第三章 4 『ノース本体』
「結構いるな。」
塊に隠れて様子を見てみると、小人たちが同じ場所に留まっている。
よく見ると小人が1体取り囲まれている。
「どんな状況か知らないけど、今は足踏みしてる場合じゃない!飛んでけ!」
魔導の杖で風の矢を飛ばす。しかし、後ろを向いていた小人にすら避けられてしまった。
当たらないように連携を取ってバラバラに動いているようにもみえる。
「つくづく俺の力って弱すぎるな。」
いくら矢を飛ばしても当たらず、動きを見るために一度攻撃を止めた。
近づいてきたならギリギリ当てられるかもと思ったが、想像と違う動きをみせる。
小人たちは1体を残して逃げていってしまった。
「ピッ!ピッ!」
他の小人たちが逃げた方に少し進み、ちらっとロキを見た。
「ついてこい、なんてことあるのか?」
半信半疑のまま追いかけていくと、博士の研究室の前にさっきの小人たちがいた。
その小人たちが集まり始め、茶色く光りだしだんだん大きくなっていく。
「はぁっ!?まさかこれが本体なのか?」
小人たちが合体して3mくらいの小人・・・ノース本体?になり、扉を殴り壊して中に入っていく。
そのまま中へ進んだノースが博士を左手に乗せ、右手で部屋の壁を壊した。
「博士は気絶してるのか?とにかくこれはマズい。」
ロキは魔石を昇華させてゴーレムハンマーに変化させる。
「どっ、せい!!」
足を狙って勢いよく横に振り回したが、ノースはタイミングよく上から腕を振り下ろして、ハンマーの本体を砕いた。
「そんなのあり!?」
そのまま後ろに下がったロキに向かって、塊が連続で発生する。
「ぐっ!!がっ!は.....ぁ......ぁ......。」
突き刺さるのは免れたものの、天井に勢いよく飛ばされて地面に落ち、全身を打撲し、吐血する。
思わぬ痛みの連続に胸が苦しくなる。
痛みで動きが止まったロキを無視して、ノースは外に飛び出していった。
「お兄ちゃん!?」
「弟くん!?」
ベルとヒナタが駆け寄ってくる。
「うっ......ぁ......。」
「どうしよう!?どうしようっ!!」
『ベル、ヒーリング草を知っているなら、その効果をイメージするといい。』
「ヒーリング草?ヒーリング草!!」
ベルが泣きながらにパルが伝えた言葉を復唱する。ロキに手を向けて集中する。ヒーリング草で作られているヒール薬、その回復した時を思い出しながらマナを変換させていく。
「ヒール!!」
ロキを光が包み、痛みも苦しさも消えていく。
「痛く、ない!!・・・強くて回復も出来るとか反則じゃない?」
「よかった!!」
「うっ・・・。回復はありがとうだけど、抱きつく勢いが強すぎる!!」
ベルを引きはがし、魔法を使ってもベルが元気なままな事に気づく。
どうやらマナ不足の心配もなくなったとみてよさそうだ。
「よし!みんなが来たなら第二回戦だ!!」




