第二章 7 『謁見』
「こちらをどうぞ!」
「あ、ありがとうございます。」
ギルド受付のお姉さんにヒール薬をもらった。ヒーリング草から作る、草なのに果物系の自然な甘みがするピンク色の飲む回復薬だ。
「すまなかったね。君たちがどういう行動を取るか確認させてもらったよ。」
「容赦がなさすぎてビックリですよ・・・。それで結果の方は?」
「先に一つ確認したいんだが、ベル君が持っているその魔剣、君はどうやってそれを手に入れた?」
「この魔剣はお兄ちゃんが研究を頑張った報酬に、プラヴァック学園長からもらったものだけど。」
冷静さを取り戻したベルが、不機嫌そうな顔で返答した。ギルドマスターとの実力差がよほど悔しかったのだろう。宿に戻ったら装備と戦略について作戦会議をしよう。
「なるほど。それならば私も君たちを認めよう。その魔剣は、この魔剣も含めて私たちの師匠が作ったものだ。柄にネズミのマークがあるだろう?それを見て、君たちが何者か気になって声をかけたんだ。」
「そんな思い出深い剣を報酬にもらってしまった!?ってあれ?」
私たちの師匠って事は、昔からの知り合い?まさか・・・?
「学園長から王様宛てに紹介状があるんですが。」
ロキは恐る恐る紹介状を取り出した。推測通りなら・・・。
「あぁ。読ませてもらおう。私がギルドマスター兼この国の王だからね。」
「や、やっぱり!?」
「ここにいる人たちで知らないのは君たちだけさ。」
レオナルドは今まで見せなかった笑顔をロキたちに見せた。
ギルドの受付の奥、扉の先は予想通りの立派な内装に変わった。
客間に案内され、研究内容について詳細を伝えた。
「事情はわかった。遅かれ早かれ誰かが気付くもの、とはわかっているが、なかなかに危険な研究だな。」
「それは・・・。」
「責めるつもりはない。先も言ったが、誰かが気付くものだ。君は正しく研究を続けて欲しい。」
「はい。ありがとうございます。」
王様も学園の先生も、研究内容については、誰もが初めて聞く反応をしている。
かつて自分を誘拐して実験したのが組織的なものだったとしたら。誰にも知られずに実験を続けているとしたら、その先で何が出来るのか、そんな不安な気持ちが誰を信じていいかわからなくなる。
研究している自分も同罪感は否めないが、自分の事を知る為だと、ロキは自分の研究を肯定した。
ギルドの受付に戻り、ギルドカードの発行手続きをした。
登録システムに手形を乗せると、小さい手形の板が作成される。それを今までに登録していないか機械でチェックするようで、時間がかかるようで、翌日また来ることになった。馬の休息日で1日滞在予定だったので、ちょうどよかった。むしろここまでが学園長の目論見な気がする。
ギルドカードは、身分証になり、依頼を達成した時に報酬をもらえるようになる。もしも騎士に捕まるような事をしたり、悪評が広まったりした場合、ギルドカードは没収される。どこかに隠してから捕まったとしても、ギルド側でブラックリストとして記載する為、報酬や再登録出来ないようにしているらしい。
「お兄ちゃん、明日どうしよっか?」
「ん~、ヒーリング草の採取しながら街の周辺でも散策しようか。」
「いいね!ついでに魔物が出てくれればいいなぁ!」
「それはなるべく出ない方がいいな!いや、今回は何か素材は欲しいかも。」
魔導防具を作るにも良い素材が欲しい。明日魔物の出現情報がないか聞いてみよう。




