着脱式おっぱいぶん投げスクール大戦争
大戦争ってほどの大戦争じゃない気が……まぁ、いいや。
それは桜舞う穏やかな春の朝の事でした。
学校へと続く通学路。河川敷の砂利道をジャリジャリと進んでいる最中の事でもありました。
春だなぁと桜の花びら舞う様子にほんわかしていたその時です。
「せんぱーい! おらぁ!」
「ぶばぁ!?」
河川敷の通学路で後輩に遭遇。
そして顔面に『何か』を投げつけられました。
後輩が綺麗なフォームで投げつけてきた『柔らかい物体』が僕の顔にビタンと直撃したのです。彼我の距離、およそ五メートル。至近距離です。
下手投げではありません。ガチの投球フォームです。
それは僕の顔面を直撃して空高く跳ね上がったのです。
僕の顔面でバウンドしたなにか。
……おっぱいです。
春の空。麗らかな青い空に桜の花びらとおっぱいが舞ってます。空に舞うのは花びらとぷるるんと震えるおっぱいなのです。桜色が空の青に映えてますねぇ。
おっぱい顔面ストライクで思わず仰け反り、頭が自然とかち上げられた先に見えた光景です。
春だなぁ。
「よしっ! これで先輩は私の彼氏です!」
後輩の高揚する声に、はっと気が付きます。このままではヤバイと。
「なんの!」
膝の震えを拳を打ち付けて解除。膝に来るおっぱいとは、これ如何に。
空からぷるるんと落ちてくるおっぱいをヘッドスライディングで地面に落ちる前にキャッチ。地面の砂利が飛び散りました。
おっぱい顔面直撃で涙が止まりません。制服がどえらい事にもなりました。必要経費です。ぐすん。母ちゃんに怒られるよぉ。
「あー! 何してるんですか先輩! 私の事が好きじゃないんですか!?」
「……いきなりおっぱい投げてくる女の子はちょっと」
そんな世界なんです、ここは。
これは『おっぱいを顔面にぶつけられたら、そのおっぱいの持ち主と付き合わなくてはならない』そんな世界に転生した僕の物語です。
……異世界転生、げに恐るべし。
おっぱいキャッチ後は普通に登校する形になりました。いや、そういう世界なのです。僕も普通に学生です。服を叩いて、いざ出発です。朝から砂まみれの土まみれですねぇ。
……春だなぁ。
「……あの、先輩。そろそろ私のおっぱい返してもらえませんか?」
「やだ」
僕の隣を後輩も歩いています。しれっと歩いてますが、こいつはおっぱい投げてきた後輩です。朝の登校中なので後輩も向かう先は同じです。
「うぅ……私のおっぱいが先輩の手の中で弄ばれてる……はぅぅぅ……」
後輩は照れるを越え、羞恥に悶えていました。僕はどうしたもんかと二秒悩みます。
……目に映るのは川。
「川に投げ捨てていい?」
あの水面にじゃぼんとなー。桜の如く舞うがよい。どんぶらこと海まで流れるかなぁ。
「駄目ですよ! 私のおっぱいなんですよ!?」
なら投げないでよ。とはならないのがこの世界。
今も騒ぎたてる後輩の右胸はペッタンコです。
この世界の女の子は、みんなおっぱいが着脱式になっています。
意味が分かりませんが、そうなっているのです。着脱式という言葉に騙されてはいけません。
おっぱいはおっぱいです。たとえ着脱式でもおっぱいがおっぱいなのは間違いないのです。パッドなんかじゃないんです。おっぱいなんです。
僕の左手のなかでふにふにされてる後輩の右おっぱいは、見た目も触り心地も完全なるおっぱいなのです。
間違いなく後輩の天然物おっぱいです。乳首も付いてるし、血管もうっすらと見えます。匂いも……うん。これ以上は生々しいので控えておきましょう。なんか温いし。
それが手の中にあるのです。おっぱい単品で。
