プロローグ
お久しぶりです!
今度のコンセプトは『悲劇を喜劇に。』でして、シェイクスピアの悲恋系統を幸せにしたいな~、と思って書き出した話になります!
なので登場人物がほとんど、シェイクスピアの作品にかかわりのある名前となっております!
ゆる~っと読めればいいな~な作品なので、あまり深くは考えないでもらえると助かります!
むかし、むかし、それは可哀想なバケモノと呼ばれる娘がおりました。
バケモノは誰もが嫌う黒い髪に黒い目を持った莫大な魔力を持った娘でありました。
彼女は両親にも、誰にも愛されることなく過ごしておりました。
あるとき、娘は同じ色を持つ男と出会いました。
同じ色を持つ男は娘の住む田舎ではなく、外の世界の話をたくさん娘にしました。
そして娘は黒を持つということが、世界では尊ばれることを知りました。
その男は自分と同じ色を持つ娘に惹かれていきました。
娘もまた、その男と話していくうちに惹かれていきます。
でも悲しいことに黒を持つ男と娘を恐れた女の両親は彼女に毒を飲ませ、そして亡き者にしてしましました。
それを知った男は嘆き悲しみ、そして膨大な魔力を爆発させてしまいました。
辺り一帯は焼け野原になり、娘を避けていた全てが無に帰りました。
男は冷たくなった娘の亡骸を抱きながら息絶えました。
しばらくすると不思議なことが起りました。
娘が焼け野原で目を覚ましたのです。
自分が惹かれた男の腕の中で、目を覚ました娘は辺りの惨状に言葉を喪いました。
そう、両親が飲ませた毒は、娘を死んだように見せるためのものでした。
娘が死んだことにすれば、男に娘を連れて行ってもらえる。
こんな田舎でバケモノ扱いされている娘を自由にできる。
そんな親心が悲劇を生みました。
娘はその焼け野原で泣き続けました。
息絶えた男に縋りながら。
娘は空を見上げました。
それは綺麗な星空でした。
娘は泣きながら願いました。
『どうか彼と一緒にいさせてください。』
と。
それと同時に娘は身体から力が抜けていきました。
膨大な魔力が娘の身体から抜けていき、そして娘は男に覆いかぶさるように倒れました。
娘の魔力で満たされたその場所は木々が生い茂り、動物たちの憩いの場へと変化していきました。
二人の亡骸は多くの緑に包まれて、やがて一つになりました。
この話を精霊から伝え聞いた吟遊詩人はこの二人の物語を『双黒』と名付けました。
それ以来、黒い目と黒い髪を持つ人間の事を『双黒』と呼ぶようになったのです。
遠い、むかし、むかしの物語。
つまるところ、ロミジュリです!