もうひとつのライオン・ロード
それから少し歩くと、地下に降りる大きな人工的な穴が開いていて、その入口の上の方に金色の文字で、ライオン・ロードと書かれていた。
マサシ「ライオン・ロード?」
村長と助役、そしてマサシは、穴の中にある階段を下りた。地下に着くと、そこは巨大な神殿になっており、かなり大きな川のような地下水路が中央に流れていた。地下水路には、多数の船頭が乗った小舟が行ったり来たりしており、水路を挟んで、多くのとびきりのいい女達が、ケバい格好をして男達を誘っていた。
「お兄さん、私と遊んでいかない?安くしとくわよ。」
マサシは声をかけられたが、本能的に、こんな女と関わったら、有り金全部持っていかれてしまうと思い、無視して村長と助役の後をつけた。村長は、若い黒髪の長いいい女に声をかけた。
村長「おい、姉ちゃん、わしとどうだ?金ならある、ほら。」
村長は、札束を女に見せた。
女「はあ?寝言は寝て言いな、このハゲ!!ジジイはもう、寝る時間だよ!!」
村長「このアマ!!これならどうだ!!」
村長は、もうひとつ札束を増やした。
女「あのなあ、ジジイ、このライオン・ロードには、あんたより金持ちで、若くていい男がウヨウヨいるんだよ!!あんたみたいな、ちょっと金持ってるハゲのジジイに、抱かれる女なんてここにはいないよ、さっさと帰んな!!」
村長「クソッ」
助役「村長、このライオン・ロードは、世界中の金持ちが集まる場所です、いい女は諦めて、美味しい料理でも食べて帰りましょう。」
村長「そうだな、それに、ここの女達は、いろんな男達に抱かれてるから、そう思うと抱く気が失せるぜ。」
マサシ(こんな奴らが村長と助役なんて、俺の村終わってるな。)
村長と助役が、行きつけの海鮮料理の店に着くと、店の前でレンジが待っていた。
レンジ「よう、ご両人。今日はうまいものをご馳走してくれるらしいな、楽しみだ。」
村長「?」
村長と助役は、こそこそ話を始めた。
助役「私が呼んだんです。」
村長「どういうことだ、助役!!」
助役「レンジにとって、今日の料理が最期の晩餐になることでしょう。」
レンジ「なにコソコソ話してるんだよ、さっさと行こうぜ。」
村長、助役、レンジの3人は、海鮮料理の店に入っていった。マサシは、レンジを見て驚き、慌てて人混みの中に隠れた。
マサシ「レンジさんまで・・・・そうか、みんな、あの小舟に乗ってここまで来たんだな。」
マサシは、海鮮料理の店が見える近くの腰掛け椅子に座り、3人が出てくるのを待つことにした。待っている間、若いいい女が何人か声をかけて来たが、適当にあしらった。そして、40分ぐらいして、上機嫌なレンジと、村長、助役の3人が店から出てきた。