胸に詰め込む偽乳的なアレではありません。イミテーションおっぱいでもありません。ガチの生物おっぱいなのです。ふにふにです。
ここは女の子が自前のおっぱいをぶちん! と引き千切れる。
それが可能な世界なんです。
そして、おっぱいをぶっちんしたあとにぶん投げるのが普通の世界なんです。
恐ろしい世界です。
意味が分かりません。本当に意味が分かりません。どんな進化の過程を辿れば、そんなキテレツな仕組みになるのかダーウィンさんに聞いてみたいです。
この世界の歴史にダーウィンさんは居ませんけどね。
僕は異世界転生したんですけど、異世界というよりパラレルワールドに飛ばされた、そういう風に感じる今日この頃なのです。
ここはおっぱいを引き千切れるパラレル世界だったのです。なんてこったい。
あ、引きちぎったおっぱいは胸に当てると元に戻ります。不思議ですよねー。
もうちょい僕についても説明……別にいいかなぁ。とりあえず世界についての説明です。朝の登校は暇なのです。春なので眠いし。
文句を言いつつも真っ赤なお顔でクネクネしている後輩と連れ立って学校に向かっている僕ですが、特にイケメンと言うわけではありません。
普通の高校生です。
普通の高校生二年生です。
異世界転生しましたが、貞操は逆転してませんし、男女比も狂ってません。スキルも無いし、魔物も出ません。悪役令嬢もいないし、ざまぁが溢れてる訳でもありません。
おっぱいぶちん! だけがこの世界の特異点と言えます。
思春期を越えた女の子は、自分のおっぱいを好きな男の子の顔面にぶつける。それが愛の告白になってるだけの特におかしなところもない世界。
いえ、十分におかしくはあるのですけどね。
それ以外は転生する前の世界とほぼ同じです。女性の地位が男性よりも高いくらいで社会に大きな変化はありません。歴代総理が女性ばかりですが、歴史も大して変わりません。
大きな所では信長よりも濃姫が主役ですが、そのくらいですかねぇ。
僕が転生した時代も前世とあまり変わらない文明レベルってのは違和感バリバリですが、何せ異世界ですので。
これもあってパラレルな世界に落ちたのかなぁと思ったのです。実際はよくわかりませんけど。
まぁそんなことより信長と濃姫ですね。前世では有名な二人だったので今世でも存在してました。
濃姫はおっぱい二刀流で信長を圧倒したと言われてます。馬乗りになって顔面フルボッコです。おっぱいパンチ……時代的に乳拳と呼ばれる特殊な体術を使用したと言われてます。
おっぱいを両手に装備って感じらしいです。おっぱいグローブとも言われますねぇ。
GHQが戦後、この辺の武術を全て禁忌としたので今や伝説のおっぱい武術とされてます。前世のノリで言うと暗殺拳とかそんな感じでしょうか。忍者っぽいけど、おっぱいです。
歴史は大体同じなんですけど所々で少し違う。
この世界は、そんなパラレル世界なのです。
室町、平安の時代から『おっぱいを顔面にぶち当てる』事が愛の告白であり、結婚の申し込みでもあるのです。
きっと平安京では『おじゃぁぁぁ!?』という雅な悲鳴があちこちで聞かれたことでしょう。
ま、昔の事なので本当のところは分かりませんが。
流石にこの常識も今の時代に合わせて変化しています。おっぱい顔面ばちーん! されても即結婚とはならなくなりました。というか昔はそうでした。昔の方が容赦ないです。おっぱい怖い。
おっぱいを顔面に受けた男は必ずそのおっぱいの持ち主と結婚しないといけない。
あら、なら絶対に逃げられないよう、動きを封じて直接おっぱいで殴り付ければよろしいのでは?
