05 推理
朝、軽く朝食をとったら、お墓巡りに出発。
正確には、お墓が無事かを確認する旅、ですね。
エルサニア王都に保管されていた情報から"シュレディーケ"さんたちが暮らしていた場所へ行って、最寄りのギルドで聞き込み。
ご家族やご子孫の方に会えるのは稀、お墓にたどり着けるのはもっと稀。
それでもがんばって探してみましたが、結局全て空振り。
最後に寄ったヴェルクリの街で夕飯を買ってきて、今日も野営の準備完了。
「ごめんなさい、みんな」
サイノが謝ることじゃないよ。
でも、手詰まりになっちゃったねえ。
『今こそ、名探偵サイリの出番なのでありますっ』
そうだね、手がかりが無いなら、がんばって捻り出さなきゃ。
まず、『乙女の守り樹』について。
『乙女の守り樹』:聖なる森を治める王女様が、侵略者の蛮族の王を聖樹の枝で突き刺して自らの手で純潔を守りぬいたという古来より伝わる伝説
尖らせた枝を赤子に握らせていた風習は、今は産まれた娘に短刀を贈るという形で残っている
この世界ではポピュラーな風習だけど、持っている人は意外と少ない。
伝統を守るお堅い家、裕福な家庭、子供にしっかと愛情を注ぐ家族。
つまり『乙女の守り樹』を贈られるのは、それなりにしっかりした家の生まれの証し。
王族や貴族ならオーダーメイドの一点物、普通の庶民は数打ち。
あの『霊刃天』という短刀、
銘があるということは、一点物。
つまりは、良いとこの生まれ。
それなのにデータベースに登録されていなかったということは、
エルサニアやその同盟国では無いか、
もしくは出自を隠したいワケありってことかも。
ふむ、名探偵サイリ、なんだか燃えてきましたよっ。
秘密を解き明かしたくなるこの気持ち、
これこそがまさに、名探偵の証し!
「これからどうするの?」
刀鍛冶に詳しい人に、あの短刀を見てもらおうかな。
もし打った人が分かれば、そこから手がかりが見つかるかも。
『では、早寝早起きで明日も頑張るのでありますっ』
ふたりとも、もう着替えてるし……




