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うちの敷地に無断駐車を繰り返す奴に仕返しした話って需要ある?

作者: 二進法男

需要あるから読まれてると解釈して書いてく。


まず前提として、うちは祭りの時期に近所のコインパーキングが20分600円とかになる地域に住んでる。

持ち家だけど、建てたのはひいじいちゃん。生まれ故郷でも何でもないここに家を建てた理由は、この祭りが好きだったかららしい。昔はもうちょっと大人しい祭りで観光客もそれほど多くなかったらしいんだけど、何年か前にこの祭りをモデルにしたアニメがヒットしてから観光客がどっと増えた。ガソリン撒かれて燃やされたあのスタジオ作のやつ。

観光客の中にはたちの悪いのも少なくなくて、祭りの時期は治安が悪くなるわゴミが増えるわでいい迷惑。地域経済活性化とかで市長が推進してるけど住民としては余計な事すんなと言うのが本音。その増えた税収の分、水道代とか電気代とか下げてくれよと思ってる。ゴミ袋値上げとかしてんじゃねーよ。


まあそれはともかく、マナーの悪い観光客は本当にマナーが悪い。ゴミや食べ残しのポイ捨てぐらいならもうあきらめがつくレベル。

今までで一番呆れたのは犬を捨てていきやがったやつだ。ゴミ袋が動いてるからおそるおそる開けてみたらチワワがガムテープ巻かれて突っ込まれてんだぞ。警察に届けたけど当然犯人は見つからず。半年経って連絡が来たからどうしようかと思ってたら、結局その署に勤務してる警官が引き取って育ててくれてるらしい。


で、うちの話。

屋台が出るような主通りからは少し引っ込んだ場所にあるんだが、そのせいかかえって人ごみを嫌う連中が迷い込んでくる。隣の家なんかカップルが入り込んでヤってたこともあるらしい。うちは昔は両親が車に乗ってたから駐車スペースが広い。が、縦列駐車だから、前に停めたら後ろのは出られなくなる。今は両親とも家を出たり死んだりして自分しか車に乗ってないから3台分空いてるわけだ。

今年の祭りの期間にちょっと用事があって徒歩で出かけて帰ってきたら、自分の車の前に県外ナンバーの車が停まってた。当然、観光客だろう。というかそれ以外に考えられん。毎年やられるんだ。

今夜は車を出す予定はないが、朝まで残られたら困る。というか、夜の間でも不愉快だ。観光客なら祭りが終わるころには出ていくだろうから放っておけばいいんだが、どうもイライラしてたので仕返しすることにした。


というわけで、昔使っててもういらないリュックサックを用意した。最悪ロストしても惜しくないものだ。

そして500円玉を1枚、これまた昔使っててもういらないコインケースに入れて、コインケースをリュックサックに入れて準備完了。これをこの無断駐車の軽自動車の前に置いておく。あとは車の持ち主が戻ってくるのを待つだけだ。


祭りが終わる頃には気を付けていたら、案の定持ち主登場。一言で言うと女連れのチャラ男だ。女の方はブスでもなく美人でもない普通のやつ。車の前にリュックサックが置かれていることに気が付いたら、そりゃどけるよな。こんなものがあったら車を出せないから。

チャラ男がリュックを持ち上げた瞬間を確認して、家を飛び出した。

「泥棒ー!」

大声で叫びながら、玄関に置いてあった傘をひっつかんでチャラ男に向けて振り回す。当てたらこっちも傷害罪とかになるからわざと空振りさせて

チャラ男は驚いてリュックを手放し、自分から少し距離を取ろうとする。まあ、それで十分だ。

「泥棒!人んちに入って何してんだ!」

チャラ男の言い分を聞く必要はない。すぐに携帯を取り出して警察に通報した。

「うちに泥棒が入って現金を盗もうとしています、すぐに来てください!」

祭りの整理のために県警は警察官を総動員して事件に備えているから、祭りに近い我が家の住所を言うとすぐに来た。本当にすぐだ、1分も経っていないからたぶんちょうどパトロール中とかだったんだろう。

「どうしました?」

「そいつ!そいつが、うちのリュックを盗んでいこうとしてました!」

冷静に警察官に説明しようとしたが、まあ慣れないことをしてるわけだからスムーズには言えなかった。だが警察官のほうはそういう被害者に慣れているのでちゃんと話を聞いてくれて、その間にさらに2人目3人目の警察官がやってきた。チャラ男の言い分も一応聞いてやってるんだが、自分とチャラ男の証言には食い違いがある。だが、一致した部分だけを切り取ってもこういうことになる。


チャラ男は車で他人の自宅に侵入し、現金の入ったリュックサックを持ち去ろうとした。


どこをどう言いつくろってもこの事実だけは動かしようがない。詳しく調べてもチャラ男の車がうちの敷地内に停まっていて、リュックサックに自分の指紋が付いた現金が入っていて、リュックサックにはチャラ男の指紋が付いている。リュックサックをどこに置いてあったのかと警察官に聞かれた時には、古いものなので最後にどこに置いたのか覚えていないと答えておけばチャラ男の証言とも矛盾しない。


結局、祭りの渋滞で大分遅れてやってきたパトカーにチャラ男は乗せられていった。女は泣いていたがまあどうでもいい。

その後、被害届を出すの出さないので一晩かかったが、チャラ男の親だというやつが翌日やってきて話をした。示談金5万を払うというので、このころには自分もだいぶ頭が冷えていたのでその話を飲んだ。もっとむしり取ればよかったと後で思ったがその時はもう面倒になっていたのだ。チャラ男の軽自動車は祭りの夜から2日置きっぱなしになっていたので電車通勤になった。


5万もらって割に合うかどうかは人によると思うが、自分はもうやりたくない。面倒くさい。

以上、うちの敷地に無断駐車する奴に仕返しした話でした。

フィクションですと書いておかないといけない気がするので書いておく。フィクションです。

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