それが昔の考え方です。
流石に昔の男性からも泣きが入ったので、二刀流おっぱいパンチでの馬乗りフルボッコは『奥の手』とされたそうです。信長は大号泣です。秀吉も家康も。なんなら聖徳太子もギャン泣きです。
なので今も昔も、おっぱいはぶん投げが基本です。学校にもそういう授業があります。投擲の授業ですね。
学校というか幼稚園から女の子には投擲の授業があります。なので基本的にみんな凄腕のおっぱいシューターです。
そういえば野球に女性リーグがあるのもこの世界の特異点と言えるのかも知れません。興味が無いのでどうでも良いですけど。
今も僕の手には後輩のおっぱいがふにふにとされています。彼女のおっぱいは特に小さなサイズです。片手に収まるコンパクトおっぱい。おっぱいボール……おっぱいハンドボールかな?
しかしこの世界では巨乳が普通です。
両手でも溢れるサイズのメロンおっぱいが主流となります。片乳でそれです。見事なおっぱいです。なので普通はかなり難しい事になるのです。長年鍛えてきた投擲技術を以てしても、メロンサイズのプルプル水風船を投げるのは至難の技。
後輩みたいな貧乳タイプはその点、超有利です。女として勝ち組です。どんな男も狙い放題。ここはそんな世界なのです。
男達は戦々恐々とし、唯一のセーフティー『ぶつかる前か、ワンバンする前におっぱいキャッチで告白を回避』をするため日々鍛練を欠かさないのです。
うん。僕も何を説明しているのか分からなくなってきました。ふにふに。ふにふに。ふにふに。おっぱいふにふに。おっぱいふにふに。
「先輩……あの、流石にそこまで愛されると私も恥ずかしくてですね?」
モジモジしてる後輩が腕を組んできました。当たってます。でも当たっているのは右胸なのでスカスカです。左腕を取られた形になります。スカスカです。
「川に投げますか」
あの川面にボチャンとなー。そろそろ学校が見えてきたのでおっぱいもポイしないと。
わりとどうでも良いことですが……この世界におっぱい星人はいません。むしろ男はおっぱい恐怖症と戦う、そんな世界です。
女性上位という言い方は僕も好きではありません。それでも前世よりはマシな世界。そんな感じがします。狂った男性至上主義もこの世界に存在しますが、前世よりも遥かに平和な世界と言えるでしょう。
レイプなんて存在しませんからね。そこだけはこの世界の良いところだと本気で思ってます。
まぁその分、おっぱいが飛んでくるんですけどね。顔面に。
僕は生前おっぱい星人でした。生まれ変わってもおっぱいが大好きです。この世界では僕のような者は異物となります。わりと変態扱いされます。母ちゃんはすごく喜んでましたけど。
男なら、うなじ。
それがこの世界の嗜好です。ちょっと業が深すぎると思います。
まぁ平和なら良いのです。
男からの告白は、女の子のうなじをハムハムするという業の深すぎる行為ですが……良いのです。平和なら。
「もうっ! なんで先輩はそんなにイケズなんですか! 可愛い後輩がこんなにも分かりやすく告白してるのに!」
腕を組んでるカスカス乳を無視してたらキレてました。若者ですねぇ。ふにふに。
至近距離ですごいことを言ってる後輩ですが、確かに可愛い女の子の部類に入ります。彼女はポニーテールの貧乳です。クラスでもトップクラスの可愛さ……というわけでもありません。
並みです。
この世界の女の子はみんなレベル高いのです。意味が分かりませんがそういう世界なのです。
男は……まぁ……レパートリーが豊かと申しておきましょう。
僕は普通ですね。ええ。普通。普通って素敵。普通こそが至高。イケメンなんて滅んでしまえ。それぐらい普通の顔です。
いわゆる……モブです。
頭脳明晰でもなく運動が得意という訳でもない、極普通のモブその3くらいです。
後輩におっぱいを投げつけられるようなイケメンのダンディーではないのです。
