第6話 邂逅2
朝日を浴びて目が覚める
あっちでもこんなに気持ちのいい目覚め方はできなかった、でももう野宿はいい
身体が痛すぎる、ベッドか布団で寝たい
それじゃあ人里めがけて歩きだそう
叡智さん、どっち行けば良いの?
【北側、左方向です】
東側を向いてたらしい、聞いておいてよかった
回れ左をして歩く
歩いてたら村っぽい場所が見えた、木の壁に覆われて如何にも「村」って感じだ
もうちょっとで到着だ、下りになってるし気を付けて歩こう
「お〜ついた〜」
思わず間延びした声が出ちゃった
「止まれ、貴様何用でここに来た」
騎士っぽい甲冑を着た人が話しかけてきた
まぁ怪しいよね、こっちの世界的に変な服だろうし
「えっと…森で迷って人里のある方に来たんです」
正直に言っておこう、嘘つくメリット皆無だし
「森で何をしていた?」
森で…?思い出せるのは『ウルフェイク』達に追いかけられて木の上で寝たことだけだな…
なにかしたことと言えば……
木を傷つけた?拗れそうだしここは黙っておこう
「何もしてません、一回野宿しましたがそれだけです」
「黒男、とりあえず村長に聞いてくる
そこを動くなよ」
黒男って僕のことだよね?
日焼けはそんなにしてないはずなんだけど……
まぁいいや言われた通り待っておこう
「黒…?まぁわかりました、ここで待ってますね」
なんか困ったような顔をしながら騎士さんが村に行った
追い返されなかったし、村に入れると思いたいなぁ……