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ライオン・ロード  作者: 明日こそはシンデレラ
9/10

悪党達の朝

朝早く、村長、助役、レンジの3人は宿屋を出て、船乗り場に行き、助役が、青い帽子を被った、若い男の船頭のボートに乗ったので、村長とレンジも乗った。


村長「バリ村まで頼む。」


若い男の船頭は、黙ってエンジンをかけて、バリ村へ出発した。

ボートは、マサシが乗った小舟より速く、すごい水しぶきをあげて進んだ。


助役「ホットケーキのうまい店があるんで、ちょっと食べて行きましょう。」


村長「おお、そうだな、やっぱり、朝飯はちゃんと食べないとな。」


レンジ「俺は、朝は、ごはん派なんだが、しょうがないなあ、あんたらに付き合ってやるよ、もちろん奢りね。」


助役「ああ、そのつもりだ。」


ボートは30分ほど地下水路を進んだが、助役のホットケーキの店にはまだ着かない、レンジは助役に訊ねた。


レンジ「おい助役、もう、ライオンロードを出てから30分ほど経つが、まだ、そのホットケーキの店には着かないのか?」


助役「あと30分ほどで着く。」


レンジ「ほんとかよ、そんなホットケーキがうまい店なんて、聞いたことないぞ。」


助役「最近できたばかりなんだ、もう少しだけ待ってくれ。」


ボートは、それからさらに30分ほど走り、右に曲がって少し進んで止まった。


レンジ「こっちの水路に来たのは初めてだ、こんな所に店があるとは。」


村長「たまに船頭が、ここの水路で休憩したりするんだ。」


3人は、船から降りて緩やかな坂道を歩いた。船頭も、杭にロープを巻いてボートを縛りつけ、船から降りて来た。


レンジ「こいつもホットケーキを食べるのかよ。」


村長「いいじゃないか。」


4人は坂道を上りきり、助役がへこんだ取っ手に手をかけて、壁の扉を横にスライドさせて開けた。外に出ると、草原が広がっていた。最後に出た船頭が、壁の扉を閉めた。


レンジ「おいおい、こんな所にホットケーキの店があるのか?」


突然、助役がポケットからナイフを出して、レンジの腹を刺した。


レンジ「な・・・・何をするんだ・・・・。」


助役「この寄生虫が!!今まで何回もたかりやがって!!」


助役は、何回もレンジの腹を刺し、蹴りを何発か入れた。


レンジは、腹を抑えて倒れ、微かに息をしていたが、死ぬのは時間の問題だった。


村長「うまく言ったな、居酒屋での打ち合わせどおりだ。」


助役「うるせえ、ハゲジジイ、お前もここで死ぬんだよ!!」


助役は、村長の腹も刺した。


助役「このクソジジイが、今までさんざん威張りちらしやがって!!お前とレンジは、ここでライオンの餌になるんだよ!!」


村長「う・・・・お前、最初からそのつもりだったのか・・・・船頭さん、助けてくれ!!」


うずくまりながら村長は、船頭に助けを求めた。しかし、船頭は黙ってその様子を見ていた。


助役「無駄だ、そいつは私の息子だ。お前とレンジを殺すために、こいつには、少し前から船頭のバイトをしてもらっていた、ちなみに、青い帽子は目印だ。」


船頭「親父、俺を村の役場職員にしてくれよ、船頭は、夜勤があって寝れないし、変な客はいるしで、もう二度とゴメンだ。」


助役「ああ、分かっている、私も村長になって、この腐敗した村を改革だ!!村に金があるからって、冗談半分で、地上のライオン・ロードに繋がる地下水路なんか作るから、こんなことになるんだ!!まさか、ここが、自分の墓場になるなんて、思いもしなかっただろ、ざまあみやがれ!!」


助役は、村長の腹に何発も蹴りを入れ、覆い被さって、何回も腹をナイフで刺した。そして、村長は動かなくなり、絶命した。

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