死者の地を
ふわふわと
頼りない僕らは
惑う
不安定で
確固たる
この奇妙な世界で
曖昧な輪郭を留めようと
必死に糸を手繰る
この存在の意味を
僕らの核の場所を知りたくて
気紛れな世界から
くしゃりと踏み潰され
いつ放り出されるのかと
不合理に怯えながら
けれど死が僕らを永遠にする
刹那
僕らは記憶にしか存在しないものであり
この世で最も確かなもの
かちり
死の瞬間に存在の流動は止まり
美しくも
歪にも
それは消滅ではなく確定
動きを止めた僕らは
留まることを知ったように
初めて自らの重さに気づいたように
沈む
この世界の底へ
緩やかに積み重なり
踏み固められ
いつか埋もれる
その死者の地を
僕らは生きている