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確かに初恋だったが、そこまで外堀を埋められると逆に困る  作者: まるちーるだ
本編

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22/27

恩は売りつつ国盗りはサクッと

Act.21


Side レイア


術式が発動し、思ったよりも早いなと思いながら自分の部隊と、金剛殿をその場所へと転送させた。くるりと見上げた場所は宮殿らしく、その天井が一部落ちており、そして目の前には盛っている豚がいた。いや、豚だと豚に失礼だな。猪も猪に失礼だし……もう生ごみでいいかな?あ、でも生ごみだって肥料になるし、ごみ以下のデブ?それもデブに失礼だ。


「うーん……デ豚……違った皇帝……。」


「な、なんだお前たちは!!」


三下の台詞だね、と言うよりも、ロミオたちはどこかと周りを見渡した。そして遠くで手を振る黒髪の二人を見つけた。


え、まさかそこから投げたの?

私の弟すごくない?天才だよね!?


「兄上、今はこちらに集中してください。」


「ごめん、ごめん。さーて、初めまして紹稀国の皇帝陛下。私はレイア・ソネット。ソネット王国の第一王子で王太子だ。で、こちらが貴方の後釜になられる予定の金剛殿。ここまで理解できましたか?」


「後釜?」


皇帝……よし、混ぜればどっちでもないから混ぜて呼べばいいのだ!そう勝手に決めてからそのデ豚皇帝を見つめた。下半身は幸いにも瓦礫によって倒れた布の間仕切りらしきもので隠されている。

デ豚皇帝は意外にも私の言葉を理解できていたらしい。そしてジッと金剛殿の顔を見てハッとしたように目を見開いた。


「お前まさか!?」


「初めまして、父上……。」


静かに応えた金剛殿を見たデ豚皇帝が絶句したのも分かる。紹稀国では『双黒』は忌み嫌われるのに、皇帝への継承権は『双黒の男児』が優先される。つまり、自身よりも継承が優位な男児が目の前にいる。しかも、自身を『父』と呼びながら。


その事実がどれほど、デ豚皇帝にとって恐怖であろうな、と考えていた。何故、と言われれば、紹稀国の『双黒』の皇帝は数えるほどしかいないが、その内の全てが、『武力行使』によって帝位をものにした歴史(事実)があるからだ。


「あの女ッ!誰かッ!?」


叫び声をあげて助けを求めようとしたデ豚皇帝に真っ先に刀を向けたのは二人だった。琥珀が首元に、口の中には柘榴の短刀が……私の元々からの部下たちよりも早いし優秀で驚いたよ。まあ、琥珀は私の部下だし、他の部下たちをたった数時間で掌握したからその内底上げされるだろうから(柘榴は)望みはしないよ、うん。


「あの女、ですか……。やはり覚えていたのですね、僕の母を。」


そう言いながら近づいていく金剛殿。黒曜……基、瑠璃の記憶にあった二人の母親に、金剛殿はよく似ていた。金剛殿と自分の関係がすぐに頭の中で繋がったのだろう。


今にもデ豚皇帝を殺してしまいそうな金剛殿の肩を掴んだ。


「一つ、教えておくね。私たち王になるものは手を血で染めるわけにはいかない。どんなことがあろうとも、手を汚すのは部下であり、自分ではない。だけれども、それについてきてくれる部下がいる今を感謝しないとだよ。」


「そうですね……。そう言うことで、ゆっくりとお眠り(・・・)下さい。父上(・・)。」



この後の光景をこの少年に見せるべきかと一瞬悩んだ。しかし、覆おうとした手は阻まれ、彼はジッとデ豚皇帝の最期を見つめていた。


こんな簡単な国盗りでいいのかな?と密かに思ったけど、どうやら彼は覚悟を決めたらしい。ならば、私もできる限りの協力をして、出来るならお姉様を弟に下さいとお願いしてみよう、うん。



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