「なんで僕におっぱい投げてきたの?」
普通ならこんな質問をしてはいけません。おっぱいスローは愛の告白。それが常識なのですから。
でも僕と彼女は、ものすごく薄い関係です。出会って二日くらいです。入学式の手伝いをしているとき、トイレ案内をした程度です。
何処に惚れる要素があったのか甚だ疑問です。
僕の腕をしっかりと抱きしめて歩く後輩は一応答えてくれました。
……あ、今気付いたけど、こいつポニーテールでうなじが丸見えだ。ふむ……これも確かに悪くはない。
「先輩のおっぱいキャッチは見事ですからね。落としにくい男を落としたいと思うのは女の子の性ですから」
……後輩のうなじに見とれてたら真顔で言われました。
スカスカおっぱいの癖になんたる事でしょう。
おっぱいスローは気軽に出来るものではありません。この世界には離婚という制度がありません。死別ならありますけど、一度おっぱい結婚すると、その二人は死ぬまで夫婦になるのです。
おっぱいアタックは決して軽い気持ちで行われない決死の行為でもあるのです。それは子供でも同じ。
『断られたら相手を殺すか、自害する』
それがおっぱい告白の常識です。この為に男は必死でおっぱいキャッチの腕を磨くのです。告白自体を回避するために。まぁ男性側の勝率はかなり低めですが。
なので後輩もふざけておっぱいを僕の顔面に投げつけてきたわけでは無いのです。本当に添い遂げたいと思う人にしか女の子はおっぱいを投げません。
……そのはずなんですがね。
「僕の事が好きじゃないの?」
「ん~……どうでしょうか?」
後輩のポニーが揺れます。すごくいい匂いがします。シャンプーの匂いでしょうか。果物っぽい感じですごく興奮しますが胸はスカスカです。
最近の若い女の子は軽い気持ちでおっぱいをぶん投げるのがトレンドになっています。
僕も入学式で新入生からおっぱいアタックを二十回もされました。トイレ案内なのにおっぱいアタックです。新入生の女の子達が巨乳をぶちん! して投げ付けてきたのです。
胸が大きいと服を脱ぐのが大変なんですよね。眼福でした。そしてぽよんぽよんでした。幸せをありがとう。この世界……基本的にノーブラです。本当にありがとう。
僕に巨乳おっぱいを投げてきた新入生の女の子はみんな『一目惚れ』だったそうです。モブをからかうのもいい加減にして欲しいですよね。ありがとう。
勿論飛んできた巨乳おっぱいは全部キャッチさせてもらいました。それはもうぽよんぽよんを堪能しましたとも。僕はおっぱい星人なのですから。感謝しかありません。
キャッチした巨乳おっぱいはこれでもかと堪能した後、丁重に持ち主へとお返ししました。幸せをありがとう、そう感謝も伝えて。
この『おっぱい返し』に深い意味はありません。拒絶でもなく肯定でもない。ただおっぱいを返却するだけの行為です。
……まぁおっぱいを堪能している時点で女の子は真っ赤になるのが通例ではあるのですが。
だっておっぱいなんだもん!
巨乳おっぱいボールが手の中にあったら堪能するよね!
これでもかと堪能し尽くさずには居られないよね!
それこそ表現出来ないレベルでね!
だって僕はおっぱいが大好きなんだから!
まぁやり過ぎたことは認めましょう。泣いてる新入生もいましたし。たとえ感覚が無くても自分のおっぱいです。よく知らない男に隅から隅まで堪能されて泣いてしまうのも仕方ないことなのです。
あとでちゃんと胸にくっつくとはいえ、男のあれやこれやが付着したテッカテカのおっぱいですからね。
……あれ? なんか僕が変態で極悪人な感じですか?
あれー?
「先輩って変態ですよね。普通の男ならおっぱいを見るのも嫌がるのに」
ここで後輩から内臓を抉るような内角ストレートが飛んできました。
ぐふっ。なんかすごいダメージでふ。
そういえばガン見してた気がします。新入生のおっぱいを。トイレ案内しながら。
……だって見るよね?
