第19話 道筋
馬車に揺られる道中、獣っ娘と手遊びをしながら考える、獣っ娘の名前どうしようかなと
色々考えなきゃいけないことはあるけど取り急ぎ考えるべきはこの子の名前だ、いつまでも獣っ娘呼びは流石に無い
とはいえ僕はネーミングセンス全然ないから良い名前をつけられるか不安だ、この世界にキラキラネームの概念があるかわからないけど、名前は一生物だから気に入るような名前がいい
まずは見た目から考えてみよう
日本人みたいな黒い髪、ちょっとボサボサだけどお風呂に入れば綺麗になる程度
たまにぴょこぴょこ動く、黒くてもふもふの猫耳
クリクリしてつぶらな瞳、湖みたいに透き通ってて、サファイアみたいに綺麗な碧眼
……本当に綺麗な目をしてる、吸い込まれそうな風光明媚な瞳、まるで瑠璃硝子みたいな
「ねぇ、今ちょっと良い?」
「はい、なんですか?ごしゅじんさま」
「君の名前、ルリにしようと思うんだ、君の目と同じ綺麗な色の名前なんだけど」
「るり……」
その後も小さな声で「るり」と繰り返すだけで話してもなにも反応を返してくれないけどちょっと笑顔になってるから気に入ってくれたのかな?それならよかった
他のことも考えよう、目下考えるべきは王都だ、司法書士さんがどんな判断下すかわかんないけど、もし犯罪者だったらもう法に従うしか無いから無視していいかな、ルリのことはモカさんに頼もうNOとは言わないと思うし
さて、無罪法目だった場合やるべきことはまず冒険者登録だな、身分証にもなるし、狩猟クエストは無理でも薬草とかの採取クエストは出来るし、それが出来るなら日銭を稼ぐことも出来る
ルリの身分証はどうしようか
叡智さん冒険者登録って何歳からできる?
【基本的な会話ができれば種族・年齢問わず登録はできます】
【ただし、テストに合格しなければ狩猟許可は下りません】
登録するだけなら誰でもできるのか、ありがたい僕たち2人とも身分証の確保ができる
国籍とかってどうなるんだろ
【国籍は産まれた国のものになります】
【ただし、産まれた国がどこかわからない者も多数いるため、冒険者登録さえしていれば国籍や戸籍は必要ない場合が多いです】
戸籍いらないマジ?良いの?それ、いやこっちとしては都合良いけど……
「ごしゅじんさま、ねていいですか」
「あぁ、良いよ、でも寝過ぎたら夜寝れなくなるかもしれないから程々にね」
「はい、わかりました」
どうやらおねむみたいだ、寝る子は育つというし好きなだけ寝かせたい気持ちはあるけど程々にしておかないと後で困るからね
叡智さんあとどれくらいで王都に着く?
【約251キロです】
【時間は、残りおおよそ4日と4時間です】
流石に時間がかかるな……電車が恋しい
***
現在時刻火の2時31分
そろそろお腹も空いてくる時間だけど昼ご飯は何になるんだろう、持ち歩きやすいって意味では干し肉とかかな
「ヨウスケ、ルリを起こしてやれそろそろ昼ご飯にしよう」
「わかりました」
「ルリ、ご飯だよ」と呼びかけながら体を揺すって起こす
「ん〜……ごはん…?」
目をこすりながら起きたルリに水を飲ませつつごはんの準備を始める
とはいえ僕にできることなんてあんまりないけどね
昼ご飯は干し肉と乾パンだった、乾パンは日本と比べるとどうしても品質が落ちちゃうけど、十分美味しい
干し肉は硬かった、今朝食べた干し肉は干し肉じゃなかった
そう思えるほどに硬かった、今朝のと同じ感じで噛み付いたら『ガチ!』って鳴ったからね、唾液で柔らかくしながらちびちび食べてるよ
ルリとモカさんも食べにくそうにしてるから僕が弱いだけじゃないみたいで安心した
干し肉を口に入れながら外の景色を眺める
木、時々空といった感じで視界のほとんどは木の幹で、ほんの少しまだ地球に居るような、そんな気がした
馬車はまだまだ揺れる
***
初日の夜は薄々予想してたけど野宿らしい、馬車内とはいえ少し寒く、温室育ちの日本人的にはちょっと寝にくい
寝にくいだけですぐ寝るだろうけどね、寝床の違いあんま気にならないタイプだし
「ごしゅじんさま、さむいのでくっついていいですか?」
「良いよ、おいで」
「ありがとございます」
腕の中にすっぽりとはまり、まるまって寝る姿は猫みたいでとても可愛い
「ヨウスケ……わかってると思うが公の場では……」
「手を出したこと一度もありませんからね!?」
まだ勘違いされてるし!この世界ではロリコンが通常性癖なのか!?イカンでしょ!
「ごしゅじんさま、うるさい……」
「あ〜ごめんね……全部あそこのお姉ちゃんが悪いからね〜」
「おいヨウスケ!私が悪いとはなんだ!」
「おねえちゃんうるさいです……」
「うっ……すまない……」
時間は水の5時42分
みんなおやすみの時間




