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交流記録 鳴神 優翔 Ⅰ

簡単なコラボキャラ紹介


東方忘人記より


名前:鳴神なるかみ 優翔ゆうと

種族:人間

身長:169cm

年齢:15歳(中学3年生)

能力:忘れる程度の能力・記憶する程度の能力


二つ名:忘却の果ての殺戮者・記憶する絶望



少し背の高い中学生。元々は明るい性格だったが、忘却されて幻想郷に落ちた際、心に深過ぎる傷を負い、やや暗めの性格になった。が、時々元々の明るさが出て来る場面が見受けられる。

身体能力は年相応で一般的。"ある状態"にならなければ若干運動神経が良いだけの少年。


住居は妖怪の山の何処かにある八雲邸の別荘で、数日間しか住んでなかったとは言え、妖怪達とは顔見知りが多い様子。


忘れる程度の能力は自身が忘れたい記憶を忘れたり、相手に忘れさせたい事を忘れさせる。エピソード記憶、知識記憶のみならず、身体機能、能力など多岐に渡り、その範囲は世界にまで及び、世界の歴史を改変したりも出来るが、本人の無意識セーブでそこまで至らない。


記憶する程度の能力は自身が憶えていたい事を完全に記憶したり、相手に憶えさせたい事を記憶させる。エピソード記憶、知識記憶のみならず、身体機能、能力など多岐に渡り、その範囲は世界にまで及び、世界の歴史を改変したりも出来るが、これも本人の無意識セーブでそこまで至らない。

「ふぅ、一時はどうなるかと思ったわ。」


聖人とナイラの戦いを見ていた豊姫は戦いが無事に終わってほっとした様子を浮かべていた。


「貴女ねぇ、この世界に他世界の人を呼ぶとは百歩譲って良いとして、あんな危険人物を呼ぶんじゃないわよ。」


「好奇心が抑えられなかったのよ♪でも丸く収まったからいいじゃない。細かいこと気にしすぎてたら老けるわよ♪」


豊姫は手に持っていた扇子で口元を隠しながらクスクスと笑う。対する紫は拳を握り締めて豊姫に殴り掛かろうとしたが、無意味だと察しため息をついた。


「余計なお世話よ。それで、次は誰を呼ぶのかしら?未確認生命体とかは勘弁してほしいわね。」


「大丈夫よ♪次は……。」


笑顔で扇子をくるくる回していた豊姫だったが、急に真剣な表情になり、彼方の方向を見詰め出した。


「どうしたのよ?貴女がそんな表情になるってことは、何か重大な問題でも起きたのかしら?」


「ちょっと、いえ、かなり不味い問題が起きたわ。簡単に言うと、この世界には呼ばないようにしていた人が来たわ。」


普段豊姫が見せない焦燥の表情を見た紫は背中に悪寒が走り始める。焦燥の表情のまま、豊姫はスカートのポケットに入っていた携帯を取り出して操作し始めた。


「紫、何時でも戦闘出来る準備を整えておいて。」


「どんな人物が来たの「いいから早くしなさい!」わ、分かったわよ!」


紫が豊姫に質問しようとするが、豊姫の有無を言わさない怒った表情を見て慌ててスキマを展開して何処かへ出掛けた。


「これで、良し。けどどうして彼がここに来たのかしらね?下手をすればこの世界は絶望に染まる、もしもの時の為にあの人を待機させましょう。」


私の心配が杞憂だと良いのだけれど、と豊姫は誰もいない空間で呟いた。今回訪れる人物は一体何者なのか……。















魔法の森


この森は常に禍々しい妖気で溢れており、普通の人間は森の瘴気に長時間耐えられない。人間だけでなく妖怪もあまり寄り付かない場所となっているが、瘴気に耐えられる人間にとっては妖怪があまり来ないため安全である。


また、化け物茸の胞子がもたらす幻覚は、人間の魔力を高める作用があるので魔法使いを志すものが好んで住み着く。


ここには魔法使いである霧雨魔理沙(きりさめまりさ)とアリス・マーガトロイドが住んでいる。そして魔理沙の家の近くに1人の少年が突然現れた。


「ここは、何処だろう?」


少年は不思議そうに辺りを見渡す。ここが何処なのか分かっていない様子だった。


「見たところ森っぽいけど、もしかして魔法の森かな?」


「その通りだぜ少年。」


独り言を呟いた少年はまさか返事を貰えるとは思ってなかったらしく、声の聞こえた方向へ勢いよく振り向いた。そこには黒色のスーツに身を包む青年が背中に籠を背負い右手に緑色、左手に赤色の茸を持ちながら立っていた。


