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確かに初恋だったが、そこまで外堀を埋められると逆に困る  作者: まるちーるだ
本編

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10/27

母は決意します

Act.9


Side マクベス


社交の場であるお茶会が終わりゆったりとしていた。今日の話のほとんどは『ロミオの婚約者は決まったのか?』でした。もう残っている王子はロミオだけですし、ついでに言えばロミオは『双黒』。誰もが娘の婿に欲しいのでしょう。


「「「お母様!!」」」


バタバタと淑女らしくない行動をしながら娘たちが三人とも駆け込んできた。普段そんなことを一切しない娘たちがこのような行動をするなど珍しくて何が起きたのかと驚いた。


「お母様、聞いてくださいまし!」


「昨日来られた『双黒』の御方が目覚められまして!」


「なんとロミオお兄様がドレスのアドバイスをしたのです!」


「……は?」


この時の(わたくし)の顔は酷く間抜けであったと思います。


事情を聞けばロミオが目覚めたばかりのその少女をこの子たちに相談したそうです。この子たちはちょっとした悪戯のつもりでロミオの色を纏わせたらしい。それに対して嫌そうな顔もせず、寧ろドレスのデザインのアドバイスをしたという。


「それは……ロミオの話なのよね?」

「ええ、お母様!間違いなくロミオお兄様の話ですわ!」


「それに黒曜様とロミオお兄様の『双黒』が並んだ姿の美しいこと!ロミオお兄様は身内びいきにしたって美しいですし、黒曜様はそれに引けをとらない美しさで……ロミオお兄様の仰っていたドレスをどうしても作りたいのです!」


「お母様、ロミオお兄様が無理した様子もなく話すのです。お義姉様たちですら青い顔をして話すロミオお兄様が普通に女性と話しているのです。」


そう言いながら娘たちは泣き出してしまった。そして私も泣きそうになってしまった。夫の妹が何を狂ったのかロミオを襲った時、私が気を付けていればと何度も後悔しました。もっと『双黒』と言うものを理解しなければならなかったと、何度も何度も。


後悔しても仕方がない。私が出来るのはロミオの傷を癒すこと。


そう思ってもなかなか上手くはいかなかった。レイヤやオセロの婚約者たちに協力してもらったが、青い顔で会話するのが精いっぱいで、これ以上は酷だと止めさせた。義理の娘になる予定の令嬢たちにも申し訳なかった。


それでもロミオは王子としては令嬢たちや、夫人たちを無下にはせず、夫人たちはそれを分かっているが故に、なるべく距離を置いて話してくれているようだった。しかし、若い令嬢はそうではなく、結局ロミオは危険地帯の最前線と言われる辺境に自らの意志で向かった。


元々、そうする予定ではあったが、早すぎる。


何度となく国王()に掛け合ったが、最終的にはロミオの判断に任された。そうなれば止めるすべなどなかった。幸いなことに、その直後にレイアとオセロの特殊能力(ギフト)が発現し、ロミオとの心の距離は離れずに済んだ。


「お母様?」


娘の声にハッとした。心配そうに見つめる娘たちは私にハンカチを差し出していた。ああ、いけない、思わず泣いていたのだと気づいた。


「……いけないわ、涙腺が緩んでいるのね。」


そう言いながら娘の差し出したハンカチを受け取り、そして涙を拭いた。


そして心の中で勝手に決めた。

そのお嬢さんを何としてもロミオの嫁に!!


「……そうと決まればその『双黒』のお嬢さんはどちらに居るの?」


「黒曜様なら先ほどお兄様たちがお茶会をしている場所に案内しましたわ!」


「……おかしいわね。先ほど『三日間眠り続けた『双黒』の娘が目を覚ました』と報告を受けたのですが、まさか(・・・)そんな体調の方にいきなり焼き菓子なんて食べさせていないですよね?」


私の言葉に娘たちは真っ青な顔に変わった。どうやら娘たちは今、その事実を認識したようだった。娘たちがこの様子ではロミオもあてにはならないだろう。


これは注意しないと、と思い立ち上がった。


「まあ、とにかく……その『黒曜』さんに会いに行きましょう。」


スッと立ち上がってゆっくりと歩き出した。侍女たちが道を開けて、そしてロミオたちがいるであろうお茶会の場に向かった。


後に侍女たちはコソコソと話していたという。


『ロミオ殿下の下に向かう王妃様は、それは、それは美しい笑顔でブリザードを起こしていた。』と。




今回の投稿はここまで!

続きは書き次第上げていきます!

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