第三章 2 『よける!かわす!』
「なんだ!?」
すねくらいの高さの小人が学園の入口の方から何体も走ってくる。
確認できる距離になり、よく見ると、全身が液体のような質感で人とは違う。
「これがノース?いや、多すぎないか!?」
「ピッ!ピッ!ピッ!!」
「おいおい!?」
小人がジャンプして突進してきた。急いで横によけた先で、床に倒れた小人が目の前で塊に変わっていく。小さい見た目から一転して、天井近くまで伸びていった。
残りの小人がじっとロキを見つめている。
「そんな見つめられると照れちゃうな!なんて・・・。」
「ピッ!!ピッ!!」
「違うよね!知ってた!」
周囲のマナが減っている状況で、魔導の杖を使って魔石を消費するのはマズいと思い、ロキはヴィザルの部屋を目指して逃げる。
「おっ!わっ!よっ!」
足は遅い方じゃないはずにも関わらず、すぐに追いつかれてしまう。何体も突進してきたが何とかかわし、倒れた小人は塊に変わっていく。
右への曲がり角を曲がる直前、内側を攻めてきた小人を後ろにジャンプしてよけたが、すぐに次が2体同時にジャンプして突っ込んでくる。
それをしゃがんで回避したが、
「なぁぁぁっ!!」
小人が奥の壁を蹴ってロキに迫ってきた。左手を床につけていたおかげで、すぐに床を変質させて壁を出現させる。
「ハァッ。ハァッ。いまのは、あぶなかった・・・。」
後ろから来ていた小人は全ていなくなり、先に進む道が自分で出した壁と塊でせまくなっている。顔を上げて進もうとしたが、その方向からも1体だけ近づいてきていた。
「っ!?水球!」
油断していたことと、体力を消費していたことで、思わず杖を使ってしまう。
間一髪、目の前で塊になったが、進む道が塊で埋まってしまった。
「触れても、変わらない。」
変質の力でバラバラにしようとしたが変化しない。一旦呼吸を整える為に深呼吸をしながら次の手を考える。床を壊してしまったし、いっそ壁を壊してしまえばいいかと考えた時、目の前の塊がバラバラに崩れた。
「ハハッ!その驚いた顔、おぬしはまぬけそうな表情が似合うの。」
「いきなり毒舌すぎるだろ!」
赤髪で自分より少し身長が低い学園の制服を着た女性が立っていた。
「実は小人を取り逃がしてな。追ってきたらおぬしがいたんじゃが、もうちょいうまく立ち回れんのか?」
「それについてはあとで反省しておくよ。一人で追ってきたのか?」
「この程度一人で十分じゃろ。」
自信満々な表情だが、確かにヴィザルの作った武器もなしに壊してバラバラだ。
「そうみたいだな。悪いが今は先を急ぐ!塊を壊してくれてありがとな!」
話を早々に切り上げて先へ進み、2B研究室にたどり着いた。
「ヴィザル!無事か!」
「ロキ!帰ってきたのか!」
イスに座って休んでいるヴィザルがいた。
部屋は特に荒れている様子もなく無事なようだ。
二人はこれまでのことを話し、対応策を考え始めた。




