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03 帰り道


 今日も一日、お仕事お疲れさまでした、僕。


 お仕事以外のアレコレで疲れちゃったのは、自業自得なのでしょうか……



 帰り道、カミス邸の『ゲートルーム』目指して、王都商店街をとぼとぼと歩いております。


 夕方、道ゆく人々は楽しそうにお買い物。


 魔導具の灯りに照らされた商店街、最近は深夜営業のお店もあるのです。



 はて、サイノが足を止めて何やら見入っております。


 露店、ですね。


 地面に広げられたくたびれたカーペットの上には、


 種々雑多なアイテムが並べられております。



 刃が欠けた剣、使い込まれた杖、くたびれたローブ、


 冒険者用品の中古ショップ、ってな感じでしょうか。



 サイノがじっと見つめているのは……


 短刀、ですね。


 それが欲しいのかな、サイノ。



「おいくら?」



 やる気なさげなおじさんと値段交渉していたサイノ、


 どうやら交渉成立、手に入れた模様。


 自身の『収納』に短刀を入れて、スタスタ歩き出しましたよ。



「後で説明」



 ふむ、なにやらイベントの予感。



 ……



 夕食後の団らんの時間、


 サイノが突然おねだりしてきました。



「これ、調べに行きたい」



 手には、あの短刀。


 わけを聞いてみましょうか。



 ……



 露店の前を通りがかったサイノ、


 呼ばれたそうですよ、あの短刀に。


 ってことは、つくも神?



「いいえ、『分析』結果は通常アイテム」

「呼ばれた理由が不明なのが、嫌」


 ふむ、サイノの『分析』は、僕の『鑑定』の上位互換。


 確かに、それで分からないのはモニョるよね。


 ちょっと見せて。



『霊刃天』


 ……名前しか分からないし、付与や呪いは無し。


 サイノの『分析』で分かることは?



「シュレディーケという人の『乙女の守り樹』」

「それだけ」


 名前だけ……


 えーと、アリシエラさんのデータベース『マジ』システムには、エルサニア王国とその同盟国の、記録が残っている限りの登録国民のデータも入ってたはず。


『Gふなずし』で検索っと。



 ……何件かヒットしたけど、全部回ってみようか。



「いいの?」


 うん、明日出勤したら理由を話して、ちゃんとお休みをもらえたら、しばらくこれに専念しようね。



「ありがと、サイリ」


 どういたしまして。



 ……



『乙女の守り樹』は、守り刀。


 生まれた娘さんの安全を願った親御さんが用意してくれて、


 普通は、亡くなった際に本人といっしょに埋葬される。


 ご家族、お孫さんとかが受け継ぐこともあるそうだけど……



 今ここにあるってことは、盗難か、盗掘か、


 それとも……



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