「魔法の森を知っているってことは外来人ではないな?けどここには初めて来たっていう顔をしてるぜ少年。」


「……貴方の名前は?」


少年はマジマジと見てくる青年に対して警戒心を抱きながら訊ねる。それを見た青年はあっ、という顔をしながらガシガシと頭を掻く。


「悪いな自己紹介がまだだったぜ。俺は松方健二(まつかたけんじ)だ。この魔法の森に嫁さんと娘の3人で住んでいるぜ。」


「鳴神優翔です。」


ニカッと笑いながら自己紹介する健二に対し、優翔は先程よりも警戒心を高めながら健二を見る。


「そんなに警戒すんなよ、傷付くぜ。」


「警戒もしますよ。俺はあの時……。」


優翔は健二と話ながら突然腕を組んで考え事を始めた。その間健二は右手に持っていた茸をモグモグと咀嚼し始める。


「ここは、幻想郷ですか健二さん?」


「そうだぜ、もしかしてここの幻想郷(・・・・・・)に来たことあるって感じか?」


「そんなところです。それとさっきから1つ気になっていたんですけど、健二さん何食べているんです?」


優翔は困惑した表情を浮かべながら健二を訊ね、健二は茸を食べるのを一旦止めて背中の籠から緑色の茸を優翔に投げ渡した。


「俺が開発した美味しい茸だぞ。一本食べるとあら不思議、残機が1つ増えた気分になるぜ!」


「いやいや!これは色々とアウトだと思いますよ健二さん?ちなみに何の細菌を使ったんですか?」


「えっと、ここで採れる木材と、何かと何かと何かと何かで作ったぜ!」


満面の笑みでドヤ顔する健二を見た優翔と聞くだけ無駄だと察してため息をついた。


「ほら、騙されたと思って食べてくれよ。俺の嫁さんと娘は嬉しそうにモグモグ食べてくれだぜ!」


「いかにも毒がありますよって色合いですけどこれ。怖いから食べたくないですよ。」


渡した茸を食べるのを拒否する優翔を見た健二は背負っていた籠を地面に起き、その中からフライパンとまな板と包丁を取り出し、茸を切ってそこら辺の束になっている枯れ木に魔法で火を付けて焼き始めた。


