16 あの後
目が覚めたのはモノカ邸にあるクロ先生の入院個室。
4日前から、ずっと目覚めなかったとのこと。
血を止めるのを忘れていたせいで、
貧血っぽくなってブッ倒れた、らしい、です。
えーと、おっさんに勝てたうれしさ以外は、ほとんど覚えていないのですよ。
「これ以上目覚めなかったら、直腸投与で『エリクサー改』、だったよ」
「しつこいようだが、あの薬は被験者がその人生で最も生命力に溢れている状態に変貌させる効果がある」
「サイリ君がどんなイケメンになっちゃうのかを知りたいのは、私だけでは無いと思うのだが」
ツッコミどころが3つほどありますよ、クロ先生。
おケツは勘弁、
被験者じゃなくて患者、
それに僕は、今よりイケメンになりたくありませんよ。
「うん、それだけやんちゃなツッコミが出来るようなら、完治、だね」
「では、モノカ邸で待ち構えているみんなからの快気祝いの大ハグ祭り、再リベンジってことで」
勘弁してくださいよぅ。
もちろん、大ハグ祭りは本人都合により三たび中止となりましたが、
病室を訪れてくれたお見舞いの皆さん、次から次のご挨拶。
恐縮するあまり、めっちゃ神経がすり減りましたが、
最後のプリナさんのハグで、全快満開。
さすがはプリナさん、文句の付けようの無い女神っぷり。
「……心配、しました」
心配かけてごめんなさい、です。
出来れば、あの後どうなったのかを、プリナさんから聞きたいです。
「……」
プリナさんが、神妙なお顔で、話してくれました。
……
集落を占拠していた敵勢力は完全壊滅。
今回はみんな気合が入りすぎていてアレでしたが、いちおう不殺だったそうです。
もちろん人質は全員無事に解放。
シュレディーケさんも無事でしたが、
僕に直接お礼が言いたいと、今も我が家で退院するのを待っていてくれているとのこと。
えーと、なんだかイベント継続中の気配が……
実はあの乱戦中に、連中の増援部隊が来ていたそうなのですが、
ロイさんたちサポート班が処理していてくれていたそうです。
今回は本当に総力戦だったのですね。
そして、捕まえた連中への深層自白剤で、
巡回司法官本部内の内通者や、王都警備関係者内の協力者も、一掃。
ところが、実はそれ以上にヤバい情報が多数自白されちゃって、
エルサニアと同盟国以外の各国にも影響が出ているのだとか。
まあ、戦争にさえならないのなら、この機会に各国きっちりお掃除してもらいたいですね。
ふむ、まずは一件落着っぽいです。
後は退院したら、シュレディーケさんの方をすっきりさせねば。




