07 頑固
なんだかラジカリモさんに気に入られたようで、
お茶をご馳走になっております。
うめぇ!
「不味い茶を飲むくらいなら、泥水すすったほうがマシじゃろ」
ひとつの道を極めた人は、他の道でもスゴ腕となり得るのですね。
ご本人が興味を持つことが大前提ですが。
霊刃天の鍛冶工房は、すでに無いそうです。
親方さんの死後、工房を継げるリーダーシップのある人はいませんでした。
各地に散ったお弟子さんたちは、ラジカリモさん的には凡庸。
親方さんの意思を継いだ人はいない、と。
「アレの娘がゲトヌフに住んどる」
「なんか知っとるかもしれん」
ゲトヌフの村は、ジオーネの街とアネスの町の間にある小さな村。
次の、いや、最後の目的地、かな。
ありがとうございました、ラジカリモさん。
お礼がしたいのですが、なにかお探しのモノとかありますか。
「東方の刀が見たい」
「最近のエルサニア物は、付与だのなんだのに頼りすぎて駄目だ」
えーと、心当たりはありますけど、
お見せできるかどうかはご本人次第となります。
「待っとるよ」
「老い先短いから、死んだら化けて呪うぞ」
勘弁してくださいよぅ……
シナギさんに、『ぶなしめじ』は見せものじゃない、って怒られちゃうかも。
そもそも"首切り"っていうけんちゃんの付与ががっつり掛かってるし、
ラジカリモさんの好みじゃないんじゃないかな。
まあ、要相談、ですよね。
それでは、おじゃましました。
お元気で。
……
「凄いおじいさん」
そうだね、サイノ。
生涯ひとつの道を極め続けるって、凄いことだよ。
『怖くて顔を出せなかったのであります』
ゾディはポケットの中に入りっぱなしだったね。
この旅に区切りがついたら、ちゃんとお礼に行かなきゃ。
なんだか、これからもお世話になりそう。
それじゃ、ゲトヌフの村へ、出発。
『転送』を使わないで、夕方前に着くくらいのペースで、OK?
『OK!』




