切り替え早すぎませんかね?
Act.17
Side ティボルト
オセロ殿下が映像化した黒曜殿の半生は、胸糞悪すぎて吐くかと思った。だいたい、お嬢ちゃん不幸すぎるだろ。というか、これ抱えて生きてきたのか?だとしたら尊敬するぞ、と心の中で密かに思った。
そして、今の映像で頭の中で繋がってしまった。
あの少年が覚悟を決めたのは彼女の為だったと。
見ていて思ったのは、彼女に『罪悪感など必要ない』ということだ。
寧ろ、紹稀国の皇帝はぶち殺してやりたくなるほどのクズ野郎だと改めて認識したところだ。美女と魔力の強い女に対する仕打ちや、圧政など色々噂話は聞いていたが、まさか弟殺してその妻を手籠めにするなんて酷いもんだと、気付いた時には眉間にシワを寄せていた。
一人、琥珀殿がゆっくりと少年に近づいた。
「金剛様、よろしいですね?」
「お願い、琥珀兄ちゃん。」
琥珀殿は手を少年の頭に置いた。不思議な魔法陣が浮かび、そして少年の『色』が黒に変わっていく。そしてその黒い瞳は強い意志を持ってレイア王太子殿下を見つめた。
「金剛!」
少年の名を叫ぶように呼んだ黒曜殿。その表情は絶望に満ちていて、顔色も悪い。縋るように伸ばした手は、兵士らしく、傷だらけだった。本来の彼女の身分であれば、それらは付くことのなかったものだろう。だが、立ち上がろうとした彼女はよろけて、慌てるようにロミオ殿下がその身体を抱き留めた。
「黒曜姉ちゃん……いや、瑠璃姉様。僕も、母様から同じ魔法を掛けられて、もう、全て知っています。」
少年の表情はどこか晴れやかで、逆に彼女の表情はどんどんと青くなっていく。彼女は少年を守っていたつもりだったのだろう。だが、残念ながらそうではないと知ってしまった。
「ロミオ~、落とすなら今だよ、今!」
「兄上、そう言ったことはアドバイスするものではありませんよ。でもロミオ、そのまま抱きしめたのはナイスですよ。」
……兄王子共は口出すなよ!ロミオ殿下初恋なんだぞ!?そんなトラウマ残るようなヤジを入れないでくださいよ!!
「ロミオ殿下、その意気です!黒曜もこっちから見ると真っ赤になってますよ!!」
琥珀殿!?何言っちゃってんの!?いや、確かに兄王子たちの言葉で一気に顔色回復したけど!?仮にも妹でしょ!?何追い詰めること言っちゃってんの!?
「ロミオ殿下~、良かったですね!とうとう、女性を抱きしめられるようになるなんて!!涙が出てきましたよ……ふふふふ。」
ブルータス、お前もか。
今度はロミオ殿下が真っ赤になってきたぞ。というか、二人ともフリーズしたじゃねえか。どうするべきなのか、迷った挙句、視線をずらしていけば、椅子に簀巻きにされたまま座らせられている柘榴と目が合った。
「えっと……ご愁傷様?か?」
何とか言葉を出そうとした彼と何故か心が通じ合った気がした。あとでロミオ殿下に許可貰って縄解いてやるから待っていてくれ……。
その茶番に少年はやっと子供らしい笑顔を見せていた。その笑顔に誰よりもホッとしたのは俺だったかもしれない。
すみません、書きたかったところはここでした(笑)
本日はここまでです!
あともう少しで完結します!
頑張ります!!