女の子がみんな巨乳なんだもん。僕はおっぱい星人だから自然な成り行きだし。
そこにおっぱいがあるのなら……拝まずにはいられない。それがおっぱい星人の掟ですし。いや、むしろ生態かな。
この世界の女子高生は歩くだけでぽよんぽよんです。何なら中学生でもぽよんぽよんです。後輩が貧乳なだけで普通の女の子は巨乳なのです。
人類、皆おっぱい。あ、いや、人類、皆大体巨乳ですね。
視線がおっぱいに釘付けになるのは当たり前です。おっぱいも見事なのですが、みんな可愛いのもポイント高し。入学式の手伝いなんてめんどいなーと思っていたのが、一転してパラダイスだったのです。
くじ引きに負けてよかったー。
普通に可愛いポニー貧乳後輩よりも圧倒的美少女がぽよんぽよんですよ?
そこはガン見するのが礼儀ってもんだと思うんです。
でもこの世界の常識では『おっぱいガン見』は男からの最上級求愛行為に該当してしまうのです。
うなじよりも上らしいです。業が深すぎる。深いよぉ。うなじも悪くないのに。
「先輩ってホモなんですか?」
「いきなり何を言い出すのかなぁ!?」
辺りにはちらほらと他の生徒もいる通学路。もう学校はすぐそこです。そんな所で後輩がとんでもない発言をしやがりました。
登校中の生徒みんながギョッとしてます。特に男子生徒が。おいまておまいら。なんで尻を押さえてる。
「だって……おっぱい投げてきた子をみんな拒絶してるじゃないですか。既に一年生の間では『先輩ホモ説』が完全に広まってますよ?」
「まだ入学式から二日しか経ってないのに!?」
僕の嘆きはマクシマム。なんという事でしょう。一年生の女の子全てが僕をホモ扱いだなんて……。
「まぁそれで平和なら別にいいや」
僕としてはそれもまた良しなのです。いや、僕はホモじゃないよ?
二年生になった僕にはこれから大変な日々が待ち受けているのです。具体的に言うと可愛いクラスメートからのおっぱい攻撃です。いやぁ、大変だなぁ。楽しみで仕方ありませんねぇ。ぐふふ。教室にぽよんぽよんのおっぱいが飛び交うんでしょう。
ぐふふ。
「……え、先輩ってガチのホモなの?」
「飛んでけおっぱい!」
「あーっ!?」
後輩の手乗りおっぱいが春の青い空に飛んでいきます。
後輩も僕の腕を離して自分のおっぱいを追いかけて行きました。空に舞うおっぱいっていいよね。
ここでおっぱいキャッチの作法について少し説明しておこう。
投げ付けられたおっぱいをキャッチして本人に手渡しで返す行為。これを『おっぱい返し』と言います。
特に意味はありません。告白を拒絶するわけでもなく、肯定するわけでもない。
あえて言うなら『次、頑張りやー』という感じでしょうか。
おっぱいを手渡しで返されると女の子はすごく喜びますけどね。
おっぱいスローのキャッチを成功した時点で、投げ付けられたおっぱいをふにふにしようがチョメチョメしようが、それは男の自由となります。
ぶちん! したあとのおっぱいは無敵です。傷を付けることは不可能となります。ぶちん! してる時点で怖すぎますが、血は出ません。胸から引きちぎられたおっぱいは、無重力下の水滴のように、それは綺麗に丸まるのです。
本当に不思議ですよねー。まん丸で無敵おっぱいですよ。おっぱい二刀流で顔面を殴れるのはこの為です。銃弾もぽよんと受け止めるそうです。
あ、このおっぱい無敵特性は、あくまで、ぶちん! した後に限られます。
他人のおっぱいで作った最強おっぱいアーマーとかもこの世界には存在しないのであしからず。目的が違うとそもそもぶちん! 出来ないんだってさ。それも不思議だよねー。
ま、それはそれとして。
無敵おっぱいなのでキャッチされたおっぱいが多少酷い扱いを受けても女の子は気にしません。自分で投げてる時点で気にしてるはずがありませんからね。ぶちん! するときすごく痛そうに見えますが全く痛くないそうですし。うーむ。謎です。
まぁそれも女の子の秘密ということで。
普通の男ならキャッチしたおっぱいは、すぐに捨てるそうです。
おっぱいを地面にポイです。
なんたる行いか!
