どんより曇天
流れていく雲を見て
羨ましいと思った
きみは何にでもなれるから
きみはどこまでもいけるから
雨が降って来た気がした
けれどその一粒だけだった
傘は差さなくても大丈夫
だってこれは雨じゃない
人への情が薄かった
他人には役割を求めて
情は求めなかった
それは今も変わらず
自分の役割を探す日々
流れていく雲は
様々なものにたとえられて
とても忙しそうだった
たくさんの人に羨まれて
何だか決まり悪そうだった
人からの情が怖かった
他人から好意をもらおうものなら
評価を下げようとした
それは今も変わらず
自分より優れている人を探す日々
風になりたいと思った
だって私はあの雲が
かわいそうで
どこかへ押し流したかったの