「なら調理すれば食べてくれるんだよな?この茸は焼くと旨いぜ、ほら。」


調味料で味付けした茸を何処からか取り出した皿に箸と乗せて優翔に渡す。嫌々といった感じで優翔は茸を一口食べる。


「……旨い!?」


驚愕の表情を浮かべながら茸を食べる優翔を見た健二は自分の食べる分の茸も調理して食べ始める。


「だろ?この茸作るのに1月掛かったぜ。この他にも赤、青、黄、紫、ピンク、橙色の茸もあるぜ!あとは、黄金や銀色の茸もこの森にはあるぜ!」


「普通の茸を作ったらどうなんですかね?黄金と銀色の茸って、凄くシュールな感じが……。」


健二が積極的に話し掛け、それを優翔が相槌や苦笑いを浮かべながら会話を弾ませていく。そして2人が茸を食べ終わった頃に奥の方から魔理沙と紫が歩いてくる。


「おっ、魔理ちゃん!」


「おっ、じゃないぜ健二。すぐに戻ってくるって言っときながらこんなところで油売ってたのかよ。」


「心配かけて悪いな、ちょっとそこの少年と話していたんだぜ。」


健二が優翔の方を向くと、魔理沙と紫も優翔の方を向いた。魔理沙と紫の視線を浴びている優翔は何処か気まずそうな表情を浮かべていた。


「なあ健二、そこの人誰なんだ?紫は分かるか?」


「私も知らないわね。そこの貴方、名前は何て言うのかしら?」


紫が優翔に向けてそう言った瞬間、優翔は気まずそうな表情から一変して絶望した表情になった。


「貴方は、八雲、紫さん、ですよね?本当に、俺の事を、覚えていない、んですか?」


「ごめんなさい、私は貴方を初めて見たわ。」


紫が優翔に謝った瞬間、優翔の目から涙が溢れ出し狂ったように笑い泣き始めた。


「ハハッ、そうか。結局皆俺の事を忘れるんだ、あの台詞、あの涙、全て嘘だったんだ。そうかそうか。」


「お前、一体何を言ってるんだぜ?私はお前を見たことがないぜ?」


魔理沙が訳が分からないといった感じで優翔に訊ねるが、優翔は笑い泣きしながら眼を閉じる。


「うるせぇよ、忘却『全知全忘』」


眼を開けた優翔がスペルカードを取り出して宣言した瞬間、魔理沙と紫の顔から感情が無くなり、虚ろな表情で辺りをウロウロし始めた。


「魔理ちゃん!?紫!?優翔お前何をしたんだ!?」


「忘れろ、忘れろよ全て。時も記憶も何もかも、全て忘れろよ。」


健二は魔理沙と紫の肩を前後に揺さぶるが、何も反応せずにただただ辺りをウロウロするだけ。その姿はまるで廃人のように健二は見えた。


「(健二!まだ反応出来るなら返事をしてくれる!?)」


魔理沙と紫を廃人のようにした犯人である優翔に弾幕を放とうとした健二だが、その前に頭の中に直接豊姫の声が響き渡った。


「この声、ああ俺は何とか無事だぜ。けど魔理ちゃんと紫が。」


「(少し遅かったみたいね。いい?心して聞いて頂戴ね。さっき彼が使ったスペルは相手の記憶を完全に消し去ると言う悲劇的なスペルカードなの。受けた者は廃人と化して自分が誰なのか、此処は何処なのか、と永遠に彷徨い続けてしまうわ。)」


豊姫から魔理沙と紫が廃人になった理由を聞いた健二はガックリと項垂れた。


「(戻す方法はあるよな豊姫!?)」


「(……彼が魔理沙と紫の記憶を戻してくれない限りは永遠にその状態よ。彼は『忘れる程度の能力』を持っているわ。その能力は自身が忘れたい記憶を忘れたり、相手に忘れさせたい事を忘れさせる。エピソード記憶、知識記憶のみならず、身体機能、能力など多岐に渡るわ。」


言いづらそうに話す豊姫の言葉を聞いた健二は苦虫を噛み締めたような表情をしながら優翔の方を向く。


「(くそがっ!けど何で優翔はいきなりあんなことし始めたんだぜ?俺と会話している時はちょっと暗めの少年って感じだったんだぜ。)」


「(それは彼の今の状態にあるわ。彼は元々貴方達と同じ外の世界にいたけれど、忘却されて幻想郷に落ちてきたの。その際に彼は心に深過ぎる傷を負って今の彼の状態に時々なるの。【心殺】って言うのだけれどね。)」


豊姫の説明を聞いていた健二だったが、突然優翔が健二の懐に潜り込んでおり健二の腹目掛けて優翔は蹴りを放った。


「いきなりかよ!?」


咄嗟に両腕をクロスさせて腹を守った健二だが、クロスした腕に優翔の蹴りを喰らい、少し後ろに吹っ飛ばされた。


「っ!何なんだよこの威力、蹴りを喰らった腕が折れそうになったぞ!?」


「(【心殺】状態の彼は身体能力が貴方達と同等かそれ以上の"超人"と化すわ、更に振るう攻撃全てに"心や精神を砕く"効果まで付与されて、精神力、心、感情を武器とする者全てに対し致命的な特攻を有するようになるわよ!)」


「優翔の姿、心を完全に殺した状態みたいだぜ。そうか、何も無い、何も感じない。だから殺す事にも躊躇いが無いから超人と化すのか。」


冷静に分析する健二だが、全身から脂汗を流していた。果たして自分は対峙する優翔という少年に勝てるのかと。


「(その通りよ。始めから全力で行きなさい、あまり時間はかけられないわよ。さっき言った彼の能力は世界にまで及ぶの、今幻想郷の住人達が記憶を失っているわ!)」


「優翔の能力が暴走してるって訳か。本当に時間を掛けていられないな!」


「(そう解釈して貰っていいわ。とにかく、おね)」


豊姫の声がそこまで聞こえた後、いきなりブツリと声が途切れた。


「魔理沙や紫さん、幻想郷の人達の記憶を取り戻したければ俺を倒してみろよ松方健二。」


「言われなくてもお前を倒してやるよ!」


優翔は無表情、健二は怒った表情をしながらお互い蹴りをぶづけ合う。果たして幻想郷の行方は……。

「こりゃとんでもない状況になったね~。健二が勝って丸く収まればいいんだけどね~、最悪俺が出るか~。」

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