神聖なるおっぱいをそのように扱うなど言語道断!
という意識が全く無いのがこの世界。なにせ男は、ほとんどおっぱい恐怖症ですし。
なので、おっぱいスローのキャッチに成功したら『おっぱいを自由に捨てていい』そんな権利があるとされてます。所有権の放棄みたいなものかなぁ。僕は堪能してから返しますけどね。
あ、今更ですが、ぶちん! されたおっぱいは、本人からあまりにも離れた場合、勝手に消滅して胸に戻ります。ファンタジーですよねー。
で、おっぱいポイの話に戻りますが、この場合『おっぱい返し』にはなりません。『おっぱい拒否』になるのです。男からの明確な拒否ですね。これをされたら女の子は引き下がるしかありません。
まぁ滅多に起きない現象ではありますが。
一学年に一人。一年に一回起きるか起きないか、そんなレベルです。男性は基本的に弱いんです。この世界。
まぁ、僕はそんな暴挙しませんけどね。もっと酷いことをしています。ええ、血涙を流しながら。
後輩のように『ノリ』でおっぱいを投げてくる女の子のおっぱいは、僕も心を鬼にして遠投するようにしています。
巨乳おっぱいだと両手でスローインおっぱいですね。
ぶちん! されたおっぱいが本人からあまりにも離れた場合、消滅して胸に戻ると先ほど説明しましたが、これを男性が意図的に起こした場合『おっぱい大拒絶』となります。
てめぇなんざ消えちまえ! 二度と目の前に現れるな!
そんな意味となります。
そしてこれは女の恥となります。他の女の子もこれをされた女の子には距離を取ります。
『うわー。あの子、おっぱい大拒絶されてるー』
そんな風に陰口叩かれます。
おっぱい大拒絶をされた女の子は『男をぶちギレさせた愚か者』というレッテルを貼られてしまうのです。
普通におっぱいスローをする限り、男もそんなことは致しません。おっぱい恐怖症でも、そこまでのぶちギレは滅多に無いのです。
僕が特別おかしい訳でもありませんよ? だって僕はおっぱい星人なのですから。たとえふざけて行われたおっぱいスローでも『おっぱいはおっぱい』です。
でもですねー。おっぱい星人でも怖いものはあるのですよ。
不正が行われた『おっぱいスロー』には断固とした姿勢を取らねばならぬのです。
『断られたら自害するか、相手を殺す』
それがおっぱい告白です。そこまでの覚悟を決めて女の子はおっぱいをぶちん! して男の顔面にぶち当てるのです。
現代では『ちょっと付き合って反りが合わなかったらすぐに別れて他の男におっぱいアタック!』なんて軽いノリの女の子も現れてます。
勿論警察に捕まってどえらい事になります。
場合によっては本当に自害させられてしまうのです。
腹切りです。
後輩も多分腹切りさせられる案件です。ガチで腹切りです。最近の若者は怖いもの知らずでこっちが怖くなります。
ここで『おっぱい大拒絶』の出番になるのです。
男から『おっぱい大拒絶』をされると女として社会的に死にますが、多くの場合、温情裁判になるのですよ。
腹切りまでは行かずに『奉仕活動三ヶ月』とかその辺で落ち着きます。
ここはそんな世界なのです。
「ぎぃゃぁぁぁぁぁぁ! 私のおっぱいがぁぁぁぁぁ!」
……後輩の悲鳴が桜と共に舞い散りましたね。
既にここは校門です。人の目が沢山ある場所で『おっぱい大拒絶』が成りました。本体から30メートルも離れれば、おっぱいは夢幻のように消えてしまいます。そして持ち主の胸が一気に膨らみ……後輩だとささやかに膨らむのでしょう。
