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奇妙な話

呼ばわるもののはなし

作者: 水沢ながる

 うん、ちょうどこんな感じにどんより曇ったような日にね。人気のない裏道の辺りでさ、一人で歩いてると。

 誰かが名前を呼んで来るんだよね、いや誰がって言われても、誰もいないんだけどさ。そう、周りをぐるっと見回しても誰もいないの。人の気配もないの。声の方も男だか女だかわかんないような声で。

 それがさ、良くは聞こえないんだけど、呼んでるのはどうも違う名前なんだよね。そう、自分のじゃないの。でも何となく自分が呼ばれてる気になるって。

 場所? うーん、この町なのは確かなんだけど、どうもあちこちであるみたいでね。時々場所も移動するみたい。だから、はっきり何処とは言えないんだけどさ。ただ、他に一人でも人がいる時には起こらないのは確か。

 あ、一つ注意しとくよ。もしそれに出会っても、絶対に答えないこと。まあ違う名前を呼んでるんだから、そうそう答えないとは思うけどね。え? 答えたらどうなるって、詳しいことなんて知らないよこっちも。ただ、何か悪いことが起こるのは確かみたいよ。



 ……てな噂を街角を散歩しながら思い返していると、誰かに呼ばれた気がした。

「え? 何?」

 辺りを見回しても、誰もいない。


 ──○○さん。


 今度はもっと近くから、でもどこか不明瞭に。よく聞こえなかったけど、確かに私のじゃない名前を呼ばれた。


 ……しまった。答えちゃった。

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