できているはずだ。というかできてなかったら一晩中泣ける。一生懸命話せるように練習したからな。
ちなみにレンというのは私の名前だ。平民なので家名はない。どこかの貴族の養子にでもなったら付くのだろうか。まあ私は少なくともこのような腐った国の腐った貴族の養子だなんて死んでも御免だが。
あと父はリオウ、母はマラというようだ。
「レン、今日はステータスを見ますよ」
「あい!」
「いい返事だな。いいぞ、レン」
「ステータスはどうやって見るか分かる?」
「いいえ」
「じゃあ簡単だから見ててね『ステータスオープン』」
なにやら呪文を唱えたようだ。ステータスオープンと言えばいいのだろうか。
『ステータスオープン』
おお、言霊のようなものが働いたのかすごく流暢に言えた。
name レン
sex male
job 無職
LP 4/4
MP 3/3
STR 2
VIT 2
INT 15
MEN 50
AGI 1
LUK 30
skill 刀術 槍術 馬術 神の気まぐれ 指揮
「次は私達にも見えるようにしてね。『ステータスショー』」
name マラ
sex female
job 主婦
LP 7/7
MP 4/15
STR 5
VIT 6
INT 15
MEN 15
AGI 6
LUK 10
skill 家事 生活魔法
ステータスっていうのはいいのだが、このnameとかLPとかは何を表しているのだろうか。
『ステータスショー』
「「!?」」
母と父はとても驚いているようだ。数字がバラバラだからだろうか。それともいろいろ前世で培った技術が出ているからだろうか。
「このステータス何か色々おかしな数字が混じっているな」
「はい。この年でMEN50とか何をやっていたのでしょうか?すでにskillももっていますし、なぜでしょう?」
「分からん。レンに聞いてもまだ単語を理解しているレベルだろうし、今のところは放置するしかないな」
「分かりました」
そんなにおかしかったのか。あと、私は言葉を理解はしているぞ。喋れないだけで。それはともかく、今後はこのステータスについても色々知っておかねばなるまい。
「じゃあご飯を食べよう」
こうしてとりあえずこの問題は放置された。
name、job、skillの欄が漢字じゃないのは、漢字にするとレンがわからなくなるからです。(ご都合主義ともいう)