彼女は社会的に死に、そして生き残るのです。
僕はおっぱい星人ですが『おっぱいは人である』と思っています。おっぱい単品に意味はない。持ち主である女の子の性格や人柄も加味しての『おっぱい』なのだと僕は強く思います。
おっぱい星人だけど、貧乳の女の子も大好きですし。貧乳だっておっぱいですからね。あれも立派なおっぱいなのです。大きいからおっぱいではないのです。
そう。おっぱいは、おっぱいだからおっぱいなのです。
いやぁ、今日も朝から善いおっぱいしましたねぇ。
……校門はすごい騒ぎになってますが。後輩が道の真ん中で座り込み燃え尽きてます。真っ白ですねぇ。通行の邪魔ですが、まぁいいや。
自害させられるよりは平和です。平和。
さて、僕は僕で教室に向かいましょう。今日からウキウキワクワク高校二年生の春が始まるので……
「てぇりゃぁぁぁぁぁ!」
「ばぶん!?」
いきなり顔面を殴られました。後輩を無視して校門を通った瞬間に門の影から闇討ちです。僕の顔面が……『ぷにょん』です。白くて温かくてふかふかしててモチモチしている大きなボールのようなもので……殴られました。というか今も顔に押し付けられたままです。温水を入れた水枕みたいですー。しあわせー。
「うちと付き合って!」
「……乳拳は反則では(もがもが)?」
僕の顔面に押し付けられているもの……多分『お』で始まり、『い』で終わるものですね。目の前が乳白色で良い匂いです。後輩のおっぱいは……実は汗臭かったのです。女の子として減点ですよねぇ。
「うちはこれでも尽くす女や」
「もがもが」
ここで更に説明をしておこう。乳拳の対処法だ。ここはおっぱいスローで告白する不思議な世界。そして乳拳とはおっぱいでぶん殴る告白である。
なんか真面目な口調になっているのには訳があります。ええ、しあわせー。
乳拳は禁断の告白とされてます。というか、実はおっぱい告白にカウントされないのです。しあわせー。
「これがうちのおっぱい……ど、どうかな?」
最高です。
ばたり。
「きゃー! 乳拳で窒息死よー!」
「だから禁止されてるのに……」
「あの先輩……ホモなのに死に様は漢らしいね。笑ってるわ」
ホモじゃない。でもおっぱい星人としては最高の死にかただよね。
メロンサイズのおっぱいを顔面に押し付けられたら大概の男は死ぬ。物理的に死ぬ。窒息して死ぬ。
校門の前は大騒ぎ。僕もこんな死にかたをするとは思ってなかったよ。でも……最高の人生だった。
おっぱいを……ありがとう。
…………はっ!
「あ、起きた?」
「……ん? ここは?」
目が覚めたら知らない天井が見えていました。まるで学校の天井みたいな変な模様付きのボードが張られた天井です。
「先輩大丈夫ですか? なんか校門で倒れてたのをとりあえず保健室まで運んだんですけど」
後輩……さっきおっぱい大拒絶をした後輩が心配そうに僕を見ています。
どうやら僕は……あれ? なんで後輩は僕に背を向けるのかな?
「さて、起きたんなら……どりゃぁぁぁ!」
「ぬぅぉぉぉぉぉ!?」
ベットに横たわる僕の顔に尻が降ってきた。後輩の尻だ。スカートを翻してパンツ丸見えの尻だ。しかもジャンピングしての尻だ。
ズギョン!
「ちっ! 避けられたか!」
ついさっきまで僕の頭があった枕の上に後輩が座っています。ベットが変な音を立てたけどそれは無視みたいですねぇ。床に転げ落ちた僕は少し混乱です。いや、大混乱だよ?
「なんで避けるんですか」
「……避けないと死ぬよね?」
さも当然のように後輩は聞いてきた。床に転がってる僕にね。おっぱい大拒絶への復讐にしても尻はないだろう。僕はおっぱい星人。おっぱい星人だけどお尻が嫌いな訳じゃない。むしろ好きだ。でも尻スタンプは多分死ぬ。ジャンピング尻スタンプはレベルが高すぎると思うんだ。ほら、僕はおっぱい星人だしね。お尻星人なら大丈夫かもしれないけど。
「ちっ……手強い。流石入学式で二十人尻抜きをしただけはありますね」
「……」
後輩の目がギラリと光った。なんだろう、二十人シリヌキって。
僕は入学式で二十人、新入生のおっぱい返しをしたけど、シリヌキはしてないなぁ。
というかシリヌキってなんだ?
「先生が来る前に……おりゃぁぁぁぁぁ!」
「ぬぅぁぁぁ!?」
後輩の尻が飛んできた。何故か知らんがロケットのように本体ごと飛んできた。おっぱいスローで鍛えてきた体が反射的に『これやべぇ!』と回避行動をとらせる。
なんで尻が飛んでくるのか、全く意味が分からないが体はキチンと動いてくれた。
なんで尻が?
「ぬぅごぉぉぉぉ!?」
大クラッシュ。尻から飛んでった後輩は保健室のドアにぶち当たり、そのまま轟音をたてながら廊下へと消えていった。
「……まさか」
僕は嫌な予感に襲われた。保健室の壁をすぐさまチェック。そこにはお知らせが沢山張られていた。
『告白に成功したら必ず病院に連れていって検査しましょう。男の子の死因ナンバーワンは脳挫傷です』
……ふむふむ。窒息ではないのか。ふむふむ。
『お尻はいつも清潔に! 運命の人と出会うのはいつも突然! 勝負下着も忘れずにね!』
……尻? そこは乳では?
『ノーパンはマナー違反です。節度を守ったお尻告白に努めましょう』
……なんじゃこりやぁぁぁぁぁぁぁぁ!
僕は変な世界に迷いこんでしまったようだ。
ここはどうやら『ヒップアタックを顔面に食らったらその相手と結婚しないといけない世界』らしい。
僕はおっぱい世界でおっぱい窒息し、男性の致死率が非常に高いお尻世界に異世界トリップしてしまったようなのだ。
……おっぱい世界に戻してぇぇぇぇぇ!
僕はおっぱいが大好きなんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!
と、嘆いていたが、無情にも僕の生活は進んでいく。だって僕は普通の高校生ですし?
それに保健室の先生も「今どき尻告白は、ねぇな」と、がははは笑っておられた。
そして笑いながら尻から飛んできた。もちろん避けたよ。
異世界、げに恐るべし。
もしかしたら……もしかしたらだけど、誰かのお尻で死ねば僕は、あのおっぱい世界に戻れるのかもしれない。はたまた更なる変態世界へと飛ばされるのかも。
でもね、僕はおっぱい星人なんだ。おっぱい星人にはおっぱい星人の誇りと信念があるんだ。
おっぱいで死ぬ。
それならなんの悔いもない。でもお尻で死ぬのはなぁ。
「ちょいさぁぁぁぁぁ!」
「よいしょ」
今日も通学路に桜の花が舞う。そして尻も飛んでくる。おっぱいよりも遥かに質量が大きいので、そりゃ男も死ぬよね、そんなお尻が沢山飛んでくる。
避けるのは簡単。おっぱいに比べれば。でも避けたあとの『避けられた!?』みたいな顔してどこまでも飛んでいく女の子の顔は、いつまで経っても見慣れないね。
ここは『尻ミサイル』が飛び交う世界。本体付属だから『おっぱいぶん投げ世界』よりは、まとも世界なのかな。
異世界、げに恐るべし。
僕、この世界で幸せになれるのかなぁ。ぐすん。
この物語はフィクションです。それにしても……すげぇ世界観だ。